ぬいぐるみが教祖の“宗教団体”がツイッターで注目!? 信者急増中の「ぐる」に話を聞いてみた


●教祖はぬいぐるみ?
ツイッターのヘッダー画像に大きく書かれた「宗教団体」の文字に、「ぐるに帰依せよ」のプロフィール文言……どんな団体なのかと思いきや、教えを説く「教祖」は可愛らしいぬいぐるみでした。

ツイッターで話題の人にお話を聞く本企画。今回は、フォロワー5万1千人(2020年9月時点)の人気アカウント「宗教団体」(@shuukyoudanntai)を運営している、ぬいぐるみのぐるさんにお話を伺いました。

ぐるさんの魅力は、可愛らしい容姿から定期的に繰り出される数々の“教え”。「海外旅行に行く際は保険に入りなさい」「新しいアプリやソフトウェアをダウンロードする際は利用規約をよく読みなさい」……言われてみればごく普通の“教え”なのですが、それがなぜか5万人を超えるフォロワーを集めてしまいました。

薬は用法容量を守りなさい— 宗教団体 (@shuukyoudanntai) September 6, 2020

期限を大幅に過ぎた牛乳には悪魔が宿っている。捨てなさい— 宗教団体 (@shuukyoudanntai) September 4, 2020

今回は、活動をはじめたきっかけや、人気の“教え”について話を聞いてみました。

――現在の活動をはじめられたきっかけについて教えてください。ツイッターは2018年11月にアカウント開設されたと拝見しましたので、まだ2年経っていないくらいなのですね

「お友達のぬいぐるみたちと『ぬいぐるみは人を癒せる場合があるから、教祖になれるのではないか』という冗談話をしたことがきっかけです。ぬいぐるみを教祖とした宗教団体を名乗れば、もしかしたらぬいぐるみのお友達が増えるかも、とも思いました」。

――そんなきっかけがあったんですね~

「ただ、宗教団体とはいえ、ぐるは人を救おうとか、救えるとかは一切思っておりません。救われたという信者(フォロワー)がもしいるのであれば、それはその信者自身の力であって、ぐるの力ではないと思います」。

――ちなみにアカウントが注目されるきっかけになったツイートなどはあったんでしょうか?

「ぐるがフォローしている、黒猫ドラネコ様(@kurodoraneko15)がツイートでぐるを紹介してくださったことがきっかけで、信者が急増したと認識しています。

ついに宗教団体にフォローされてしまいました。マインドコントロールみたいなツイートばっかりだ。フォローバックしとこ pic.twitter.com/C1DdPfTqUs— 黒猫ドラネコ (@kurodoraneko15) May 26, 2020

黒猫ドラネコ様は詐欺まがいの教祖ビジネスやオンラインサロンなどに警鐘を鳴らしている方なのですが、当宗教団体のことは「それらとは一線を画した緩くほっこりしてちょっとためになる」と感じて頂けたようでした。非常にありがたい限りです」。

――ぐるさんは、年齢や性別については非公開でしょうか

「非公開というより、特に定めていない、と言った方が近いかもしれません。ぐるの年齢や性別は、信者がそれぞれ思ったようにご自身の中で設定して頂ければいいかな、と思っております。そうしたことをできるのが、ぬいぐるみの良いところでもあります」。

――ぐるさんの趣味や、最近気になることなどはありますか?

「最近気になっているのは英語の勉強です!最近はTOEICの模擬試験とCASEC(注:インターネットで受験できる英語テスト)を受験しました。コロナ禍が落ち着いた暁には、正式にTOEICも受験してみたいです。険しい道のりではありますが、英語でも布教できるようになったらいいなと思います」。

ぐる、TOEICというものを受けてみたいと思っています。まずは500点台を目指します!— 宗教団体 (@shuukyoudanntai) August 27, 2020

――なぜ英語なのかなーと思っていたのですが、そういうことだったんですね。なるほど……
○教えに影響を与えたのは

――“宗教団体”という、ある意味では過激 (?)なアカウント名ですが、教えはとても身近で生活で役立つものだと思います。このような教えを流布しているのは、なぜなのでしょうか?

