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日米親善ゴルフは安倍首相の祖父の悲願だった[コラムニスト木村和久]

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― 木村和久の「オヤ充のススメ」その186 ―

日米首脳会談の場外乱闘みたいな親善ゴルフは面白かったですね。ゴルフをやらない人にとっては何が面白かったか、全然分からないと思いますので、細かく説明しましょう。

まず会場の「霞が関カンツリー倶楽部」ですが、2020年の東京オリンピックのゴルフ会場になっている超名門コースです。コースの格やレイアウトとしては申し分ないです。けど、場所が埼玉県の内陸部にあり、真夏の試合会場としては暑くて試合ができないし、ギャラリーも倒れるのではないかと言われています。さらに晴海の選手村からは遠いなどと未だ懸念材料がくすぶっていたのです。

それを払拭すべく、安倍首相が「オリンピックは絶対霞が関CCでやるから、トランプ大統領が来たときに貸してね」と持ちかけたのではないでしょうか。どちらが忖度したのか、阿吽の呼吸だったのかは知りませんが、結果的には非常に良いお話となりました。

というわけで、名門霞が関カンツリー倶楽部は日曜日のメンバーデーをクローズして、トランプ御一行様に差し出したのです。しかも、乗用カートを使いたいとのたまう始末。「オレはデブだから、歩くのは嫌なんだ」と言ったか定かではありませんが、しぶしぶ乗用カートを用意しました。こともあろうことか、その乗用カートでコースの中を走り回るというのですから、前代未聞です。何しろ霞が関カンツリー倶楽部のラウンドは歩きが基本。乗用カートなんてもってのほか。ましてや大事なコースの中に乗りつけるなんて、ひどい仕打ちにしか見えないのです。

さらに、昼飯は虎ノ門にあるアメリカ産牛肉を使った店のハンバーガーを食べるから、それを厨房で作りたい。あんたらのコースの料理は食べませんのでよろしくと来たもんだ。もちろんハインツのケチャップも忘れずに、テーブルの上に置いておきますよと。

あとトランプさん、ヘリで来るから空いてるところをヘリポートにしてよ。大統領専用ヘリ「マリーンワン」は2機がセットだから2機分用意してね、と。無茶ぶりの連続ですがな。

これも悲願のオリンピック開催のため、堪えがたきを耐え、忍びがたきを忍びでございますなあ。霞が関カンツリー倶楽部は、全て受け入れたのでありました。

そんなこんなで始まった日米親善ゴルフ。安倍さんは気合いが入り過ぎたのか、スタートホールでチョロをしてしまった。トランプさんは豪快に250ヤードショット。これじゃゴルフにならない。しまいには、安倍首相はバンカーに入ったボールを1発で脱出できず、2度目でようやく脱出。そのとき、トランプさんが先に行ってしまうのを見て焦って、欽ちゃん走りでバンカーの淵を乗り越えようとした。そしたら足が滑って体が一回転して、砂の中に転んでしまった。これをドローンで撮影してて、全国的に流れてしまったから笑えますなあ。

これを見た中国のネット民は「日本ってほんと自由で平等な国だなあ。中国でVIPの醜態をオンエアしたら、担当者は即刻クビだよ」と、羨望のまなざしを投げかける始末です。安倍総理が「暴れはっちゃく」ゴルフをやったおかげなのか、トランプさんは1回パットしたら、長い距離を残しても拾い上げてOKにしたのです。松山英樹選手の返しの長いパットもそう。それがトランプ大統領の気遣いというわけです。

安倍首相がこれほどまでにトランプさんとゴルフをやりたがったのは、お爺ちゃんの岸信介首相がアイゼンハワー大統領と日米親善ゴルフをしたからです。

ときは昭和32年6月、岸首相は渡米してホワイトハウスを訪ねます。そこでアイゼンハワー大統領の歓迎を受け、いきなり午後の予定を聞かれました。「空いています」と岸首相が言うや「午後からゴルフをしましょう」と誘ったのです。ワシントン郊外のバーニング・ツリーCCに行くや、岸首相の体格に合わせたクラブのセットが用意されていたとか。2人は、実に楽しい時間を過ごしたのでした。

さらに3年後の昭和35年、今度はアイゼンハワー大統領を日本に招待することとなりました。岸首相はゴルフのお礼をしたかったのです。ところが訪日寸前、大統領の先遣隊のハガティ大統領報道官が羽田空港に到着して移動するや、デモ隊に囲まれてしまう。これじゃ大統領の安全なんて保証できないとアイゼンハワー大統領からドタキャンを食らうハメに。岸首相は安保協定を改定しましたが、もろもろの責任を取って辞任したのです。

トランプ大統領と安倍首相が、日本でゴルフをすることはおじいちゃんが果たせなかった、夢の続きなのです。なんとまあ、お爺ちゃん思いの孫なんでしょう。

安倍首相が岸・アイゼンハワーのゴルフ話をオバマ大統領に語ったエピソードは有名です。「2人のスコアは?」とオバマ大統領に聞かれて、安倍首相は「国家機密です」と、冗談を言って湧かせました。その国家機密をバラしてしまうと、アイゼンハワー大統領が74で、岸首相は99だったそうです。これは、安倍首相とトランプ大統領の実力差に映るんですけど。

そんなわけで、トランプ大統領のゴルフの腕前はアイゼンハワー大統領と被るんですよね。腕前はシングルだし、ベストスコアは60台とも聞くし。 自分の会社でコースをいくつも持っていますしね。

今回のトランプさんとのゴルフは「スコアをつけずに、9ホールラウンドしてパットは1回のみ」というルールでした。

トランプさんのパターは1回だけ打つというのも、アイゼンハワー大統領のゴルフと似ている部分があります。

というのも、アイゼンハワーの名前のつくルールがアメリカにあるのです。心臓に持病があったアイゼンハワー大統領はここぞという勝負のパットを決めるときに、心臓に負担がかかってしまう。主治医に「グリーンに乗ったら、パターを打たないことにしてはどうか」と勧められて、それを実践したそうです。

それが「アイゼンハワールール」というやつです。スコア計算はどうなるかというと、グリーンのどんな遠いところに乗っても、2パットで計算するそうです。パーオンすれば、全部パー。バーディがない代わりに、ボギー以下もない。なかなかいいアイディアだと思いますね。

というわけで、今後のゴルフはパット1回のみの「トランプルール」を実践してはいかでしょうか。ストレスが無くなりますよ。ちなみに、バンカーを出るときにわざと転ぶ「安倍ちゃんルール」は、吉本新喜劇関係者のみのルールとしておきましょうかね。

■木村和久(きむらかずひさ)■

トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦


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