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安倍政権は親米保守なのか?トランプ大統領の来日で考える

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 イバンカ大統領補佐官、そしてトランプ大統領の来日に沸いた日本。安倍総理とトランプ大統領は会談のほか、ゴルフ、4回の会食などと重ね、日米の絆を強く印象付けた。菅官房長官も、今回の成果について「首脳間の個人的な信頼関係をさらに強固なものにする良い機会であった。そして、こうした会談等を通じて、北朝鮮問題に対する今後の対応について、非常に率直で突っ込んだ意見交換をすることができ、日米首脳は完全に一致していることが確認された」とコメントしている。

一方、タイミングを合わせたかのように東京株式市場の平均株価はバブル崩壊後の最高値を更新。企業の好業績が相次いでいることから海外投資家が一斉に買いを進めたことが要因だが、日米外交が成功したという評価が背景にあるとの見方も出ている。

しかし、そんな日本の外交姿勢を「対米従属」、また、戦後の自民党や安倍政権について、そもそも矛盾しかねない「親米」と「保守」という二つのスタンスを併せ持った「親米保守」だとして批判する意見も根強い。7日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、戦後日本の歩みとアメリカとの関係について振り返った。

■「親米保守」「対米自立」の間で揺れ動いた歴史
 日本の「親米保守」は、戦後、復興と経済発展のため、軍事に予算をかけない方針を掲げた吉田茂内閣に始まった。限られた資源と資金を計画的に運用することで産業を成長させて高度経済成長の礎を築く一方、安全保障はアメリカに依存するという、現在に至る姿を形作った。これに対し「対米自立」を掲げたのが、安倍総理の祖父にあたる岸信介だった。岸は自力で国民を守るのが当然だと主張、改憲・再軍備路線を唱えた。

 そして再び親米保守路線に舵を切ったのが、元大蔵官僚で吉田茂の右腕とも言われた池田勇人だ。池田内閣は「所得倍増計画」を閣議決定するなど、経済政策を優先、親米路線を推し進め、1964年にはアメリカの圧力で原子力潜水艦の寄港も閣議決定している。

 親米保守が「対米従属」と言われたのが、80年代の中曽根内閣だった。中曽根は1986年9月の所信表明演説で「中堅サラリーマンの負担軽減、家庭の主婦に対する特別措置等を中心とした所得課税の軽減合理化」と述べ、経済政策を優先。国鉄、電電公社、専売公社の民営化を達成した。その一方、「日米は運命共同体だ」とレーガン大統領に語り、互いに「ロン」「ヤス」と呼び合うほどの関係を構築。1983年1月の訪米では、ワシントン・ポスト紙社主との朝食会の席上、「日本列島を浮沈空母のように強力に防衛する」と発言した他、アメリカ側からの防衛費増額の要請に前向きに応じた。

 90年代、池田路線を継承した宮沢内閣は国際貢献を求めるアメリカに歩み寄ることになる。湾岸戦争が勃発、『カネよりも人を出せ』というアメリカの要請で、1992年にはPKO協力法を成立させた。

 そして2000年代、歴代総理で最もアメリカに忠実と言われたのが小泉総理だ。「新自由主義」を標榜し郵政民営化や数々の規制緩和を実現、日米関係は一層強化されたものの、アメリカへ依存が過度に高まったとも批判された。

 ジャーナリストの有本香氏は、歴代の総理本人の考え方とは別に、日本が置かれていた状況や国力といった時代背景が違う以上、対米姿勢を単純に比較することはできないと指摘する。

 「吉田茂を親米保守だと言ったら草葉の陰で泣くのではないか。確かに、腹を切ってでもという人も当時はいたかもしれないが、日本が焼け野原になって、国民がなんとか食べていかないといけない時代だった。吉田にとっても苦渋の選択だったはずだ。事実、吉田茂は晩年、日本が軍事的な自立を果たせないことを大変悔いていた。岸信介の"対米自立"も方法論が違うだけで、戦前生まれのトップの人たちが共通して持っていた考え方だったと思う。岸が日米安保改定を訴えた時には、アメリカに追随するのかと、ものすごい反対運動が起こった。むしろ岸は不平等だった安保条約を、より日本が自立的になるよう改定したのだが、当時はアメリカに追随していくものと見られていた。中曽根内閣についても、冷戦真っ只中の時代。アメリカから言われたということも理由だが、地政学的にも重要な位置にある日本は防衛費を増額せざるを得なかったと思う」。

 加えて有本氏は「7、80年代はどう共産圏と対峙するかという課題があったが、今の親米保守は規制緩和や、ある種のグローバリズムなど、親米的な経済政策をどう考えるかという課題。したがって、安倍さんの経済政策の路線については、むしろ保守派からの批判も多い」と指摘した。