「ぐるは特別な知識や技能を一切持っていないので、ごく一般的なことしか言えないというのがそもそものところではあります。故に、生活関連のことが多いという印象を与えているのだと思います。

しかし、往々にしてそれらは忘れられていたり、実践が億劫だったりするものかもしれないと思い、教えという形でしたら『仕方ない、試しにやってみるか』というような気持ちになる信者がいるかもしれないという希望的観測を抱いて布教を行っています。またぐるは日本人は無宗教だという説にはやや疑問がありまして」。

――と言いますと、どういうことでしょう?

「例えば『いただきます』『ごちそうさま』『いってきます』『ただいま』といった言葉もまた宗教的なものの1つだと感じています。こうした言葉を使うことはルールではないですし、かといってマナーというと少しだけ大げさな気もするからです。

加えて、ご質問からは飛躍するかもしれませんが、ぐるはJoan Osborne氏の"One of us"という歌がとても好きで、宗教観に多大な影響を受けています(注:ジョーン・オズボーンはアメリカのシンガーソングライター。One of usは『もし神様が我々と同じ人間だったら……』というテーマで歌われたヒットソング)。

ただ、『箸や串などを咥えたまま走ってはならない』『自動販売機の取り出し口に残されていた飲み物は飲んではならない』の2つに関しては、過去日本で実際に起きた事件をもとにしております。

事件についてご存知ない信者にも事件から得た教訓を伝えられればと思い、この2つは教えに加えました。

――深い背景があったんですね……。教えは、どんなときに思いつくものなんでしょうか

「ぐるも考えたことがありませんが、普段生活している時に『こうしたらいいかな』『これはあまりやらないほうがいいかな』ということをただ書いているだけ、という気がします」。

以下では、ぐるが気に入っている「教え」とその理由をいくつか教えてもらいました。

●ぐる、お気に入りの“教え”3選

代引きを頼んだとき、あなたがたはそれぞれ丁度のお金を用意しておき、宅配の方が着いた時になって初めて集めることのないようにしなさい

「この教えは、とある有名な書物のオマージュです。代引きは便利ですが、丁度のお金を用意しておいた方が宅配の方も楽かなと思いました」。

みだりにワクチンの全てを拒否してはならない

「賛否両論ある教えかなと思います。科学的根拠なしに、ワクチンは全て毒だから受けるなと他人に強いることにぐるは反対しています。教えの中では最もぐるの個人的思想が反映されているものです」。

ふぐは専門店で食べなさい

「無資格者や知識の無い人が捌いて食べたりすると、本当に大変なことになりかねません」。

――現在、フォロワー(信者)は5万1千人で日々増えていると思います(2020年9月時点)。信者の存在について、どのように思っていますか?

「とてもありがたく思っています。それは数が多いからありがたい、という話ではなくて、信者がいるということがありがたいと思っています」。

――ぐるさんにとって、ツイッターとはなんでしょうか?

「とても便利なSNSです。同じ興味や思想を持った人を見つけやすいので、学校・職場・家庭に馴染めない人もツイッターで居場所を見つけられる、ということももしかしたらあるかもしれません。

しかし、思想が過激化しやすくなるツールという側面も持っていると思います。面と向かっては言えないことでも書けてしまったり、いいねやリツイートの数が賛同者の数だと思ってしまったり、様々な要因があると思います」。

――良い面も悪い面もあると

「今や『ネットはリアルじゃない』という言説は通用しない時代だと思っています。ネットでの出来事がリアルに影響を及ぼすことは不思議ではありません。むしろ、ネットとリアルを対義語のように扱うのがもはやナンセンスかもしれません。

ぐるも過激化しないように、信者も過激化させないように、難しいですが頑張るしかないと思います。もしぐるが『玉ねぎを食べない者は悪魔である』などと理不尽なことを言い出したら、遠慮せずに指摘してくださればと思います」。

フォロワー(信者)が急増したことについてうかがったとき、「ただただびっくりしています……普通のことを言っているだけですので……」と戸惑っている様子だったぐるさんが印象的でした。複雑化する社会の中で、逆にいま“普通のこと”が求められているのかもしれません。

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