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カウパー腺液を発表した学者が「先走った」不覚

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ウィリアム・カウパー氏

カウパー(氏)腺液で知られるウィリアム・カウパー氏(William Cowper)は、17世紀のイギリスで活躍した外科医・解剖学者である。ちなみに日本では“カウパー”として認知されているが、正しい発音は“クーパー”だ。

カウパー腺液は粘り気があるので、ローションの役割を果たしていると思っている人も多いと思うが、その最大の特質はアルカリ性であること。

女性の膣内は酸性で、精子はアルカリ性。つまりカウパー腺液は酸性の膣内をアルカリ性の液で中和し、精子が無事に子宮まで到達できるよう、膣内の環境を整えているのだ。

ちなみに、カウパー腺液には少量の精子が含まれているが、ごく少量のために妊娠することはほとんどないといわれている(精液1ccあたり2000万匹の精子が存在しないと妊娠させる能力がないとされる)。

だが、射精を我慢している段階で尿道の手前は精液で充満しており、長い時間、射精を我慢していると、この精子がカウパー腺液に滲み出てくる可能性があるので、射精を我慢するほど“妊娠リスク”が高まることを忘れてはならない。

さて、クーパーには知られざるある一面があった。クーパーは1698年に解剖学の書『人体の解剖』を発表する。ところがホヴァルト・ビドローという学者が13年も前に出した書物とそっくりで、多くの解剖図を流用し、著作者表記もなかったため、ビドローから批判を受けることになった。それどころか、カウパー腺自体もクーパー氏が発表する18年も前に発見されていた、という事実が発覚したのだ。

はたしてクーパーは盗作していたのだろうか? 過去の文献を調べることを怠り、思わず“先走ってしまった”だけ…だと思いたい。


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