街とアート特集:ギャラリー5選(関西編)

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古くから都市や街はときに歴史や属性として、またときに個との対比としてアートのモチーフとなってきた。「街/公」という歴史や概念に向き合い、新たな視点を示唆するアート作品は、見る者に気づかずに内在させていた自身のバイアスや、アイデンティティと向き合うきっかけを与えてくれる。パンデミックによって公共政策が力を持つと同時に、個々の行動規範が話題に上がることが多い今、アートを通じて改めて“公”と“個”との関係について考える特集。第二弾は、関西のギャラリー5選(掲載はアルファベット順)。

展示風景:西野康造「空を歩く」(2020)(C)︎ Kozo Nishino (C)︎ARTCOURT Gallery / Photo: Nobutada Omote

ARTCOURT Galleryhttps://www.artcourtgallery.com/大阪・桜ノ宮駅から徒歩8分、緑豊かな大川沿いに位置する「ARTCOURT Gallery」。野村仁や西野康造などの自然事象をテーマにユニークな彫刻を手掛ける作家や、村上三郎や今井祝雄などの「具体美術協会」の作家たち、秋山陽や福本潮子などの工芸を現代感覚で新たな領域へと拡張する作家をはじめ、ベテランから若手作家まで素材・技術・コンセプトに独自性の強い作家を紹介している。中庭の屋外から見られるスペースもあり、複数の展示室を備える美術館のようなギャラリーで開催される展覧会は見応え十分。天井高約7mの広いスペースを活かしたダイナミックな展示も特徴的だ。9月8日から開催される企画展「Small Works 1950s-2020」は、近年改めて評価が高まっている「具体美術協会」に所属した4名の作家(正延正俊、田中竜児、前川強、今井祝雄)によるグループ展。日本戦後美術を牽引し、関西から世界へと羽ばたいた「具体」の先覚的な表現を体感したい。

<展覧会情報>「Small Works 1950s-2020」2020年9月8日(火)-10月10日(土)

ARTCOURT Gallery(大阪市北区天満橋1-8-5 OAPアートコート1F)開廊時間: 火水木金土 11:00-17:00休廊: 日月祝※新型コロナウィルスの感染拡大状況などにより、会期や開廊時間が変更される場合があります。



FINCH ARTShttps://www.finch.link/2019年に京都・浄土寺の銀閣寺から徒歩10分ほどの場所に移転した「FINCH ARTS」は、落ち着いた街並みの中でじっくりと作品に向き合えるコンパクトなスペースだ。関西に縁のある作家を中心に、気鋭の若手作家を紹介する。取扱作家は、人体を主なテーマに滲みやぼかしの技法を用いて描く黒宮菜菜、陶の性質を活かし偶然性を取り入れた立体作品を制作する谷本真理、contact Gonzoの一員としても活動し、グラフィティカルチャーをベースにした表現を行うNAZEなど。9月4日から開催される村田宗一郎の個展では、舞台美術や詩や小説の執筆など多角的に活動を広げる作家が「全てのクリエイションの核」と位置付ける、紙に描かれたドローイングに焦点を当てて展示を行う。ギャラリーのすぐ裏手には、ユニークな品揃えで知られる書店「ホホホ座」もあり、こちらもあわせて訪れたい。

<展覧会情報>村田宗一郎 個展「Women, Animals, and a Fence that parts self from others」2020年9月4日(金)-9月27日(日)

FINCH ARTS(京都府京都市左京区浄土寺馬場町76)開廊時間: 金土日 13:00~19:00休廊: 月火水木※「kumagusuku SAS」との同時開催


2018年川人綾個展展示風景 photo: Akihito Yoshida

imura art galleryhttps://www.imuraart.com/「imura art gallery」は、平安神宮と京都御所の間、神宮丸太町駅から徒歩5分の場所にある。通りすがりの人々の目も惹きつける、丸太町通に面したガラス張りのファサード。中に入れば、展示された作品のイメージによって外の景色も毎回新鮮に見える。取扱作家は、伊庭靖子、川人綾、木村秀樹、西村圭功、山本太郎など。日本画、漆芸、陶磁器など、日本の伝統的な技法を受け継ぎながら新たな領域に挑戦する作家を多く紹介している。1990年、日本でまだプライマリーギャラリーが一般的でなかった頃から、作家に会えることや新作に出会える場をつくることを大切に運営を続けてきた「imura art gallery」。伝統文化が今も息づく京都でこそ見られる、「新しい」を探求した作品たちに会いに行ってみてほしい。

<展覧会情報>エリック・ゼッタクイスト個展「オブジェクト・ポートレイト 」 2020年9月4日(金)-10月3日(土)(10月3日(土)12:00-20:00 *Nuit Blanche)

imura art gallery(京都市左京区丸太町通川端東入東丸太町31)開廊時間: 火―土 12:00 - 18:00休廊: 日月祝祭日



Laboratory of Art and Form(LOAF)https://www.loaf-jp.com/「Laboratory of Art and Form(LOAF)」があるのは、「マガザンキョウト」「待賢ブックセンター」など注目のスポットが続々と生まれている京都・二条城の北側エリア。日本とドイツ、イギリス、イタリアを中心としたヨーロッパで活躍するアートキュレーターコレクティブによって運営される「LOAF」では、ヨーロッパで活動する作家を中心に、絵画や彫刻、パフォーマンス、映像など幅広い作品を展示している。目指すのは「日常の問題を現代美術を通して意識し、そして共に考えるアートスペース」だ。現在開催中なのは、「ヒロシマ・アピールズ展2020」。毎年1人選出される日本のグラフィックデザイナーによって、核兵器廃絶と恒久平和実現への国際世論を喚起する目的で作られている「ヒロシマ・アピールズキャンペーンポスター」全23作品を展示している。

<展覧会情報>「ヒロシマ・アピールズ展2020」2020年8月6日(木)-9月6日(日)共催 公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)

Laboratory of Art and Form(LOAF)(京都市上京区米屋町286-13)開廊時間: 金土日 12:00~19:00休廊: 月火水木


"Material and Form" in a digital age (2014) 展示風景 photo: Kiyotoshi Takashima

Yoshimi Artshttp://www.yoshimiarts.com/home.html「Yoshimi Arts」があるのは、大阪の「キタ」と「ミナミ」のちょうど間に位置する靱公園を中心としたエリア。現代美術を中心に収蔵する美術館としては関西随一の規模を誇る国立国際美術館や、2021年にオープン予定の大阪中之島美術館のある中之島からも近く、ギャラリーやカフェ、セレクトショップや書店などが点在する今注目のエリアだ。流行や時代性にとらわれず、独自の芸術観・世界観を持った国内外の作家を紹介してきた「Yoshimi Arts」。泉茂、館勝生など、戦後関西から日本美術を牽引してきた作家を再評価する取り組みも行う。同じビルには「SAI GALLERY」「The Third Gallery Aya」「Calo Bookshop & Cafe」も入居し、一箇所で様々なアートやカルチャーを体感することができる。

<展覧会情報>10周年記念展「Decade vol.2」2020年8月27日(木)-9月27日(日)

Yoshimi Arts(大阪市西区江戸堀1-8-24若狭ビル3F)開廊時間: 水木金土 11:00~19:00、日 11:00~17:00休廊: 月火

text Narika Niihara

当記事はNeoLの提供記事です。

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