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【連載】『あの人の学生時代。』#18:井上真央「単位より本当に学びたいことを大切に」

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著名人の方々に大学在学中のエピソードを伺うとともに、今の現役大学生に熱いエールを送ってもらおうという本連載。今回のゲストは、現在絶賛放送中のドラマ『明日の約束』で、感情の起伏が激しく過干渉な親(=毒親)に育てられ、悩みながら生きてきたスクールカウンセラー・藍沢日向役を演じている井上真央さん。子どもの頃からずっと俳優の仕事をしてきた井上さんは、いったいどんな大学生だったのでしょうか。

大学生活の後悔は「単位をうまく取りすぎた」こと!


――井上さんは明治大学文学部に通われていたそうですが、大学と学部選びの理由は?

文学部で演劇学を専攻していました。単純に興味があったのと、今まで子どもの頃から演技をしてきて、実践のなかだけで学んできたので、知識をつけるという意味でちゃんと演劇理論も学んでみたいなと思って選びました。

――では、女優のお仕事を意識しての学部選びだったんですね。

そうですね。でも理由はそれだけではなくて、例えば心理学など、専攻である演劇学以外のいろいろな授業を自由に選んで受講できる学部だったから、というのもありました。

――大学に通いながらお仕事もされていたと思うのですが、やはり両立は大変でしたか?



レポートに追われる日々でしたね(笑)。朝イチでロケに行って、終わって合間の時間があったら学校に行って1限から授業に出て、そのあとまた現場に戻って夜の撮影をこなして……。空き時間もずっとレポートを書いているなど、大変といえば大変でしたが、義務教育の頃のほうがもっと大変だったので、それほど苦ではなかったです。

大学は自分でカリキュラムを組めるぶん、「この授業とこの授業は行きたい」というように、撮影がない日になるべくびっしり授業を入れて自分でスケジュールを組み立てられたので、それはすごくよかったですね。でもわりと詰め詰めに予定を入れていたので、1、2年生のときは特に大変でした。

――じゃあ、相当計画的に単位を取られたんですね。

そうですね、おかげで留年することなく4年間で卒業できました。……でも、大学生活を振り返って唯一後悔があるとすればそこかもしれません。「うまく単位を取りすぎた」ことを後悔していますね。大学生活を通じて友達ができて、その友達と一緒にすごすのが楽しかったので「この人たちと一緒に卒業したいな」と強く思っていたんです。だから計画的に授業を取って単位を積み重ねていったんですが、頑張って単位を取りすぎちゃったかな、って。単位のことを中心に考えるんじゃなくて、「本当に自分が学びたいもの」や「時間をかけてやりたいこと」に費やす時間がもっとあってもよかったかもしれない、と今になって思いますね。

卒業は4年でしたかったですけど、例え留年したとしてもそのぶん学んで挽回すればいいし、「学ぶために大学に入ったのに、単位取るためになっちゃったな」っていうのはひとつ後悔していることです。だからもし、過去に戻って当時の自分にアドバイスできるとしたら、「あんまりうまく単位を取りすぎないほうがいいよ」って言いたいです(笑)。

大学で「自分が決めたことをやり通す力」がついた


――大学の4年間で、転機みたいなものはありましたか?

お仕事と並行しながらもコンスタントに大学に通っていたので、あまり大きな転機になることはなかったと思います。ただやっぱり、大学で友達に会ったり授業を受けたり、そういう普通の日常に戻れる時間は自分の中で貴重だったなと改めて思います。今でも大学時代の友達とは仲がいいですし、周りと比べることで、自分のやっている仕事は「特殊」かもしれないけど「特別」な仕事ではない、とわかったというか。世の中にはいろんな生き方、いろんな仕事があって、この仕事もあくまでもその中のひとつでしかないんだなって。それはすごく実感しました。

――大学生活の中で、いちばん思い出深かったことはなんですか?

