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ふるさと納税をテコにした 八幡平市の取り組みから考える-「地方創生」の行方 【前編】

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※感謝祭冒頭で田村正彦市長が挨拶した=上記記事写真

11月27日、都内のホテルで八幡平市の「ふるさと応援感謝祭in東京」が開催されました。首都圏在住のふるさと納税者を招き、八幡平市の特産品を使った料理を楽しんでもらうとともに市関係者との交流を促し、今後の地域活性化につなげようというもの。ふるさと納税関連イベントとしては決して珍しいものではありませんが、一自治体が開催するものにしては規模が大きいこと、複数の目的を持って開催されていることに特徴があります。このイベントから浮き彫りになってくるこれからの「地方創生」について考えてみます。

▼「大きく網を掛ける」から「関係づくり」

見るべき点はいくつかありますが、まずターゲットを絞り込んだ「関係づくり」に腐心している点が評価できるのではないでしょうか。この感謝祭の目的は、表面的には納税者への御礼であり、「引き続きふるさと納税をよろしく」というお願いの場です。そして、仕掛け人の一般社団法人ドリームプロジェクトの関欣哉氏によると、一歩先の中長期的な目標として「関係人口増加」からの「移住定住促進」という狙いがあるそうです。そのため、招待客は会場に比較的アクセスの良いエリア在住という条件のほかに「移住定住を検討してくれそうな人」「(市として)移住定住してほしい人」というフィルターをかけました。しかも、案内はメールだけでなく、返事がない人には電話で追加勧誘したという徹底ぶり。ある参加者がメール・電話での招待に「最初は行く気がなかったが、せっかくなので行く気になった」と話しているように、これにはかなりの効果があったようです。

移住定住促進は、これまで大規模なフェアや、公募式の体験ツアーなど、いわば「大きく網をかけて獲物を獲る」という「マス」なやり方が主流でした。しかし、これからの時代はマス向けの施策に限界があると指摘する声も多くあります。例えばクラウドファンディングで絵本『えんとつ町のプペル』を製作、上梓したキングコング・西野亮廣氏は「100万円の広告を1回やるよりも1万円のアクションを100回やったほうが効果的」であるとしています。西野氏が絵本の製作をするにあたり最初に行ったのは、ツイッターで「西野」をつぶやいている人を探して1人1人メッセージを送るという作業だったそうです。つまり、マスに向けて投げかけるよりも、まず個別の関係をたくさん作っていくことがこれからの時代では重要だということ。

感謝祭でパネルディスカッションのゲストとして出席していたトラストバンクの代表取締役・須永珠代氏は、北海道・上士幌町の例を挙げて、「ゴンゴンとセグメントをかけていく手法は効果的」と評価しています。上士幌町は同種のイベントを通して移住定住促進活動を効率的に行い、この数年で北海道では稀な人口増自治体となっています。

「イベントで来場者に興味を持ってもらい、移住定住にタッチしてもらえる工夫をすること、不安要素への回答を用意することで、移住率は飛躍的に高くなる」(須永氏)

トラストバンクはふるさと納税の情報サイト「ふるさとチョイス」を運営しており、年間2800億円を超えると言われる全国のふるさと納税の約7割が同サイトを通じて流通。各地のふるさと納税を巡るアクションに詳しい須永氏から見て、本イベントは規模の大きさと「関係づくり」の仕掛けの点で高い評価できるものだったようです。

筆者:土屋 季之
フリーライター、エディター。近年は自然環境、農林水産業、地域活性化関連、企業の社会的活動などの取材が多い。

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