『人数の町』で映画初出演の立花恵理 「人にいいエネルギーを与えられる人になりたい」

日刊SPA!

2020/9/9 06:51

 簡単な労働と引き換えに衣食住が保証され、「町」の社交場であるプールで繋がった者同士はセックスの快楽を貪ることも出来る奇妙な町が舞台の映画『人数の町』が公開中だ。オリジナルの世界観で描くディストピア・ミステリーで、主演は超売れっ子の中村倫也が務めた。

その注目作に、女優・モデルとして活躍目覚ましい立花恵理が出演した。中村演じる主人公の蒼山に「町」のルールを教える謎の美女役で、映画初出演とは思えない存在感で観る者と作品世界をつないでみせる。たくさんの学びがあったという本作について本人に聞いた。

●映画初出演だったそうですが、緊張しましたか?

立花:緊張しました。しかも地方に出向いて、そこに滞在して撮影したのですが、誰かがついていてくれるわけでもなく、初めてお会いした人たちの中に飛び込んでの撮影でしたので、最初は緊張して大変でした。でも、地方に滞在するという体制で、毎日みんなで作っていくので、だんだんみなさんとの距離も近くなっていって、コミュニケーションが取れて、いいこともありました。初めての映画で地方にひとりで行って、いい経験になりました。

●モデルの仕事とは、勝手が違うことも多いですよね。

立花:仕事のスタートはモデルだったので、このときはまだ演技の経験がほとんどなくて。映像の現場の雰囲気にまだ慣れていないということもあったので、独特の雰囲気に溶け込まなくてはいけない不安などもあったのですが、『人数の町』のチームは温かくて、すごく楽しかったです。

今までのドラマなどの映像の現場でも幸運なことにいい人たちに恵まれましたが、今回もみんながサポートしあって、みんなで作っていった感じがよかったです。激しい上下関係みたいなものは感じなくて、みんなでコミュニケーションが取りやすかったのかなって思うし、本当に素敵な現場でした。

●主演の中村倫也さんの印象はいかがでしたか?

立花:わたしのことは「誰?」って感じだったと思うのですが(笑)、話しかけてくれて、色々とアドバイスもくださいました。全体的に中村さんも含め、居心地はとてもよかったです。わたしが映画は初めてということもあって、みなさんすごくサポートしてくれたんです。わたしが緊張しないようにみなさん気を使ってくださいました。

●演じられた末永緑という女性については、どう理解しましたか?

立花:彼女は物語のキーで、すごく複雑なキャラクターでもあるので、最初に監督と相談する時間を作っていただいたり、撮影現場でもいろいろなパターンを話し合いながらやらせていただきました。監督に言われたことは、感情をむき出しにするというよりかは、冷たい感じ。強いけれども中身がないようなスンとしている感じ、そういう雰囲気を醸し出してほしいみたいな話をしました。

●この町はフィクションですが、いつでも生まれそうな怖い話ですよね。

立花:この映画はフィクションなのですが、それこそあるかもしれない、ないかもしれないと思うような映画ですよね。映画のように人数の町が別世界として存在していなくても、この世の中で人数の町にいる人みたいになり得ると思うので、ある意味で存在するのかなと思いました。自分で意思を持って考えて行動することがすごく重要じゃないかと思って、この映画を観る方々は、この世界がそれほど遠くは感じないのではと思いました。

●このコロナ禍ではインフォデミックという言葉も注目されましたが、自分の意見を持たず情報に踊らされる危険性を描いていると思いました。

立花:コロナ禍のような状況になっているので、普段考えなかったこと、普段関心がなかったことを余計に調べたり考えたりする機会が増えたと思うのですが、たとえばもっと政治のことや世の中のことを知った時に、自分が無知であることに気づくと、知らないと損だなって思う。知らないと上の人、ほかの人に操られるだけですよね。普通の人は。今こうして情報があふれている世の中で、すべてをそのまま受け入れて振り回されていたら、人数の町と同じようなことになり得るなと思いました。

●ちなみにステイホーム期間中は、どのように過ごされていましたか?

