つるの剛士「外国人に畑のパクチー盗まれた」 そのつぶやきが、“差別”である理由

wezzy


 タレントのつるの剛士によるツイートが、日本で生活する外国人への差別を煽る投稿であるとして議論になっている。

9月4日、つるの剛士は農林水産省の公式Twitterアカウントによるツイート<【ご注意ください】生産者の皆さまが手塩にかけて育てた家畜や農作物、トラクター等の機械の盗難被害が発生しています>を引用リツイートするかたちで、自分たちの家族が育てているパクチー畑でも盗難被害があったと投稿した。

<うちの畑も最近パクチーやられました(現行犯でしたが※「日本語わからない」の一点張り)ので気をつけてください。悲しいですが監視カメラ取りつけました>

投稿によれば、つるの剛士は現行犯で犯人を捕らえ接触したが、盗難を反省していたことから警察に通報することはせず穏便に済ませたという。

そのうえでつるの剛士はフォロワーからのコメントにリプライするかたちで、<一応目星がついていますので。畑近くの工場で働いてる外国人。もちろん次見つけたら通報します>とつぶやいた。

その後、こうした一連のツイートが外国人に対する差別を煽るかたちになっていると指摘を受けるとつるのは猛反論。

<日本人だろうが外国人でろうが農産物を盗む行為は歴とした犯罪。差別でもなんでもなく事実です>(原文ママ)
<日本人でも外国人でも農産物を盗む行為は歴とした犯罪!こちら100%被害者!差別??現行犯!事実!今回許してしまいましたが今後はこのような難癖つけられないよう次こそ必ず通報します!>

つるのが述べていることが事実なのだとすれば、育てているパクチーを盗んだ犯人は罰せられるべきだし、被害に遭ったつるのはお気の毒ではある。しかし、ここで「外国人」という属性を敢えて書いたことが、フォロワーの差別心を煽ったこともまた、否定できない事実だろう。

そもそも、もし現行犯で捕まえた犯人が日本人であったら、<一応目星がついていますので。畑近くの工場で働いてる人>とツイートしただろうか? おそらくしないだろう。

いま現在、つるの剛士のTwitterのリプライ欄には、今回の件に乗じたヘイトツイートを投稿しているアカウントが多数見られる。もし外国人労働者がパクチーを盗んだ犯人であったとしても、それをTwitterに書くことが、フォロワーのどういった反応を引き出してしまうか、つるのはもっと思慮深くなるべきだったはずだ。

「外国人に野菜を盗まれた」ことが事実であるとして、その事実をそのまま伝えれば「日本で暮らす外国人全般」への人々の憎悪を煽りかねないことや、日本でマイノリティとして生活する一般の「外国人」をどれだけ苦しめることになるかを、よく考えてみてほしい。それでもなお、「自分は被害者だ、事実を口にして何が悪い」と言うのだろうか。
「外国人の犯罪率は高い」はデマ
 現在、日本には排外主義的な考えが浸透してしまっている。「外国人の犯罪率は高い」「外国人が増えて街の治安が悪くなった」という意見を、さも事実であるかのように信じ込み、伝えようとする人も少なくはないようだ。

だが実際には、「外国人の犯罪率は高い」「外国人が増えて街の治安が悪くなった」という話はデマである。

2019年3月に警察庁が出した資料「平成30年における組織犯罪の情勢」によると、平成30年間で刑法犯検挙人員が最も多かった2004年が8898人だったのに対し、2018年は5844人と緩やかながら減っている。また、刑法犯検挙人員に占める来日外国人の割合は平成30年間を通じて2%前後を推移しており、顕著に上がったというデータは見られない。

こうした数字が出ているにもかかわらず、前述したような外国人への差別意識はなくならない。だからこそ、SNSを通じてパクチー盗難被害を訴える際には「外国人」というレッテル貼りをすることに対して注意深くならなければならない。

歴史を振り返れば、約100年前の同じ9月、関東大震災の際に「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「朝鮮人が暴動を起こしている」というデマが飛び交い、多くの人が尊い命を奪われた。「犯罪」と「外国人」を安易に結びつけることはこういった悲劇を再び生む危険性も孕んでいる。

当記事はwezzyの提供記事です。

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