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最初はロボットを出す予定がなかった! 『機動戦士ガンダム』誕生秘話

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1979年に誕生したアニメ『機動戦士ガンダム』。登場するロボットや戦艦などを立体化したプラモデル「ガンプラ」とともに社会現象的な一大ブームを巻き起こし、今なおアニメ、コミック、小説と多岐にわたって新作を生み出し続ける国民的作品だ。ブーム初期は“シャア”や“ガルマ”といった美形キャラが女性に人気を博し、今のBL(ボーイズラブ)ならびに女性向け同人誌ブームの嚆矢(こうし)となった作品の一つでもある。

『宇宙戦艦ヤマト』の弱点を見つけた!
企画がスタートしたのは放送前年の1978年。当時は77年に劇場公開された『宇宙戦艦ヤマト』が大ブームとなっていた。「こうならなくちゃいかん」と奮起した日本サンライズ(現・サンライズ)のメンバーたちはヤマトに関する分析を重ねた結果、「ハイターゲットに絞って、30万~40万の熱狂的なファンをつかめば、それで十分商売になる」という結論に達する。

だが、ヤマトと同じことをするつもりはなかった。彼らはヤマトの弱点を見つけ出していたのだ。ヤマトには数名以外、若々しいキャラが出ておらず、これでは子供の視聴者は感情移入できない。それならば子供たちだけの世界を作ってみたらどうだろうか? 『十五少年漂流記』の宇宙版を作ろう! これがガンダムの最初の企画案である。企画案は『フリーダム・ファイター』と名づけられた。

サンライズのスタッフたちがもう一つ頭をひねったポイントは、誰を主人公にするかということだ。『十五少年漂流記』はリーダー格の少年・ブリアンが主人公だが、そのままではおもしろくない。そこで注目されたのが、ブリアンの弟・ジャックだった。サンライズのスタッフは、ジャックの内向的な部分に目をつけた。そこに当時流行しはじめたコンピューターをはじめとする“ハイテクの申し子”的な性格を与えて、ガンダムの主人公・アムロが誕生した。

当初はロボットを出す予定がなかった!
フリーダム・ファイターは“宇宙空母ペガサス”に乗り込んだ少年少女たちが協力しながら生き延びるストーリーで、ロボットらしいものを登場させる予定はまったくなかった。

ところが、スポンサーである玩具メーカーのクローバーの社長が「こんな木馬みたいなオモチャ作っても商売にならないんだよ。やっぱりロボットを出してください」と言ってきた。スポンサーがそう言うなら仕方ない。でも、他の作品のように巨大ロボットを出すのもおもしろくない。

そこへアイデアを持ってきたのが、スタジオぬえにいたSF作家の高千穂遙だ。高千穂はSF小説『宇宙の戦士』に登場する身長2.5メートルほどの宇宙強化服・パワードスーツを登場させたらどうかと提案してきた。しかし、2.5メートルでは玩具を買う子どもにアピールしないので、18メートルに設定しなおされた。これは元祖巨大ロボット『マジンガーZ』の身長に合わせたものである。なお、フリーダム・ファイターの設定は後に『銀河漂流バイファム』として形になった。

アニメ打ち切り!? しかし……
企画のタイトルは『ガンボーイ』に変わっていた。ロボットが銃を持っているから“ガン”で少年が主人公だから“ボーイ”。しかし、ガンボーイでは押しが弱い。そこでもうひとひねりしてみようということになり、フリーダム・ファイターの“ダム”を持ってきて、“ガンダム”となった。かくして『機動戦士ガンダム』の企画が固まり、アニメ制作がスタートしたのである。

ところが、視聴率は惨敗。テコ入れのために毎回新しいヤラレメカならぬ、ヤラレモビルスーツを登場させるも焼け石に水だった。とうとう打ち切りの話が出るようになるが、噂を聞きつけて動いたのが、サンライズのスタッフが「中供(ちゅうども)さん」と呼ぶ、大人でもない子供でもない年齢層の人々だった。ガンダムは、当初考えていたハイターゲットにきっちり届いていたのだ。

「これだけファンの人たちが動いてくれるんだから、この後何とかなるだろう」と確信を抱いたスタッフは、本編が打ち切りになった後も粘り強く動き続けて劇場版の制作を実現させる。1981年に公開された劇場版『機動戦士ガンダム』は大ヒットを記録、その年の8月にはバンダイからプラモデルがリリースされて大ブームへと発展した。スタッフの「当たり前ではおもしろくない」「もうひとひねり」の精神と粘り強さがガンダムの大ヒットを生んだのである。

参考文献『ガンダム・エイジ ガンプラ世代のためのガンダム読本』(洋泉社)

文/大山くまお

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