清水文太 × Hiroki Ikegawa(Crossfaith)「知るを知る」vol.3

NeoL



COVID-19やBLACK LIVES MATTERなど社会がドラスティックに変化をしている中、情報の取捨選択や知識の獲得は生きるための大きな武器となる。私たちはどのようなツールを使って、どのように情報を取捨選択していくべきなのか。さらには、「知る」という行為やそこに込められた意味とはなにか。6月12日、アーティストの清水文太とCrossfaithのベーシストであるHiroki Ikegawaがホストとなり、オンラインワークショップ「知るを知る」を文喫六本木にて開催。(https://www.neol.jp/culture/98332/)「知るを知る」では、事前に参加者に募ったアンケートの答えをもとに参加者とホストが一緒になって「知る」について議論し、それをインスピレーションに各自が音をレコーディング。ワークショップ終了後、回収した音源を用いて清水が音楽を作成し、読書のためのスイッチミュージックとして参加者に提供され流というものだ。NeoLではこのトークの模様を記録、4回にわたる連載としてお送りする。第3回からはワークショップの参加者を交えて、各々の個人的体験を通した「知る」についてディスカッションを行なっていく。



Hiroki「始まる前にみなさんに書いてもらったアンケートに二人で目を通したんだけど、まず、9番の人が気になる。知るためのツールは99%がSNS。子どもの頃に好きだったものやことも覚えていなくて、気になっている本は瀬戸内寂聴さん。9番さん、お話できますか」

9番「こんにちは。瀬戸内寂聴さんはテレビで出ていらっしゃったのを観て気になりました。この本は彼女の恋愛日記なんですけど、美しい日本語で書かれているそうで、僕自身が古語などをもっと勉強したいと思っているので、興味を持っています。知ることについては、99%がSNSで1%が人ですね。直接人と会って、気になってる本などを聞く。でもそこから知ること自体は自分の時間でしかないから、時間で考えても99%がSNSかなと思います」

Hiroki「いま何歳?」

9番「24歳です」

Hiroki「20歳の時とか何してた?」

9番「好きなバンドの音楽のルーツを探っては訪れたりしていました。イギリスの北のほうのSheffieldという田舎から生まれたWhile She Sleepsというバンドがすごく好きで、そこに実際行って、目で見たり、匂ったりしたこともあります」

清水文太「そのバンドを好きになった理由は?」

9番「友達から教えてもらいました。好きになった音楽は、親や友達から教えてもらったものが多いです」

清水文太「一人の時間の情報収集としてSNSを使っていて、その先に存在するのがリアルだってことかな。ありがとうございます!」





Hiroki 「ありがとう。10番の方は英語と日本語で書いてくださってますね」

10番 「Hi! I’m from Toronto. This is my translator(こんにちは。トロントから来ました。一緒にいるのは私の通訳です)」

清水文太「通訳さんがいらっしゃるんですね! よろしくお願いします。では、知ることで安心感が得られると書かれている点について聞きたいですね。知ることで選択肢が増えるというのはすごく共感できるし、いろんな媒体から情報を得ている。いまは悲しいことがたくさん起こっているけど、何を感じているのか気になります」

10番「ジョージ・フロイドの事件が引き金になって、いろんな人の怒りに触れてこのBlack Lives Matterが起きたし、みんなが普段抑えていた怒りも大きくなった。歴史的にも重要な地点に私たちはいると思います」

清水文太 「僕はそういった一連の出来事もあって、ファンタジーが少なくなってきていて、リアルな問題がより一層浮き出てきたように感じてます。この状況で、僕たちはどんなファンタジーを生み出せると思いますか?」

10番「もし、私にパワーがあったら、ネルソン・マンデラが言っていたように、『君が見たいと思う』人になりたいですね。あとは、できるのならCOVID-19や人種差別などすべての悪いものを消しされるような魔法使いになりたいです」

清水文太 「あなたは充分に魔法使いだという気がします。自分の中に魔法使いがもういるから」

10番「魔法使いは心の中にいるから、みんなが持っているはずです!」

清水文太「その通りだね、ありがとう。いろんな情報で埋もれてしまっているだけで、本当は魔法使いは誰の中にもあるはずだから、もっと掘り出す作業があればいいのにね」



第4回へ続く


清水文太1997年12月1日生まれ。スタイリストとして、19歳から水曜日のカンパネラのツアー衣装や、著名人、テレビ・企業広告のスタイリング、Benettonをはじめとしたブランドのアートディレクションを手掛ける。コラムニストとして雑誌「装苑」の連載などに寄稿。2019年11月20日にアルバム『僕の半年間』を発売。RedbullMusicFesでのDJ・ライブ出演など、アーティスト・スタイリスト・クリエイティブディレクターとして多岐にわたる活躍を見せている。Instagram:@bunta.r / @bunta.worksTwitter:@0caloriefood公式HP:https://www.buntashimizu.com/


Hiroki Ikegawa1990年5月21日生まれ。兵庫県宝塚市出身。これまでに40ヵ国以上200近くの都市に渡りCrossfaithのベーシストとして世界を駆け回る。またバンドにおいてのマーチャンダイズ、LOOKBOOKのディレクターでもあり、warp Magazineの20周年特集号への文筆での参加やカルチャー面での活動も精力的に行なっている。5月20日にCrossfaithから新譜「SPECIES EP」が発売された。Instagram:@hirocrossfaithTwitter:@hirocrossfaith


文喫文化を喫する、入場料のある本屋。人文科学や自然科学からデザイン・アートに至るまで約三万冊の書籍を販売。一人で本と向き合うための閲覧室や複数人で利用可能な研究室、小腹を満たすことができる喫茶室を併設する。エントランスでは雑誌と関連するテーマの書籍を販売。普段はあまり出会うことのできないラインアップも交え、来店されたお客様の新たな興味の入り口となる。また、企画展も定期的に開催。入場料 1,500円(税別)※土日祝は1,800円(税別) 珈琲と煎茶はおかわり自由。

YOURS BOOK STORE文喫のイベントや展示の企画を手がけるブックディレクションブランド。本を用いた空間プロデュースや企画コンサルも行う。今回のワークショップは有地和毅、深井航が企画運営を担当。https://yoursbookstore.jp


『READING Intro』清水文太、文喫2020年6月12日(金)、清水文太と本と出会うための本屋「文喫」が、本を読む前に聴く音楽を考え、制作するオンラインワークショップ「知るを知る。」を開催。最後にはレコーディングを行い、参加者それぞれが表現した「知る」について音や言葉を録音した。その音源をベースに、制作したのが「READING Intro」だ。 本を読む前に聴くことで、「本と向き合うモード」へと切り替える手助けをする。よりディープな読書体験に没入するための音楽。本を読む前のルーティンとして、知ることと向き合うためのスイッチとして、「READING Intro」に耳を傾けてみてほしい。AppleMusic、Spotifyなど各種音楽配信サービスにて2020年8月17日にリリース予定。SpotifyAppleMusic

当記事はNeoLの提供記事です。

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