『親バカ青春白書』で注目の谷口翔太にインタビュー!『龍馬伝』での香川照之との共演が俳優としての糧に【連載PERSON vol.12】

テレビドガッチ

人生に影響を与えたテレビ番組を軸に、出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON~人生を変えたテレビ番組」vol.12は、9月13日(日)にいよいよ最終話を迎える連続ドラマ『親バカ青春白書』(日本テレビ系)で、ムロツヨシさん演じる作家・小比賀太郎の担当編集者・尾崎役で出演中の俳優・谷口翔太さんが登場します。

16歳のときに現在の事務所に所属し、俳優活動を開始した谷口さん。大河ドラマ『龍馬伝』(NHK)の中島作太郎役をはじめ、『ブラッディ・マンデイ』(TBS系)のテロリスト・小林大助役、『集団左遷!!』(TBS系)の宮田学役など、作品にインパクトを与える実力派俳優です。

『親バカ青春白書』では、2度目となる福田雄一監督のもと、ムロさんとテンポの良い芝居を披露し、作品に彩を添えています。そんな谷口さんに、本作の現場で得たことやご自身のパーソナルなことについてじっくりと伺いました。

――『親バカ青春白書』の尾崎役として出演が決まったときはどんなお気持ちだったのでしょうか?

マネージャーさんが「編集者役で決まりました」とだけ話していたので、役名を知らなかったんです。台本読んでも尾崎という名前の編集者は出てくるのですが、こんないい役じゃないんだろうなって思っていたんです。きっと岡田将生くんみたいなシュッとした俳優さんがやるんだろうなと思いながら台本を読み続けていたのですが、結局最後まで“編集者”という人物は出てこなかった(笑)。

だんだん心がざわついてきて「もしかしたら尾崎っていうのが僕の役なのかな」と思ったら「そうです」と言われたので、本当にびっくりしました。最初は岡田将生くんのイメージを頭から消すことに時間がかかりました(笑)。

――福田組は『今日から俺は!!』に次いで2度目でしたが、演技プランについて話し合ったことは?

演技について現場でディレクションされることはなかったです。でも福田監督をはじめ、スタッフ、共演者の皆さんから「絶対面白いものをつくろう」という思いを強く感じる現場だったので、僕自身もしっかりと現場で受け止めて、返せるようにと気合を入れて臨んだ現場でした。

――尾崎という役に対して特別な準備はされたのですか?

用意はしていきましたが、現場に行くと瞬時に崩されてしまうぐらい生もの感がある撮影。ムロさんもどんどん仕掛けてくださるので、自分が用意してきたものが、どれだけ軽薄なものだったかということを思い知らされました。

――ムロさんが監督を務めた回(第6話)もありましたよね。

実は、撮影初日がその回でした。なにも聞かされておらず、ムロさんに挨拶したら「僕が監督やります」と言われて……ドッキリかなと(笑)。ただムロさんからも「いい意味で台本をぶっ壊そうね」と言われていたので、全力で挑みました。

――ご自身からも仕掛けたりしたのですか?

勇気を出してやりました。でもムロさんもテストと本番で全然違うお芝居をされることもあり、北斗百裂拳で体中の秘孔を突かれている感じでした(笑)。いろいろな筋肉が鍛えられました。

――数々のドラマ、映画作品に出演していますが、谷口さんを形成したテレビ番組はありますか?

いろいろな作品に影響を受けているのですが、パッと思い浮かぶのは『志村けんのバカ殿様』や『ドリフ大爆笑』とかですね。小さいころはテレビが大好きで家族で見ていた印象があります。

――『ドリフ』などがきっかけで俳優に?

華やかな世界への憧れはありましたが、自分とは別世界と思っていたんです。きっかけかどうかはわかりませんが、もともと『3年B組金八先生』や『金田一少年の事件簿』などの学園ドラマを見るのも好きで、自分も制服を着てドラマに出たいなと思って、いまの事務所に応募したのが16歳のときでした。そこからはとにかく学園ドラマに出たいと思って『ごくせん』や『WATER BOYS』などのオーディションを受けまくったのですが、全部落ちてしまい……映画では『夜のピクニック』などに出演したので、まあ夢は叶ったといってもいいのですが、学園ドラマは出られませんでした。

――でも『今日から俺は!!』は学園物といえばそうですよね。

そうなんです。32歳になってようやく学園ドラマに出演できました。なので福田監督には感謝です(笑)。そこから『親バカ青春白書』に結びついたのも感慨深いですね。

――いまはどんなテレビ番組を見ていますか?

日曜日の朝に放送している『がっちりマンデー!!』は結構見ています。父親が大好きで、自然と僕も見るようになっていました。あとは『しゃべくり007』や『A-Studio+』とかは役者をやっているので憧れますね。(コロナによる)自粛期間中は海外ドラマの『ウォーキング・デッド』なんかを一気見していました。

――15年を超える俳優人生ですが、谷口さんにとって大きく影響を受けた人との出会いはありましたか?

