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「わろてんか」35話。本編が総集編みたい。脚本家の方を“ダイジェスト師匠”と呼ばせていただきたい

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連続テレビ小説「わろてんか」(NHK 総合 月~土 朝8時~、BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~)
第6週「ふたりの夢の寄席」第34回 11月10日(金)放送より。 
脚本:吉田智子 演出: 東山充裕


連続朝ドラレビュー 「わろてんか」35話はこんな話
てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)の情熱に根負けして、とうとう啄子(鈴木京香)が寄席を経営することを許可してくれたと思ったら、新たな買い手(兵藤大樹)が現れて・・・。

障害その1
華やかな音楽に乗せて「この寄席はおれらのもんや 誰にも渡せへん」「これがおれらの夢の寄席や」と、舞台のうえでてんを抱えてくるくるまわっていたら・・・一転、啄子が「あきまへん」。

このぶったぎり感は、12話で、新一(千葉雄大)がまだ生きているのかとかすかに期待しながら見たら、すでに亡くなっていた場面と似ている。
どうやら、吉田智子先生と演出家陣は、視聴者の気持ちをふわーっと高揚させたあとストンと落として笑いをとるパターンがお気に入りのようだ。これを、ぬか喜び作戦と命名したい。

とはいえ、さすがに寄席が手に入るのが簡単過ぎるので、障害がいくつかあったほうがいい。
それでまず、啄子の反対。
だがそれも、この回のうちに解決してしまう。
藤吉が買おうとしている寄席小屋は、かつて、啄子が藤吉にせがまれて入った場所だったのだ。
藤吉がなんだか心惹かれたのはそのせいだったというところはきっと、作者、会心のエピソードであろう。

障害その2
ところが、その後、新たな買い手が現れる。
3日以内に500円(いまの500万円)先に払わないと、寄席が、いまをときめく太夫元の寺ギン(兵藤大樹)のものになってしまう。
さあ、どうする・・・となったとき、てんは、あんなに行かないと言っていた実家に向かうのだった。
そんな楽な・・・と思ったが、伊能様(高橋一生)のところに行くよりはましかもしれない。

本編が総集編みたいなんだが
状況が翻るテンポに緩急がなく、一本調子で心が沸き立たない。
規則正しい機械の動きを見ているようで、心が停止してしまう。
あまり思い入れずに見ている人には、それくらいで十分なのだろう。
余計な工夫はむしろ邪魔だ。だから視聴率も20%を超えている。

ただ、なんとなくこの回だけ見ているような人もいれば、毎日続けて見ている人もいるわけで。
近年の朝ドラ人気は、渡辺あや、宮藤官九郎、森下佳子、岡田惠和など、いろんな作家がドラマにうねりを作ってきたからだ。
どちらにとっても心地よいリズムは工夫できるはずだと思うし、どうせならそうしてほしい。

吉田智子先生は、よくできた小説や漫画を2時間の映画にまとめることはとても巧い。
「岳─ガク─」も「僕等がいた」も「彼女は嘘を愛し過ぎてる」も「ホットロード」も「アオハライド」も。
「クローズド・ノート」も「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」も「君の膵臓をたべたい」もよくまとまっていた(私は「ぼく明日」がとても好きだ)。
このように長らく、膨大な物語を2時間にまとめるくせがついてしまったため、「わろてんか」の本編がすでに総集編のように見えるのではないか。知らんけど。

吉田智子先生を“ダイジェスト師匠”と呼ばせていただきたい、愛をこめて。
(木俣冬)

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