■安倍総理は対米従属なのか
 では、そんな安倍政権の対米姿勢はどうなのだろうか。若者マーケッター集団「ワカスタ」の学生メンバーたちに話を聞くと、トランプ大統領訪日について概ね高評価だった一方、「来てくれたのはいいが、安倍さんがコバンザメのようにずっと付いていて、弱々しい。トランプ大統領の言いなりになっている」、「トランプさんは日本のご機嫌を取りに来たのかなと思った。近隣の国を抑えるに越したことはないだろうという意図を感じた。日米関係は仲が良いというパフォーマンスのように見える」といった意見も出た。

 「トランプ訪日の場面だけ見ると、べったりした感じを受けるかもしれない。しかし、この5年間、内政では問題があるものの、外交では非常に大きな仕事をしてきたと思う。70の国・地域を訪問していて、アメリカ以外の国々とも非常に緊密な外交をやって、アジア各国との新たな安全保障体制も構築してきた。そういったことが功を奏してきたから、トランプも安倍さんの話を聞く姿勢になってきている。トランプ大統領からは個人的にも信頼を寄せられているというアメリカからの証言もある。ただ、日本が軍事的に自立した上での同盟関係ではないので、情勢が緊張してくると、アメリカとの関係をより緊密にして、さらにそれを外にアピールする必要がある。今回、国連安保理で非常に速やかに北朝鮮への制裁決議ができたのは、安倍総理自身がロシアに飛んでプーチン大統領と話をしてまとめたからという背景もある。トランプ大統領は外交の素人なので、安倍総理のアドバイスを聞いて方向性が決まってきた面もあるので、トランプ大統領の顔色を見て発言しているということはほとんどない。今後、生きるか死ぬかという問題に将来的になるかもしれない。その中で一番日本にとっていいことは何かと考えた時に、アメリカの大統領とがっちりタッグを組んでいますと世界にアピールすることがいいと判断している」(有本氏)。

 また、今回の日米首脳会談の中では、トランプ大統領にアメリカ製の防衛装備品を購入するよう迫られたことについては賛否両論で、政府内にも温度差があるようだ。

有本氏は「安倍さんの外交は、相手国の内政での泣き所に対してプレゼントをしている感じがする。トランプさんの一番の泣き所は、国内でどれだけ雇用を作れるか、日韓からからどれだけの分を補ってきたのかを見せたい。装備品購入はトランプさんに言われたからではなく、前から決まっていたことだ。実際に何を買うかというのも、向こうから押し付けられているのではなく、こちらからの色々な要望ももちろんしている。今まで既定路線の中にあったものを、大判振る舞いしたように演出している。アメリカの人が『大統領仕事やっているな』と。そうやって、相手の支持につながるようなことをやるのが比較的うまいと思う」と指摘、「アメリカから押し付けられた武器を買わなくてもいいのであればそれがいい。しかし、長期的なことと今の短期的なことを見なくてはいけないということが1つある。その時その時で喧嘩する相手を間違えてはいけない。今、例えばアメリカに対して反米だということを言っても誰一人得をしない」とした。

■「日本は国家運営で一番避けて通りたいことを見ないで済んできた」
 慶應義塾大学特任准教授の若新雄純氏は「政治云々の前に、マクドナルドを食べて、テレビでプロ野球、ハリウッドの映画を見て、アメリカのカルチャーばかり。外国=アメリカになっている。段階的にアメリカ依存から脱却しないといけなかったとしても、多くの日本国民はアメリカに対してマイナスのイメージを持たずに育っているからダメだと思う」と話す。

 「僕たちは国家運営の上で一番大切な国防をアウトソーシングすることで、生きがい、働きがい、ファッションのことを自由に考えることができてきたと思う。今、その期限が切れそうになっているし、国家を守らずして自由な生活が存在できるのかということを突きつけられる時代になったということだろう。ただ、日本では学校教育も含め、国防を考える=上官の暴力、坊主頭、麦飯みたいなイメージしか持てない」(若新氏)

若新氏のコメントに対し、有本氏も「確かに日本人は国家運営で一番避けて通りたいことを見ないで済んできたし、背負ってこなかった部分がある。だからといって極端に考える必要はない。軍事的な自立といっても、同盟や集団安全保障もあることを想像することができない。そういう足場がちゃんとしないまま威勢のいいことを言うち、鳩山由紀夫総理の普天間基地をめぐる言動のようなことにもつながってしまう。日米同盟を基軸にしながも、一つずつ自立をしていくということでしかないのではないか」とした。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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