中村倫也「制約があるなかで頑張ってるのを見ると、キュンとする」<映画『人数の町』インタビュー>

 

<もしかしたら日本のどこかに本当に存在するかもしれない、ある「町」。そこは果たして現代の理想郷か、それとも……>

新感覚のディストピア・ミステリーの世界が炸裂する映画『人数の町』が、いよいよ9月4日(金)全国公開となります。その注目作で主人公・蒼山を演じるのは、卓越した演技力で幅広いファン層を魅了し続ける中村倫也さん。

 

これまで多くのCMやMVを手掛けてきた荒木伸二による初の長編映画である本作は、第1回木下グループ新人監督賞・準グランプリを受賞したオリジナルストーリーでもあります。中村さんは脚本の段階でも撮影現場でもわくわくしたそうですが、はたして本作の魅力とは? そして、今や映画・ドラマで観ない日はないほどの人気俳優・中村倫也の“美学”とは?

めるも渾身の撮り下ろし写真とともにお楽しみください!

 

 

ーー独特な作風でしたが、最初にオファーを受けた時、いかがでしたか?

中村倫也:いつも出演が決まると台本に全部目を通しますが、冒頭、あの町に入っていく段階と、読み終わった後とで物語の印象が変わったんですよね。おそらくみなさん似たような印象になると思いますが、映画を観た人が、どういう感想を抱くのかな?と思いました。それは最初に気になったところでしたし、今でも気になっているところですね。

 

ーー町にたどり着く居場所のない主人公は、流されやすい性格だと思いますが、どのように役作りを?

中村倫也:僕は違うのですが(笑)、自分の中の「楽したいなあ」という気持ちを膨らませて作り上げました。そこをまずフックにして、蒼山という人間を演じましたね。そうすれば自分とは遠いけれど、理解はできるかなと思ったんです。

 

ーー監督と相談などはしたのですか?

中村倫也:していないです(笑)。映画のことではなく、CM業界の、ここでは言えない話をしていました(笑)。普段から仕事の話は、現場ではしないほうですね。気になることは質問しますが、撮り方の確認くらいですね。それ以上でも以下でもないかな。

 

ーー実際、完成した映画を観た感想は?

中村倫也:ざっくり言うと、ヨーロッパのミニシアター系の感覚はありましたね。あとはわからせる作品ではない、ということ。これだけのテーマなので監督のやりたいことは社会派でありつつ、でもそれを物語で押し付けることもなく、なんだかこう観察させるような作風ですよね。僕自身、観客が覗き見ているような作品が好みですが、まさしくそういう作品になったのかなと思いました。

 

ーー確かに、おっしゃるように“観察”がぴったりの表現ですね。

中村倫也:そういう作品は、あまり邦画ではなかったですよね。それは異質ではありますし、斬新でオリジナリティーはありますよね。

 

ーーそういう意味では本作も観た人の記憶に残りそうですが、中村さんの思い出の作品は?

中村倫也:まず『水曜日が消えた』、『星ガ丘ワンダーランド』、『孤狼の血』……

 

ーー……。

中村倫也:自分が出た映画しか言わないの、最悪ですよね(笑)! うちの母親が映画が好きでして、レンタルビデオショップなんかよく行ってましたよ。小学生の頃は自分でもアニメを借りて観たり、一時期は家の中では『スピード』や『ムトゥ 踊るマハラジャ』が延々と流れていました。『バグダッド・カフェ』がエンドレスでリピートで流れて、(母親は)主婦だから合間合間でしか映画を観られなくて、ずっと流していたと思うんですよね。そういう家でした。

 

ーーさて、今回の現場の思い出はありますか?

中村倫也:アナログなところ、低予算なところですかね。食事が出てくる機械が出てきますけど、人力ですからね(笑)。そういうの見ると、キュンとするんですよね。あと朝日狙いとかも。「もう時間ない! 朝日昇っちゃったよ!」「フィルター入れてなんとかならないですかね?」みたいな。そういうのキュンとします。「よし! やろう!」ってなる。手作り感というか、制約があるなかで頑張ってる感じを見ると、自分も頑張ろうってなるんです。スタッフワークは興奮の連続でした。

 

ーーいくつかある作品のテーマに<自由>があると思いますが、中村さんの<自由>とは?

中村倫也:仕事が終わって夕方くらいに家に帰って、夕日を見ながら酒を飲むことですかね(笑)。風呂入って寝て。平和ですね。「あれ? 今日もう終わり?」みたいな。早く帰れるとうれしいですよね。

 

ーー出演作品が途切れず超売れっ子ですが、心がけていることは?

中村倫也:たとえばスーパー行って長ねぎが高いなとか(笑)。今年は野菜が高騰しているじゃないですか。あとはJRの初乗りいくらかな?とか、どうしたって気を使ってもらえる立場で、自由に出歩けないということもあり、言っても特殊な仕事じゃないですか。

 

ーーそれで普通の感覚を忘れないようにしていると?

中村倫也:でも特殊で片付けてはいけないと思うんですよね。なぜなら(観ている)お客さんは、普通の生活をしているから。台本を読んでいる時、そういうズレを感じると仕事にならないかなと思っているので、つねづね気にはしています。

 

ーーその飾らない感じが人気の秘訣かも知れませんね!

中村倫也:でも人間バカなんで、僕だってふわふわしそうになる時はありますよ(笑)。羞恥心みたいなものの問題かも知れません。来年の今頃、またインタビュー受けている時、酒飲みながら話しているかも知れない(笑)。いや、変わらないかなあ、変わらないでいたいなあという美学はあります。(取材・文:takashi.tokita_tokyo、写真:映美)

 

中村倫也さん直筆サイン入りチェキプレゼント! 応募はこちらから↓

 

 

映画『人数の町』は、2020年9月4日(金)より全国ロードショー。

出演:中村倫也、 石橋静河、立花恵理、山中聡 ほか
公式サイト:ninzunomachi.jp
(C)2020「人数の町」製作委員会

WRITER

  • takashi.tokita_tokyo
  •        

  • 「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。映画とディズニー(主にパーク関連)をメインによく取材しているが、パリとクルーズが未体験なことはナイショです。また、ディズニー好きが集まって、あることないことを語り尽くす無害なポッドキャスト「田組fm」が、SpotifyやApple Podcastなどで配信中。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