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「週3日会社員、週4日ダンサー」という働き方~“踊る広報”が今の働き方を手にいれたワケとは?

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「私、ダンスをしたいので会社を辞めます」。

柴田菜々子さんは、今から約3年前、勤務先企業の社長にそう告げました。
社長から返ってきた答えは、「ダンスと仕事、『or』ではなく『&』で実現する方法を考えてみないか」。
ここから、週3日は社員として広報を担当、週4日はセミプロダンサーとして活動…という「パラレルキャリア」がスタートしました。

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この働き方は、どんな工夫によって実現し、運用する中でどんな課題が生まれ、どう乗り越えてきたのでしょうか。
株式会社ビースタイル 広報ブランディングユニット しゅふJOB総研研究員 柴田菜々子さんと、しゅふJOB総研所長 兼 ヒトラボ編集長 川上敬太郎さんにお話をうかがいました。

※お2人は、この秋に開催された『NPO法人キャリア権推進ネットワーク ワールドカフェ2017』に登壇。そこで語られたお話をご紹介します。
「得意な業務」に特化し、パフォーマンスの最大化を目指す

柴田さんは8歳から新体操を始め、中学時代は全国大会に出場。大学では演劇学科でコンテンポラリーダンスを専攻しました。
大学卒業時には、プロのダンサーを目指すか就職するかで悩み、「世間知らずの大人になってはいけない」と、とりあえず就職活動を開始。「面白そう」と感じて入社を決めたのが株式会社ビースタイルでした。

ビースタイルは、主に「主婦」の就業を支援する人材サービス会社。家庭と仕事の両立を図りたい主婦に派遣の仕事を紹介する『しゅふJOBスタッフィング』をはじめ、主婦に特化した求人媒体『しゅふJOBパート』、高度なキャリアを持つ主婦が専門性を活かして働ける『時短エグゼ』などのサービスを展開しています。
柴田さんは広報部門に配属され、フルタイムで勤務。一方、大学在学中に結成したダンスチーム『TABATHA(タバサ)』にも所属し、週末にはダンス活動を続けていました。

しかし2年が経つころ、もっとダンスに集中したいと考え、社長に退職の意思を告げたところ「両立できる方法を探ろう」と提案を受けたのです。

f:id:kashiemi:20171130101949j:plain▲広報ブランディングユニット しゅふJOB総研研究員 柴田菜々子さん

柴田さん「まずは、ダンスの定期公演やコンテストのスケジュールから、ダンスの練習や出演準備に必要な時間を算出しました。そこで『週3日勤務ならできる』と申請したんです。『週3日でもこれまでと同水準の成果目標を追う』という決意を伝え、会社から応援してもらえることになりました。次に、自分が普段行っているすべての業務を洗い出し、各業務にどれくらいの時間がかかっているかを整理。中小ベンチャーなので、幅広い業務を担っていましたが、広報の仕事のみにしぼらせてもらうことにしたんです。そして、広報業務の中でも得意な業務・不得意な業務を切り出しました。例えば、リリースの文章を書くより、人に会って伝える方が私は得意。週3日で最大限のパフォーマンスを挙げられるように、得意な業務を中心的に担うことになったんです」

上司のサポートを受け、手が足りない部分はアウトソーシングを活用。最初は苦戦したものの、リズムをつかむにつれて成果を挙げられるようになったそうです。
業務の幅が広がらない…。上司が講じた打開策とは?

そして1年が経つころ、川上さんが柴田さんの直属の上司となりました。川上さんはもともと柴田さんの上司でしたが、週3勤務を始めるタイミングでは別の部門に異動しており、1年を経て再び直属となったのです。

f:id:kashiemi:20171130102004j:plain▲しゅふJOB総研所長 兼 ヒトラボ編集長 川上敬太郎さん

川上さん「うまくやれているし、成長もしていて、たくましく感じました。でも一方で、『業務の幅が広がっていない』というところに不安を抱いたんです。このままいくと柴田は、5年後10年後も同じことをやっているんじゃないか、と。もっと将来の可能性を拡げられる役割を与えるべきではないかと思いました。でも、そこで葛藤が生じました。新しい役割に無理にチャレンジさせて、成果が挙がらなければ、社内での評価が落ちてしまうかもしれない。彼女は新しい働き方のパイオニアでありロールモデル。彼女が失敗すれば、これから同じような働き方を望む人の可能性をも奪ってしまうことになりますから」

