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【漢字トリビア】「介」の成り立ち物語

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「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」。今回の漢字は「介護」「介助」の「介」。人の名前などで使われるときは「すけ」「たすく」などと読ませる漢字です。



「介」という字は象形文字で、人のからだの前と後ろを「鎧(よろい)」のようなものではさんだ形を表しています。
鎧をつけて武装することは、身を守り、身を助けること。
また、同時に「他者」と自分を「へだてる」ことでもあります。
そこから、「介」という漢字は「まもる・たすける」、「他人をへだて、独り自らの志をまもる」といった意味になりました。

稲作中心の農耕社会は、互いに助けあう共同体生活のもとではじめて成り立つもの。
稲づくりだけでなく、生きていくために必要な仕事はほかにもたくさんあります。
狩りや漁、火の番や土器づくり、乳飲み子の世話。
体力、知力、想像力を使い、幼い子どもや高齢者、病を抱える者もみな、各々の持ち場で働きました。
それはある意味、厳しい自然環境の中、誰もが自立しようとしていた証。
自分のやりたいことを伝え、手を貸してもらうことも「自立」の形のひとつです。
かつて「介護」という概念のなかったいにしえの頃、誰もが誰かを助け、また助けられて生きるのが当然のことでした。

ではここで、もう一度「介」という字を感じてみてください。

十一月十一日は、厚生労働省が定めた「介護の日」。
介護への理解と認識を深めるための啓発活動が行われます。
そんな中で注目したいのが、六車由実氏が実践する「介護民俗学」です。
民俗学研究者だった彼女は縁あって介護職員となり、民俗学における「聞き書き」の方法を介護の現場に取り入れます。
多忙な職務の合間を縫って、ホームに集う高齢者たちの語りを聞き、書きとめる日々。
その原点にあるのは「人間の暮らしを知りたい」という学問的好奇心と探究心でした。
彼らの生きた時代や社会の様子、それぞれの豊かな人生模様は、聞けば聞くほど興味深く、心底驚かされることばかり。
やがて六車氏は、決して豊かとはいえなかった暮らしの中で、独り自らの志を守って闘ってきた彼らの姿に尊敬の念を抱くようになるのです。
受動的で介護「される」側だった老人たちが、「知らない世界を教える師」となり、優位・劣位の関係が逆転した瞬間、彼らは人としての自信を回復し、両者が互いに支えあう喜びを実感するのです。
「介護民俗学」には、高齢者や弱者をとりまく世界を変えるヒントが、詰まっています。

漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。
その想いを受けとって、感じてみたら……、
ほら、今日一日が違って見えるはず。

*参考文献
『常用字解 第二版』(白川静/著 平凡社)
『驚きの介護民俗学 ≪シリーズ ケアをひらく≫』(六車由実/著 医学書院)
『介護民俗学へようこそ!―「すまいるほーむ」の物語―』(六車由実/著 新潮社)

11月18日(土)の放送では「染」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。


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聴取期限 2017年11月19日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:感じて、漢字の世界
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜7:20~7:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
パーソナリティ:山根基世
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/

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