たくさんありますね。なかでも大河ドラマ『龍馬伝』でご一緒させていただいた香川照之さんは偉大な先輩です。『龍馬伝』から10年経って『集団左遷!!』で再会できたのですが、香川さんには心に残る言葉をたくさんいただいています。

僕のことをよくいじってくださるんですが、『集団左遷!!』のときも「なんで銀行のドラマに魔人みたいなのがいるんだ」っていじられて、「でももし黒澤明監督がいま生きていて『七人の侍』のオーディションやったら、お前は間違いなく選ばれているよ」と話してくださったんです。その言葉ですごく自信が持てたことを覚えています。常に意識している目標の先輩で、現在放送されている『半沢直樹』を見るたびに「いつか香川さんと睨み合いしてフレッシュに笑わせたい」と思っています。

――谷口さんにとってお芝居をするうえで大切にしていることは?

“ピュアさ”です。新しい作品に入り、本をいただくとき必ず意識しています。お芝居を長くやるといろいろな邪念というか「こうやってやろう」という思いが入ってしまいがちなのですが、ちゃんとピュアに台本に向き合おうといつも心がけています。

――長年俳優をやられていますが、どんなときに「楽しいな」と思えますか?

『親バカ青春白書』の話になりますが、ずっと芝居に対してなにも言わなかった福田監督が、冒頭のムロさんとのシーンが終わったあと、一言「素晴らしい」とおっしゃったんです。ムロさんも駆け寄ってきてくれて「やったな」って。涙が出るぐらい嬉しかったです。やっぱり褒めていただけると「やっていてよかったな」と思います。

――逆に役者をやめようと思ったことは?

祖母が亡くなったときですね。祖母は死ぬ直前まで「頼むから俳優をやめてくれ」って言い続けていたんです。だから亡くなったときは「ごめんね」っていう気持ちが湧いてきました。でも自分の気持ち的にはやめようと思ったことはないです。

――俳優業のターニングポイントになった作品は?

『ブラッディ・マンデイ』ですね。16歳で事務所に入ってから、いったん事務所を2年ぐらい離れた時期があったんです。それで再度戻ったときの最初の作品が『ブラッディ・マンデイ』でした。いままで単発ドラマの現場しか経験したことがなかったのに、この作品では3か月現場にいることができ、連ドラの難しさやモチベーションの維持も学ぶことができました。この作品から『龍馬伝』や『シン・ゴジラ』に繋がっていったことを考えると、自分のなかでは大きな作品でした。

――『ブラッディ・マンデイ』のテロリストの役はかなり印象的でした。

ちょうどこのドラマがオンエアのとき、僕は教育実習中だったんです。うちの両親が教員だったので、俳優を続ける条件が教員免許を取ることで、当然学校には内緒で教育実習に行っていたのですが、ドラマがオンエアされて結構反響があって……。「学校にテロリストがいる」って話題になってしまい、教頭先生に呼び出されて「困ります」って言われて(笑)。でも、とりあえず「あさっての放送を見てください」って伝えたんです。案の定、放送後に呼び出されて、「なんて答えよう」って考えていたら、先生から「すばらしかった! 俳優頑張ってください」と応援してもらえました。生徒からも「まともに授業が受けられないです」とすごくイジられて……(笑)。俳優をやっていると面白いことばっかりです。

――ギターもかなりの腕前だとお聞きしました。

高校のとき軽音楽部だったんです。当時はL'Arc~en~Cielが大好きで、自分のことをhydeさんだと思っていました(笑)。僕にとっての青春はラルク。いまでも神です。俳優を離れたときも、ギターを持ってニューヨークやイタリアに行っていたぐらい。

――行動的ですね! 成り上がってやろう……みたいな?

いやいやいや(笑)。でもそれ、よく言われるんです。『北の桜守』の現場で堺雅人さんからも同じことを言われました(笑)。映画の舞台になったホットドックストアの「ミネソタ24」の歌を作ってくれって言われて、適当に作って歌ったら「いいじゃん! 音楽やってんの?」って。それで海外に行った話をしたら「心のどっかで、海外でやっちゃおうとか思ってんじゃないの?」と言われて。でも、違うんです、ただの長い旅行です(笑)。

――ちなみに、hydeさんとお会いしたことは?

ないです。もしhydeさんに会ったら、感動し過ぎて時が止まってしまうと思います。

――お好きだと話していた『A-Studio+』に出演してhydeさんからメッセージをもらったら嬉しいですね。

もうやばいですよね。コンサートにもずっと行っていましたし、いまでも聴いています。

――今後の目標は?

hydeさんからビデオメッセージもらえるような俳優になることですね(笑)。あとは俳優なので、見てくださっている人が、いろいろな役を想像できるような芝居を心がけて、自分がやったことがないような役が舞い込むようなアプローチを続けていきたいです。そしてまた作品で香川さんと対峙できるような俳優になっていたいです。

(取材・文・撮影:磯部正和)

当記事はテレビドガッチの提供記事です。

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