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濱田めぐみ、舞台メンフィス上演の意義語る、時代の転換点で人はどう生きるか

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 ◇舞台「メンフィス」出演者インタビュー

 女優の濱田めぐみ(45)がミュージカル「メンフィス」(12月2~17日、東京・新国立劇場中劇場)に出演する。ソウルフルな音楽やダンスが称賛を浴び、2010年にトニー賞を受賞した作品で、日本公演は2015年の初演以来2年ぶりの再演。俳優の山本耕史(41)が主演と演出を担当する。濱田が演じるのは、主人公の白人ディスクジョッキー(DJ)ヒューイ・カルフーンが歌に魅せられ虜になったヒロイン、黒人歌手のフェリシア・ファレル。開幕を前にインタビューに応じ、作品の魅力について語った。

 舞台は人種差別が色濃く残る1950年代の米テネシー州メンフィス。実在した白人DJ、デューイ・フィリップスの半生をモデルにしたミュージカルで、差別や偏見など様々な問題を乗り越え愛を貫こうとする白人DJと黒人歌姫を描く。

――再演が決まったときの感想を教えてください。

 「この作品は曲がとても素晴らしく内容にパンチがあり、ある種の独特な世界観があります。中毒性といいますか、見ているお客さまは“また見たい”、演じているキャストは“また演じたい”と思う作品。15年の初演では舞台上で演じていて本当に楽しかったので、“またあの世界に戻れるのね”と思いました。再演が決まりとても嬉しいです」

――“中毒性”という言葉を挙げられましたが、作品の魅力、中毒性の部分を詳しく教えてください。

 「私はこれまで人種差別や有色人種であるがゆえのセンシティブな感覚を持った役柄を演じることが多かったのですが、今作のフェリシアという役にも運命を感じました。強い意思を持って大きな決断を迫られる女性なのですが、彼女が叶えようとする夢は、普通のアメリカンドリームではありません。1950年代に黒人女性でありながら白人男性と恋に落ち、白人の世界でスターになろうとする夢。アメリカンドリーム以上の夢で、奇跡だったのではないでしょうか。そして、主人公ヒューイはメンフィスで生まれ育ち、働き、死んでいくことを選ぶ男性。違う次元で生きている2人が人生で交わったことが凄い。このミラクルのようなストーリーが、ミュージカルになることで凄いエネルギーを持ちます。当時の“におい”が伝わってくる、見ているものを惹きつけるパワーが作品の魅力ですね」

――役作りをする上で心掛けていたことはなんでしょうか?

 「作品で扱うテーマは深く、考えさせられるものですが、見ていて重さを感じさせないミュージカル。だからこそ、役者ひとりひとりが演じる役柄を深く理解することが大切でした。人種差別問題を扱っていますから、浅い演技で薄っぺらい雰囲気が漂う舞台になってしまうとお客さまに大変失礼ですので」

――深いテーマですが、重さを感じさせないミュージカルにするための工夫を教えてください。

 「例えるならば、相容れない世界観を持つものが一つの容れ物に混ざっているような感じの舞台。水と油のように混ざり合わない。容れ物の中で一緒になっているけど、それぞれの色がはっきりと見えているような感じですね。黄土色や茶色に混ざるわけではなく、各々の色がはっきりと主張する。演出家サイドは、その部分を大切にしようと決めました。濁ったような状態が一番よくない。登場人物の感情や主張ははっきりと見せる、具体的にしていこうと話し合いました。見ていて分かりやすく、感情移入や共感ができる作品だと思います」

――1950年代の米国南部が舞台ですが、現在の日本において共感できる部分が含まれている作品なのですね。

 「いまの時代って“嘘がつけない”世の中だと思います。政治、事故、自然災害などありとあらゆるもので蓋をしてきたこと、ごまかせてきたことがごまかせなくなっている。インターネットの力もありますが、嘘がつけない、嘘が見破られてしまう情報社会。現代人は、この情報社会を生き抜く力を身に付けないといけません。ごまかすことができない、見て見ぬふりができたことともしっかりと向き合わないといけない。人種問題もそうです。1950年のメンフィスは、まさに人種問題にしっかりと向き合わないといけない状況になった。保守的な人、革新的な人、白人派、白人だけれど黒人派など様々な信念を持った人がいましたが、時代が先に変わってしまう場所だったのです。ラジオ局でタブーとされていた黒人音楽が流れる、変化が起きた時にどう対応するのか…。この作品は人種差別問題を扱っているだけではなく、大きな時代の転換点にいる時に“この状況を受け入れてどう対応するか考えないといけませんね”というメッセージが込められていると思います。このメッセージを届けることが、今の時代に『メンフィス』を上演する意義なのではないかと私は考えています」

――主演、そして座長を務める山本耕史さんの印象を教えてください。

 「耕史さんは天才ですね。小さい頃からドラマや芝居をやっていたので、キャリアやスキルは言わずもがなの実力ですが、生の舞台上でのひらめきや、相手役が耕史さんに求めている演技、そして客観的に自身の演技がどう見られているかを瞬時に把握する能力が凄まじい。現場で一緒に稽古をしていて“この人は常人とは違った特殊な人間なのだろうな”と思うときがありますね。一つのことだけではなく、いろいろなことに長けている。大河ドラマに出ているときはナチュラルに大河の役ができますし、ミュージカルではミュージカルの演技ができる。本人のキャラクターも本当に素敵ですからね。皆で行く食事や打ち上げでも盛り上げてくれますし。ただただ凄いなあと思います」

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