なんだろう……憧れていた「大学生活」が実現できたことですかね。よくある、大講堂のいちばん上で講義を聞いているあの感じとか(笑)、食堂に友達みんなで行って学食を食べるとか、そういう大学生らしい生活ができたことは楽しかったですね。学食に行ったあと、次の時間に授業がないと屋上に行ってのんびりしたり、授業の合間にカラオケに行ったり。それで、「間に合わない!」って走って学校に帰ったり(笑)……、青春でしたね。友達とはみんなで花火を見に行ったりイベントに行ったり、演劇学専攻らしく「能を観に行く」なんてこともあり、そういうのは楽しかったです。

――では、そんな大学での経験が今の仕事に生きていると感じることはありますか? 例えば、演劇学を学んだことで役についてより深く理解できるようになったとか……。



いや、それはあんまり関係なかったですね。演技は別に理論じゃないなと感じました(笑)。ただ、このお仕事はいろんな人と出会う仕事でもあるし、知識を持っておくと会話のきっかけになったりもするので、勉強しておいてよかったと思います。それに演劇学に限らず、自分から学ぶことの大切さを実感しました。あと、大学に行ったことで、自分で決めたことをやり通す力がついたかな、とも思いますね。

家族や友達と話すきっかけになるドラマでありたい


――続いてはドラマの話をお伺いしたいのですが、『明日の約束』で演じられている、毒親に育てられたスクールカウンセラー・藍沢日向とはどんな人物なんでしょうか?

基本的には明るくて、人の役に立ちたいという思いが強い人物だと思います。自分自身が子どもの頃の体験で心の傷を負っているからこそ、相手を理解したい、同じように悩んでいる子を救ってあげたいという思いが強いんじゃないかと。

――これまでに演じたことがない役だと思うのですが、演じてみていかがですか?

立場がすごく難しいなと思いますね。医者としてなにかを治すわけでもなく、先生でもなく、あくまでもその間に立つ立場なので、言えないこともあるし、逆にだからこそ言えることや聞きだせることもあります。生徒だけではなく、生徒の家庭のことも把握しなければいけなかったり、ときには先生のケアも必要だったり……。また、自分自身が心の傷を負った経験があるのに、生徒たちにこんなアドバイスをしていいのかという心の葛藤にはすごく共感できます。

――演じる上でも、役どころとしても相当デリケートな役ですね。

ミステリーの要素もあるので、会話の相手から「なぜこうなったのか」と原因を聞き出さなければいけない役どころ。やりすぎると刑事さんみたいになってしまうので、あくまでもカウンセラーとして「相手がどう思っているのか」を引き出すようにしなくてはいけなくて。それが難しいですね。

――制作発表会見では「現場ではスタッフやキャストのカウンセラーでいたい」という発言もありましたが、これまでにそういった場面はありましたか?



ありました! 朝行ったらお弁当が足りないとか、「今日のお弁当、サバの味噌煮が朝昼晩続いた」とか(笑)。そういうときは代表となって「それはないぞ」とスタッフさんに意見を言ったりしています(笑)。あとは「今日はみんなが元気なさそうだから、元気が出るような差し入れがほしいな~!」と思って買っていくことも。生徒役の子たちもかわいいし、現場は基本的に楽しいです。

――全体を見て気配りされてらっしゃるんですね。では最後に、ドラマの見どころを教えてください。

ヒューマン・ミステリーとして、少年の謎の死を発端にいろいろな人の悩みや葛藤、苦悩が描かれていくドラマです。なかでもいちばん描かれているのが親と子の関係。今回は「毒親」との関係を扱いますが、特別「毒親」に限った問題ではなくて、「親と子の関係ってこういうことあるよなぁ」と誰しもが考えさせられる部分があると思います。「犯人は誰か」を推理するだけの作品ではなくて、1人の少年の死から「生きるってなんだろう」という問いかけがたくさんある、メッセージ性のある作品です。親子間でも友達との間でも、話のきっかけとなるようなドラマでありたいなと思います。

現在、ドラマの撮影で大忙しの井上さん。そんな井上さんに現役大学生に向けて伝えたいことを聞いてみると、「興味をもっと持つこと」「なにごとも勇気」「一歩踏み出す勇気」など、たくさん候補をあげて考えてくれました。「『勇気』だけで伝わるかな……?」「『勇気』と『好奇心』ならどっちがいいですか?」となかなかひとつに絞りきれない様子でしたが、最終的に書き上げた言葉は「『好奇心』そして『勇気』」。シンプルですてきなメッセージですね。



<プロフィール>
いのうえ・まお●1987年1月9日生まれ。神奈川県出身。O型。おもな出演作は、映画『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』『八日目の蝉』『白ゆき姫殺人事件』、ドラマ『花より男子』(TBS系)『連続テレビ小説 おひさま』『大河ドラマ 花燃ゆ』(ともにNHK)など。現在、『明日の約束』(カンテレ・フジテレビ系)に出演中。

文:落合由希
写真:島田香

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