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雨中の日比谷野音、andropがその音に乗せた温もりと光

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one-man live 2017 at 日比谷野外大音楽堂 2017.10.28 日比谷野外大音楽堂


振り返ってみると、2017年のandropは初モノづくしだった。5月にユニバーサルミュージック内のZEN MUSICとタッグを組んだ初作品として「Prism」を、8月には自身の楽曲では初のコラボ作品となった「SOS! feat. Creepy Nuts」をリリース。さらに、9月には初主催の対バンツアー『androp presents "A+"』を開催と、慌ただしい毎日の中で、刺激も実りもおおいにあったことは想像に難くない。そして、日比谷野外大音楽堂でワンマンライブを行なうということも、意外なことに彼らにとっては初の試みであった。

日比谷野音という特殊な趣きを持つ空間で、彼らがどんなステージを繰り広げるのか楽しみにしていたのだが、台風22号の接近より、ライブ当日の天気は朝から雨……。正直、良い環境ではなかった。しかし、雨というシチュエーションだからこそ生まれたもの、より深く感じられたことも多くあり、特別な一夜となった。

androp
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オーディエンスの拍手に迎えられて、青い照明に包まれたステージに4人がゆっくりと登場。この日の為に書き下ろされた未発表の楽曲で音を柔らかく重ね合わせると、そのまま「BGM」へと繋げていく。曲中にある<突然の雨に降られても 語り合うBGMにしよう>という一節は、まさにこの状況にふさわしいものとして響いた。続く「Nam(a)e」では、青、緑、赤と移り変わっていくライティングが美しかったのだが、この日は会場を囲む木々にも照明が仕込まれていて、幻想的な空間を作り上げていた。MCでは、何度も“今日会場に来てくれたこと”への感謝を述べる内澤。「雨の中、来てくれているというだけで、始まる前からみんなを見て泣きそうになってました」と告白し、「雨が降ってよかったなと逆に思えるライブにしたいなと思っているので、最後までよろしくお願いします!」と、「Melody Line」へ。ステージから放たれる鮮やかなバンドサウンドと、虹をイメージした7色のライトが美しく野音の夜空に広がっていく。

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そんなあたたかな空気は、続く「Kaonashi」で一変する。内澤が弓を使ってのボウイング奏法で不穏な音を奏でると、そこに絡んでいく前田の音数の少なめなベースや、伊藤のダイナミックに動き回るドラム、佐藤の慟哭するギターソロなど、4人は孤独や絶望といったネガティヴィティに満ちた音像を立ち上げていく。強さを増した冷たい雨も、楽曲に広がる闇をより色濃いものとしていた。また、モノクロのポラロイド写真がスピーディーに切り替わっていく映像も楽曲に緊張感を与えていたが、これは、彼らが立っているステージ全体をすっぽりと覆うだけでなく、ステージ両脇に生えている木々にも映るように投影。続く「Bright Siren」では、カメラのフラッシュを用いたミュージックビデオを彷彿させるイメージが、「Tonbi」では、黒い鳥が幾何学的な図形をくぐり抜け、その奥にある光へ向けて羽ばたいていく映像などが次々に映し出されていく。曲を終えると「大丈夫ですか? 寒くないですか?」とオーディエンスを気遣う内澤。言われてみれば、気温が少し落ちていることに気づいた。それほどまでに、彼らの楽曲の世界に没入させてくれる名演だ。

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そこからも熱演は続き、ライブも中盤を過ぎた頃、突如ステージを離れたメンバー達に、客席がどよめく。雨で機材トラブルか何か起こったのかと思いきや、客席中央にあるセンターステージに内澤が移動し始めた。一気に色めき立つオーディエンス。ステージに立った内澤は、観客との距離の近さに照れながらも手を振り、「Tokei」をひとり、弾き語りで披露。降りしきる雨の中、アコースティックギターを優しく奏でながら歌い上げた。

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曲を終え、再びステージへと戻ると、「久しぶりの曲を」と「Songs」を披露。讃美歌的な雰囲気のある、神々しくドラマティックな1曲を奏でると、そのまま「Prism」になだれ込んでいく。客席を囲む形で配置されたバルーンライトも輝き、まさに光に満ちた空間を作り上げていたが、ステージから照射されたレーザーが雨に反射して、大量の光の粒が宙に浮かんでいるように見えた。それは偶然の産物ではあったが、まさに雨というシチュエーションでしか作り得なかったものであり、この曲が放つまばゆい光を、より強く、確かなものにしていた。そこから「みんな声出せる? あたたかくなろうか?」の一言を合図に「Run」「Voice」「Yeah! Yeah! Yeah!」とアンセムナンバーを3連発。雨も気にせず、内澤、佐藤、前田の3人はステージ前方へ飛び出して、クラップやシンガロングをするオーディエンス達と共に音を高鳴らし、熱を帯びたまま本編は終了となった。

