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【連載第4回】リニューアルで生き残る!懐かしくも新しい、未来に残る銭湯へ

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家庭での内風呂の普及により、普段使いとして利用する機会が減った銭湯。そのような背景のある銭湯に新しい価値を見出し、全国からリニューアルのオファーが絶えないのが人気銭湯建築家 今井健太郎氏である。

今回で最終回となる銭湯企画第四弾では、今井さんがリニューアルを手がけた銭湯の紹介とともに、工夫を凝らした浴槽・洗い場の設計について紐解いていく。

■ あえてバリエーションは少なく!大きな浴槽が銭湯の価値に

今井さんがリニューアルを手掛けた町田市「大蔵湯」。1966年創業の老舗銭湯であり、2016年12月に全面改装をおこなった。リニューアルの際、今井さんは居心地の良い空間を生み出すことを狙いに「あつめ」「ぬるめ」「水風呂」の、至ってシンプルな3つの浴槽構成を提案した。

「設備の多いお風呂ではなく、あえてゆったりと静かで大きな浴槽空間を作りました。私自身、大きな浴槽に浸ることが銭湯の楽しみでもあり、そういった居心地の良さが銭湯の付加価値だと考えています」。

通常、リニューアルとなるとスーパー銭湯のようなバリエーションの多いお風呂が求められているものと考えるが、オーナーや客の要望はそうではないらしい。銭湯の騒がしくない空間=落ち着く空間にもニーズがあるのだ。

「大蔵湯」は、リニューアルを機に思い切った空間設計を行い、幅広い客層に人気の銭湯となった。このような付加価値を見つけることが、リニューアルの成功例であると言える。

■ 浴槽だけでなく洗い場もゆとりあるスペースを

リニューアルと言っても簡単ではないのが現状だ。実は、銭湯建築はかなり高密度にレイアウトされた空間である。なぜなら、都市の狭い敷地に建てられることが前提とされ、浴槽にシャワーやカラン、マッサージチェアなど、非常にたくさんの機能アイテムが配置されているからだ。

また、設備面ではリニューアルの際には、メンテナンスがしやすいように配管のスペースを広めにとるため、さらにスペースの確保が必要になるという。そのような中で、一体どのような方法論で空間を構成していくのだろうか。

「浴槽の広さを重視するだけでなく、カランの数を減らすこともあります。銭湯の利用者数が減ったことから、カランの数を減らし、一人あたりのスペースを広げてゆったりとした洗い場を作る。これも1つの工夫です」。

古いものをただ新しくするだけでなく、今のニーズにあった空間づくりをすることが未来に生き残る銭湯を生み出す秘訣なのだ。

■ リニューアルは未来に続くビジョンを反映させること

最後に今井さんが2015年にリニューアルを手がけた下町の老舗銭湯「御谷湯」を紹介しよう。広い浴槽、天井が高く開放的な空間であり、庭など和モダンな演出が印象的な銭湯だ。

この御谷湯、実は、”銭湯を通じ、福祉活動をしていきたい”というオーナーのビジョンをリニューアル設計に反映させている。一般用の浴場は、段差を排除したバリアフリーの作り。また、一般的な湯船より低い作りになっており、障がい者やお年寄りが使いやすいように細やかな配慮が施されている。

さらに一般用のお風呂だけでなく、介護が必要な人とその家族が入浴を楽しめる福祉型家族風呂も設置されているのだ。ここもこだわりの檜作りの広い浴室であり、銭湯と同じく黒湯温泉が楽しめる。

「設計コンセプトを最適なものとすることで、銭湯の地域における存在意義が強まり、その結果、改築された銭湯が未来の日本に生き残ってゆくのだと考えています。めざすところは、現代の技術と昔ながらの銭湯文化が融合する「懐かしくも新しい銭湯空間」の創造です。」と今井さん。

様々なリニューアルの実例から、銭湯文化を未来に残すためには、新しさに加え、利用者が求める快適さを加えることが重要であると言える。年々減り続ける銭湯の生き残りにかけて、このような価値を見出すリニューアルが今後、不可欠になってきている。

https://news.walkerplus.com/article/127484/

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