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大きな災いを、逆に豊かな海を取り戻す契機として – 6年ぶりの釣行で見えた未来の漁業へのヒント【後編】

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前編の記事はコチラ『6年ぶりの釣行で見えた未来の漁業へのヒント【前編】』

宮城県からの参加者は「本当に魚がいっぱい、豊かな海で驚いた」と話しています。いわき市からの参加者も「これだけのサイズのヒラメがこんなにも釣れるのは見たことがない」と驚きを隠せない様子。東京からの参加者は「漁が入っていない海での釣りは貴重な体験」と参加を希望し、釣り終えて「漁場を休めれば、こんなにも資源が回復するのかと実感した」と話していました。前出の石井船長も「そのままにしておけば海はこんなにも回復するんだと感じた。これを多くの人に伝えたい」と復興への期待を見せています。誰もが、「休めれば、漁場は豊かに回復する」ことを実感した釣り大会となったと言えるでしょう。



ここに、未来の漁業のあり方を考える契機があったのではないでしょうか。日本の漁業は"早くいっぱい獲ったものが稼ぐ"「チャンピオン方式」と呼ばれるスタイルが主流。アマチュア向けでも、シーズンになると見渡す限りの海が釣り船で埋め尽くされる光景が見られることもしばしば。前出の寺沢氏によると、震災後にしばらく規制が入りヒラメの個体数が大きく回復したものの、漁が解除されると1年後には震災前と同程度に戻ってしまった地域もあるそうです。「1年漁して、1年は休める。そんな漁や釣りの仕方があってもいいんじゃないか」と寺沢氏も話しています。



一方で、この日釣り大会に同行していた、「いわき海洋調べ隊」共同代表の八木淳一氏によると「少しずつだが、福島県でサステナブルな漁業のあり方を考える人が増えてきている」という話もありました。震災前は、福島県でのヒラメ出荷規制は30センチでしたが、現在は50センチになっています。「震災前以上に豊かな海が戻ってきているのだから、これを獲り尽くすことなく、コントロールしながら、少量でも価格の良いものを途切れることなく出せる体制を整えたい」と、県と漁業者の間でも話し合われているそうです。「震災、原発事故は"災い"ではあったが、"福島版資源管理型"漁業を作り上げることができれば」と県関係者も、福島の未来への期待を熱っぽく語っています。



サステナブルな漁業を行うヨーロッパ諸国に比べ、日本は大きく遅れていると言われています。福島第一原子力発電所の事故は大きな災いですが、逆にこれを豊かな海を取り戻す契機としていくことが求められているのかもしれません。海から見る富岡町は工事も着々と進み、復興へ確かな足取りを感じさせます。富岡駅前の再整備も進み、10月21日には竜田-富岡間で常磐線の運転も再開。海に陸に、復興は日々新たなフェイズへと進みつつあると言えるでしょう。そんなことを考えさせられる富岡復興釣り大会となったのでした。

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