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アンコールの声に応えて登場した4人は、「“晴れバンド”と謳ってたんですけどねぇ」(内澤)、「しばらく言えないね」(前田)、「今年の夏ぐらいから効力がなくなってきてるんじゃないですかね。ミュージックビデオの撮影のときとか」(佐藤)と、夏に制作していたアイテムのことを振り返る。そんな流れからゲストとして呼び込まれたのはもちろん、Creepy Nutsだ。この日はDJ松永が風邪で欠席のため、R-指定のみの出演となったのだが、5人は楽しそうに談笑した後、「SOS! feat. Creepy Nuts」を披露。夏に対して湧き上がるヘイトを畳み掛けていくR-指定のラップに対して、内澤は<雨を楽しむ奴らが勝ち組>と歌詞を変えて歌ったり、DJ松永のパートでは、ギターの弦をこすることでターンテーブルのスクラッチ音を再現。そこから佐藤のギターソロに突入するという展開で、客席をおおいに沸かせていた。

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また、アンコールでは来年1月10日にリリースされるシングル「Joker」が初披露された。この曲は、映画『伊藤くん A to E』の主題歌として書き下ろされたものなのだが、EDMライクなシンセ音が高揚感を煽りながらも、楽曲のど真ん中に据えられたメロディーラインは切なげなダンスナンバー。ガッチリとしたバンドアンサンブルもたくましく、さらにはオーディエンスのシンガロングパートも用意されていて、ここからライブで重要な役割を担ってくれるであろうことを激しく予感させた。

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ラストナンバーは「Image Word」。曲に入る前、「僕らの音楽はいつもあなたの側にあります。そのつもりで僕らはこのステージに立っているし、音を届けています」と内澤は話していたが、10月の冷たい雨が降りしきる中で繰り広げられた初野音ワンマンは、彼らの楽曲が放つ「光」や「希望」を、そして側にいてくれることで感じられる暖かな温もりを、より心の深い場所に染み渡らせるステージとなった。

andropは12月に東京、大阪のビルボードライブツアーを開催することになっているが、これもまた、彼らにとって初の試み。「どんどん新しいことをやっていこうと思っている」とMCでも話していたのだが、様々な未体験をひとつずつ経験していくことで、バンドとして、人としてさらに磨かれ、成長をしてきている4人。andropが奏でる音楽はより一層その光を増し、強く輝くのだろう。

取材・文=山口哲生 撮影=橋本 塁(SOUND SHOOTER)、西槇 太一、上山 陽介

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リリース情報
ニューシングル「Joker」   2018年1月10日発売 ■初回限定盤 (CD+DVD)  UPCH-7365 2,484円(税込)  2,300円(税抜) 【CD】 1. Joker 映画「伊藤くん A to E」主題歌 ほか収録予定。 【DVD】 収録内容未定
■通常盤 (CDのみ)  UPCH-5926 1,296円(税込)  1,200円(税抜) 初回限定盤のCDと同内容を収録 DVD/Blu-ray『one-man live 2017 at 日比谷野外大音楽堂』  2018年1月10日発売 DVD UPBH-1456 5,184円(税込)  4,800円(税抜) Blu-ray UPXH-1063 6,264円(税込)  5,800円(税抜)

ライブ情報
Billboard Live OSAKA
2017年12月5日(火)
[1st Stage]androp Live at Billboard Live open:17:30 / start:18:30 [2nd Stage]androp -8th Anniversary Special Live- at Billboard Live open:20:30 / start:21:30
Billboard Live TOKYO
2017年12月11日(月) [1st Stage]androp Live at Billboard Live open:17:30 / start:18:30 [2nd Stage]androp -8th Anniversary Special Live- at Billboard Live open:20:30 / start:21:30 ※未就学児入場不可 ※18歳未満同士での入場不可 ※[2nd Stage]androp -8th Anniversary Special Live- at Billboard Live 公演はandrop member page サイト会員限定公演。 ※1st Stage・2nd Stageでは、公演内容が異なる。  

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