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「わろてんか」36話。真面目にコツコツやる人が報われる話をTBS日曜劇場に明け渡した朝ドラ

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連続テレビ小説「わろてんか」(NHK 総合 月~土 朝8時~、BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~)
第6週「ふたりの夢の寄席」第36回 11月11日(土)放送より。 
脚本:吉田智子 演出:東山充裕


36話はこんな話
寄席を手に入れるためにはなんとしてでも500円(500万円)を用意しないといけない。てん(葵わかな)は京都の実家に頼ることにする。

ダイジェストというかショートカット
35話のレビューで、脚本家先生のことを「ダイジェスト師匠」とお呼びしたが、36話も、ダイジェスト師匠の才能がいかんなく発揮され、万策をすっとばしてすばやく手に入れた500円で寄席を買い取って、開業へと突き進む。

500円を借りるためやって来た京都の実家・藤岡家で危うく門前払いされそうになったてんだったが、娘としてではなく、商人として来たと言って切り抜ける。
だったらもうすこしきちんとした着物で行くべきと思うが、商人として云々は、てんのその場しのぎに過ぎないからうるさくは言うまい。

お父さん・儀兵衛(遠藤憲一)は体調がすこぶる悪いにもかかわらず、その様子を見せないようにして、てんと向き合う。同じ嘘でも、お父さんのほうが格上だ。遠藤憲一、ダイジェストドラマでもしっかり演技していてすばらしい。

儀兵衛が借金の話を断っているところに、藤吉が駆け込んでくる。
現代だと、薬神社の最寄り・四条烏丸駅から天満宮の最寄り大阪天満宮駅まで早くて1時間ほど(各家の正確な場所がわからないので最寄りの神社をスタート地点にしてみました)。明治時代だとかなりかかるのではないだろうか。脚本家先生を“ショートカット先生”と呼び直したい。

親心につけこむダメチルドレン
てんと藤吉、ふたりそろって、またしてもまんまと500円をせしめることに成功する。
ふたりで手をたずさえてやればいつの日か、いい寄席ができると信じている というどアホな子どもたちが心配でならない親心。
まず、孫には甘いものであることが相場のおばあちゃん(竹下景子)が、お金を出すと言い出す。しめしめ。
それを制して、結局儀兵衛が500円出す。やったー。

儀兵衛も儀兵衛で、儲かる算段もなく商談とはいえないのだから、結納金と思ってもってけ、代わりに金輪際何もしないくらい言えばいいのに。

でも、こういうことって意外とリアル。
私の知人には、高度成長期に稼ぎ貯めまくった親に援助してもらいながら、事業に失敗したり、就職しても長続きしなかったり、それでも懲りずに放蕩を続ける人がいる。彼はあまり関わりのない人間にはいたって明るく礼儀正しく知性あるふるまいをする(顔もまあまあいい)から嫌われないが、内情を知ると、ちょっと深入りしたくない気分になる人物である。
そんな知り合いのことを彷彿とさせる松坂桃李の演技は、じつにリアルだと毎朝感心している。

「わろてんか」は、世の中に意外といる、世襲制によって恵まれた人生をおくる、いわゆるセレブを描き、そんなアホな・・・と貧しい庶民が不満をSNSで書き込むことでガス抜きできるようなドラマになっている。
これはこれで存在意義があるだろう。その代わり、真面目にコツコツやったことが報われる池井戸潤ドラマは、TBSの日曜劇場が一手に引き受けている。

今日の、わろ点
お金を借りたら、“商人”から“娘”に戻って、縁側で父親とお話するてん。その調子の良さにイラッとするが、前述したように“商人として”は方便だから、まあいい。
雪が舞うなか、生涯忘れられないことになる、父との対話シーン。

儀兵衛「てん、おまえはわろてるか」
てん「はい、わろて生きてます」

笑いの話をしながら涙を浮かべている儀兵衛と、何も知らずに笑っているてん。
こういう味わいある切ない話が唐突に入ってくるのもダイジェストふうに感じてしまう要因だ。

さて、こうして6週間も使って描いたダイジェストにしては丁寧な「わろてんか 序章 主人公が寄席の席主になるまで」が終わり、7週から本編「わろてんか」のはじまりぃ~はじまりぃ~ であってほしいものである。
ダイジェスト師匠じゃなくなってほしいような、このままダイジェスト師匠を極めてほしいような・・・。
(木俣冬)

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