コロナで月収8万円に減った女性。納豆は2食に分け、もやしでしのぐ日々

女子SPA!

2020/9/11 15:47

 何十社と就活しても内定が取れない90年代末、筆者はとある地方都市で大学生をしていました。当時、大学の就職課には全国規模ではない地元企業の、初任給が手取りで10万円以下という今では考えられない激安求人情報がいくつもあったのを覚えています。

そして現在、新型コロナウイルス感染症の影響による解雇者数が8月末に累計5万人を超えました。厚生労働省がハローワークなどを通じて把握した雇い止めを含む解雇者数だけでも計50326人で、実際にはさらに多いとみられます。

「私もコロナの影響で、給料の手取りが月8万円台になっているので…。以前ならあり得ない、さすがに安すぎると信じられないような額です」

そう嘆くのは、2年前からダイニングバーのアルバイトとして働く吉井みち子さん(仮名・24歳)。

◆高校卒業後、就職するもセクハラで退社しフリーターに

「最初は高校卒業後、地元の金属部品工場に就職したんです。確か、初任給は手取り13万円台でしたが、辞める直前は15万円ほどでした。家からも近くて、従業員の方もよくしてくださったのですが社長のセクハラがひどくて。

アラフォー世代の方だったんですが、『俺はまだイケてるぜ』って感じの圧がすごくて食事をしきりに誘ってくるんです。こちらは実家住まいで親が厳しいとか何かと口実をつけて断っていましたが、社長だって私が避けているのに気づくじゃないですか。それで見覚えのない仕事のミスを私の責任にされて叱責されたり、今度はパワハラがひどくなってそれで1年半で辞めたんです」

本当は正社員として転職しようと思ったそうですが、面接で短期間で辞めたことの説明を求められたことが嫌で「とりあえずバイトでいいや」と妥協。現在のダイニングバーも雇ってくれたから仕事をしているだけで、特に興味があったわけではないとか。

「高校のころも飲食店でバイトしていて働きやすいと思っただけなんです。人に左右されるところはありますけど、仕事内容そのものはシンプルで覚えることもそんなに多いわけではないですから」

◆給料が8万円台に激減し、生活できない……

給料は手取りで14~15万円。ところが、コロナの影響で緊急事態宣言発令翌日の4月8日から5月末前までお店は休業。

6月からは営業再開となったものの短縮営業を強いられていること、また客足も少ないことからシフト調整が行われ、以前ほど稼ぐことができないそうです。

「店を閉めている間は、アルバイトでも休業手当をもらえましたが通常の6割だったので8万円台。実家住まいならこれでも十分生活できましたが、去年から一人暮らしを始めたので……。

営業再開後も出勤調整で思うように働くことができなくて、7月の給料も約8万6000円。不足分は少ない貯金を削ってなんとかしのいでいる状態で、このままでは破綻も時間の問題でした」

ちなみに一人暮らしを始めたのは、彼女の希望ではなく、母親が再婚することになったため。つまり、彼女には帰る場所がなく、今の生活を維持する必要があったのです。

◆時給1025円の食品工場のバイトに週2日

とはいえ、ちゃんとした収入を得られる仕事を見つけようにもそもそも募集すら行っていません。厳密にはネット上に募集求人広告が載っていますが、その多くは問い合わせても「現在は募集を見合わせております」と言われて終わり。仕事を探すには最悪と言わざるを得ないタイミングでした。

「出勤日を減らされても月に8万円以上稼げるダイニングバーは大きいし、それに代わる仕事がない以上、辞めることはできません。そこで考え方を変えて、給料が減った分を別のアルバイトで補うというやり方にしようと思ったんです」

最初はスナックなど水商売系のアルバイトも候補に入れていましたが、期待していたほどの募集はありませんでした。それに各地の歓楽街でクラスターが発生しているとの報道も彼女に決断を思い留まらせます。

「やっと時給1025円の食品工場のバイトに採用されて、週2日で4時間ずつ働いています。これだけだと減額した分を埋め切れていないので、もう少し出勤日を増やしたかったのですが認められなくて……」

=====================

●みち子さんの1か月の収支(※健康保険、年金、税金などを引いた手取り)

収入

8万2000円(ダイニングバー)

3万4000円(食品工場)

支出

4万8000円(家賃)

1万8000円(光熱通信費)

2万2000円(食費)

1万3000円(交際費・娯楽費)

1万8000円(雑費)

収支

-3000円

=====================

◆惣菜は半額シールが貼られていないものを数年買ったことがない

2つの仕事を合わせて11万円台の給料を手にしているとはいえ、コロナ前の収入には依然として及びません。一体どの部分を削っているのでしょうか?

「美容にかけていたお金を一気にカットしました。とはいっても、もともとそれほど使っていたわけではないですが、ここ数か月は月1回の美容院通い(カット代3500円)をやめてYouTubeなどを参考にして自分でカットしています。あとコスメ関連の出費は、月3000円前後かかっていましたがランクを落としたり、試供品を使うことで1000円程度に抑えています」

また、食費も激安食材の購入をはじめ、外食も極力控えるようにして1万5000円近く圧縮しました。

「数少ない趣味のひとつが食べ歩きだったんですけど、収入が減ってからは我慢しています。家での食事はもやしを使う頻度を増やしたり、納豆も1食1パックではなく2食に分けて使い切っています。

お惣菜類は、以前からですが、半額シールが貼られていないものをここ数年買ったことがありません。ほかにも電子書籍を買うのを止めるとかそうやって少しずつお金を浮かすようにしています。それでもまだ毎月赤字ですけど(苦笑)」

◆このままではジリ貧は避けられず就職を決意

現在のダブルワークはあくまで一時しのぎ。最低限の安定という意味でも正社員として就職しなければいけない必要性を感じています。

「私でも就職できる可能性があって、今でも求人が比較的多いって条件から消去法で絞り込むと、福祉系かなって。安月給で激務って評判ですけど、少なくとも今より収入が減ることはないと思うんです。

飲食系だと店が突然潰れる可能性だってありますし、勤めているダイニングバーもガラガラなのでヤバいかなって。バイトは立場が弱いですし、無知なりに自分自身守っていかなきゃいけませんから」

特に彼女のようなフリーター女性の場合、コロナ禍で大変な状況に陥っている人は多いかもしれません。

最近の解雇者全体のうち6割超が非正規労働者であり(※厚生労働省による8月28日までの1週間の集計)、国内の非正規雇用者の7割近くを女性が占めています。

厳しいですが、これが現実。いくら生活が困窮していようと誰かが手を差し伸べてくれるのを待っている余裕などはなく、自分でなんとかしなければならないのが日本の現状です。

<文/トシタカマサ>

【トシタカマサ】

一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

当記事は女子SPA!の提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