『ワンピース』のルフィはなぜ売られたケンカを買わなかったのか?

日刊SPA!

2020/9/7 15:50

―[魂が燃えるメモ/佐々木]―

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第210回

『ワンピース』のルフィは空島編でベラミーという海賊からケンカを売られます。しかし、ルフィはその売られたケンカを買わず、自分の部下であるゾロにも「このケンカは絶対買うな」と命じました。その結果、ルフィとゾロは何発も殴られ、「ウジ虫」「臆病者」と罵られます。

ところがその後、ベラミーがモンブラン・クリケットという冒険家から金塊を奪ったことを知ると、その金塊を奪い返すためにベラミーと戦います。この時、ルフィは「おっさん達は友達だ!! だからおれが奪い返すんだ!!!」とベラミーに言い放ちます。それは空島に向かう一度きりのチャンスが、3時間後に迫る中での選択でした。

ルフィはなぜ何発も殴られて、「ウジ虫」「臆病者」と罵られた際は最後までケンカを買わず、友達が大切にしているものを奪われた時は奪い返すために戦ったのか。やる気は常に「人物の影響」によって引き出されます。「あの時、あの人が、ああ言ったから」あるいは「あの時、あの人が、ああしたから」ということがあると、人は「だから自分はこうしよう」と考えて行動できるようになります。

◆ルフィのお手本はシャンクス

ルフィの選択に影響を与えたのは、海賊「赤髪のシャンクス」です。シャンクスはルフィの故郷であるフーシャ村に逗留していた際に、ヒグマという山賊からケンカを売られました。しかし、ヒグマに酒をかけられても、「腰ヌケ共」と罵られても、まともに取り合わず笑って済ませました。

ところがその後、ルフィがヒグマに殺されそうになった時は、ルフィを助けるために割って入りました。この時、シャンクスはヒグマに対して、「いいか山賊…おれは酒や食い物を頭からぶっかけられようが、つばを吐きかけられようが、たいていの事は笑って見過ごしてやる……だがな!! どんな理由があろうと!! おれは友達を傷つける奴は許さない!!!!!」と啖呵を切っています。この啖呵は空島編のルフィがベラミーに対してとった振る舞いと全く同じものです。

この時のルフィの心情は「お手本」です。ルフィは幼い頃から「海賊になりたい」と考えており、シャンクスはそのルフィがなりたかった海賊そのものでした。このように誰かに自分を重ねることで、やる気は引き出されます。

特にルフィの場合、シャンクスは命の恩人でもあります。命の恩人の言葉や行動は強く心を揺さぶり、どう考え、どう行動するかの基準になります。「海賊としてのお手本」と「命の恩人」という二重の影響があるからこそ、ルフィはシャンクスと同じような状況に置かれた時に、同じような行動を取ったのです。

ルフィがシャンクスに助けられたのは、空島編でベラミーと戦う11年前の出来事です。『ワンピース』はフィクションですが、人物の影響は現実でも同じように、年単位の時間かけて深く作用します。それはつまり、「自分がいつ、誰に、どんな影響を受けたのか」を知れば、自分がどんな行動を取るのかがわかるということです。

このように「自分」は他人の影響によってできています。私たちは時として正解のない問題に直面し、「あなたはどうしたいのか?」と突きつけられることがあります。そんな時は、憧れの人、尊敬している人、感謝している人、恩人の言葉や行動を思い出してみてください。きっと、その言動が自分自身で納得できる答えになってくれるはずです。

―[魂が燃えるメモ/佐々木]―

【佐々木】

コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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