立花:一気にYouTubeの需要が増えたと思うのですが、わたしもコンテンツを観始めたら、やっぱり面白いものがたくさんあるんですよね(笑)。そういう動画を観たり、後はドラマを観たり、映画を観たりしていて、それ以外では自分の考える時間が増えて、そういうところから情報を得ながら、自分のこれまでの人生やこれからのことをたくさん考えました。

でも一人暮らしであまりにも陰鬱になりすぎてしまい、親友が徒歩30分圏内に住んでいるので、その子とよく話をしていました。歴史がどうだ、政治がどうだと、同世代の女の子と比べると、みんながしないような話題をしていたかもしれません(笑)。

●いろいろな方にインタビューをしていると、自分を見つめ直す時間になったという方が多いです。

立花:わたしがステイホーム期間中に一番思ったことは、明日どうなるかは誰にもわからないなっていうことでした。今年こそヨーロッパに行こう、ニューヨークにも行こうとか、いろいろ頭で計画していたけれど、予想もしていない状況になり、すべて無くなってしまった。来年できるかもわからない。だから、やりたいと思ったら先に伸ばさず、今やるべきだと思うようになったんです。過度に心配せず、好きなことをしていこうと思うようになりました。

●今、やりたいことは?

立花:英語圏もですが、韓国で仕事をしていることもあり、海外に興味があります。韓国映画も大好きですが、韓国では演劇を観に行ったりもするので、語学の勉強と人生の経験という意味で、韓国に留学みたいな形で行けたらいいなと思っています。今いるところからどこかに飛び出て勉強してみたいですね。

●海外で活動すると、それだけで日本で応援している人も刺激になりますよね。

立花:わたしも世界で活躍しているアジアの方の音楽を聴くと、すごいと思ってエネルギーをもらうんです。わたしもそういう立場になりたいです。自分とアイデンティティーが完全に一緒ではないですけど、世界に出て活躍している人はかっこよくてあこがれます。まったく同じ夢ではないのですが、人にいいエネルギーを与えられる人になりたいなって思います。

●ところでインスタグラムも人気ですが、SNSはどのような目的で使いますか?

立花:もともとはモデルのお仕事をしていて、自分のイメージや雑誌だけでは出せない自分のパーソナリティーみたいなものを出せたらと思って始めました。モデルをやる前にミクシィなどをやっていたことがありますが、それは知人同士で収まっていたもので、だからSNSを開設した当初は、あまり自分をさらけ出すようなことはしていなかったんです。

でも応援してくださる方に直接コメントをしていただいたり、コミュニケーションができる場でもあるので、続けてきました。主に自分が活動してきた場所では見せられないパーソナルな部分を見てもらえたら、という感じで現在に至りますね。

●ファンの人は素顔が見られてうれしいですよね。

立花:だとうれしいです。そういう感じでやっています(笑)。

●今日はありがとうございました。最後に『人数の町』を楽しみにしているファンにメッセージをお願いいたします。

立花:今、この時期だからこそ映画を観ると、いろいろな考えが湧いてくると思うので、ぜひ観て友だちや家族、大切な人と話し合ってほしいですね。世の中に関することや、感想を討論していただけたらうれしいなって思います。自分の中に留めるだけでなく、話し合ってくれたらうれしいです。

映画『人数の町』は、新宿武蔵野館ほか全国公開中

【立花恵理(たちばな えり)プロフィール】

1993年生まれ。2013年に開催された「ViVi30周年記念専属モデルオーディション」に出場してグランプリを獲得する。同年「ViVi」の専属モデルとして活動をスタート。近年では俳優としても活動を始め、「TWO WEEKS」(19/KTV・CX)、「リカ」(19/CX)、「ニッポンノワール-刑事Yの反乱-」(19/NTV)などで存在感を残す。本作品で長編映画デビュー。

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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