悩んだ結果、川上さんは「やはりチャレンジさせるべき。負荷をかけていこう」と決断しました。

川上さん「新しい業務を任せ、ピンチのときもギリギリまで助けない。自分で答えを出させるようにしました。すると工夫して何とかやっていっている。その様子を見ながら、潰れるかな、乗り越えられるかな、というラインを見極め、少しずつ可能性を拡げていくようにしたんです」

川上さんからのそんな処遇に対し、柴田さんは「嬉しかった」と言います。

柴田さん 「自分でも危機感を抱いていたんです。5年後10年後に、同期と大きな差がついてしまうんじゃないか、って。1年経ってペースにも慣れ、足踏み状態が続いていた時期だったので、新しいことにチャレンジしたい気持ちがありました。でも、週3日勤務で会社に置いていただいている身で、成果が出せるかどうかもわからないことに手を出していいものか迷っていて。だから、チャンスを与えてもらえるのはありがたかったですね。私は根が怠惰なんです(笑)。『ここまででいいよ』と言われると、『これでいいか』になっちゃうタイプ。でも、目標を上に置かれると追いかけたくなる。体育会系ですからね(笑)」
週3日勤務、どう評価する?

「週3日勤務だけど、フルタイム同等の目標を追う」と約束した柴田さん。しかし、広報職は営業のように数字で成果が出るわけではありません。川上さんはどのように評価しているのでしょうか。

川上さん 「目標をどこに置くか、最初に共有します。ただ、成果とは何かの拍子で簡単に出ることもあれば、どんなに努力しても出ないこともあります。だから、プロセスはしっかり見ますね。例えば、日報はちゃんと出してもらう。そこは、できてなければ厳しく言います。『すべき報告をちゃんとしなければ、僕は正しい評価ができないよ』と。プロセスが見えていればそれに対して評価するし、努力していても成果につながらないのはマネジメントに問題がある。その場合、自分が代わってあげて成果を出すのではなく、彼女が成果出せるような道筋をつけます」

柴田さん 「成果に対するコミットは、週3日勤務になってより強くなったと感じています。自分が好きなことをするためにこの働き方を認めてもらって、それで成果が挙がらないのでは居づらくなるし、周囲の皆さんにも申し訳ないので。週3日勤務でフルタイムの成果を出せば、仲間たちにも認めてもらえるだろう、と思うんです」

川上さん 「周囲の目も、柴田が特別に優遇されている…ということではなく、誰でも『成果を挙げている人は、自分の好きなことと両立もできる』という意識に切り替わってくれるといいですね」

広報職とダンサー。両立させることで相乗効果も生まれているといいます。

柴田さん 「『踊る広報』というキャッチフレーズを川上がつけてくれて(笑)。それによってメディアの方々に覚えてもらいやすくなりましたし、『ビースタイルって柔軟な働き方ができる会社だよね』と認知してもらえていると思います。ビースタイルは、世の中の女性たちが自分らしく働けるよう支援することを事業としている会社。まず自社で実践していることの証明にもなります。そして、私自身のメリットとしては、オンオフのメリハリがついていること。ダンスは私の精神安定剤なんです。ダンスにのめり込める時間を確保できることで、仕事に対して切り替えやすくなります。『ちゃんと仕事しなければ、大好きなこの時間はもらえない』と、仕事へのコミットができるんです」

川上さん 「ダンスじゃなくても、人それぞれに大事にしたいことがある。趣味の時間もそうだし、家族との生活もそうです。仕事以外の好きなことに打ち込めてこそ仕事も頑張れるし、仕事で成果を挙げているから、それ以外の時間も充実したものになる。上司として会社として、そんな循環をつくっていくことが大切だと思います」
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EDIT&WRITING:青木典子 PHOTO(インタビュー):平山 諭


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