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元夫の自殺と遺書公表を経ても……上原多香子の奔放ぶりに見る“忘れるオンナ”の顔

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羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「私にできることないかな」上原多香子
「フラッシュ」(光文社、2017年10月17・24特大号)

自殺を容認する宗教を、私は知らない。

キリスト教やイスラム教では自殺を禁じているし、仏教では、自殺はもちろんのこと、親より先に死ぬことを“逆縁”と呼び、一番の不孝と定義している。なぜ自殺をしてはいけないかについては、各宗教の専門家に任せるとして、自殺はあらゆる意味でやめた方がいいのではないかと思う。

2014年にET‐KINGのTENN氏が自宅マンションの駐車場に停めた車の中で、自殺を図った。第一発見者は、妻である女優の上原多香子。自殺を図るような精神疾患を患っていた形跡もなく、行動に計画性が見られなかったことから、上原は若くして夫を亡くした悲劇の妻となった。

しかし、3年がたった今年の夏、TENN氏の遺族が「女性セブン」(小学館)に、自殺の真相を明かす。TENN氏の遺書によると、彼は子どもの望めない体であること、また上原が舞台で共演した俳優・阿部力と不倫していることが書かれていたという。上原の携帯を見たTENN氏は“証拠”として、上原と阿部のLINEのやりとりや、キス画像を携帯に保管しておいたそうだ。TENN氏の遺書に「多香子をあまり責めないでやってください」と書いてあったことから遺族は黙って葬儀を終えた。しかし、新しい恋人ができると、上原があっさり籍を抜いて連絡すら取りにくくなり、遺族側が上原に慰謝料を要求したが、上原は分割払いでの支払いを提案。誠意のない態度に怒った遺族は、遺書を公表することを決意したそうだ。

遺族の話をまとめると、TENN氏は上原の不倫を知ってしまったが、それを問い詰めることもできず、かといって、なかったことにすることもできず、離婚するのも嫌で死を選んだということなのだろう。

「多香子をあまり責めないでやってください」という発言は、夫としての最後の優しさと見ることもできるが、別の見方をすると、強い復讐心の表れ、もしくは、あてつけとも言えるのではないだろうか(嫁の不倫が原因で息子が自殺をして、責めないでいられる遺族はいないだろう)。

上原の不倫に絶望していたのだとしたら、話し合う勇気を持ってほしかったし、もしあてつけだとしたら、方法を間違っているように思えてならない。

自分が原因で誰かが死んだら、一生後味の悪い思いをする。そう考えるのは、善良な人である。意図的かそうでないかは別として、自殺の原因を作った側は、案外ケロリとしているのが、現実ではないだろうか。

例えば、歌手の藤あや子。若くしてデビューした藤だが、なかなか売れず、改名をして再デビューを果たす。「こころ酒」で大ヒットを記録した藤は、レコード会社の既婚男性と不倫関係に陥るものの、売れっ子になりつつあった藤が、別れを選ぶと、男性は「別れたくない」と藤の自宅で首を吊った。遺体の第一発見者は、学校から帰宅した藤の一人娘であることを当時の週刊誌は書き立てた。

あえて藤の家を死に場所に選ぶあたりに“あてつけ”な印象を受けるが、それで、藤の芸能人生命が絶たれたかというと、そんなことはない。『NHK紅白歌合戦』の常連となり、8歳年下の俳優・木村一八と交際したり、今年の春に20歳年下の一般人男性との再婚を発表するなど、人生を謳歌しているように見える。

女優の荻野目慶子も、不倫関係にあった映画監督に自宅で首をつられた過去がある。芸能界引退まで追い込まれた精神状態を救ったのは、故・深作欣二監督で、今度は深作と不倫関係に陥る。深作監督亡き今も女優を続け、現在は産婦人科医と結婚。自殺したオトコのことをどう思っているかは、本人でなければわからないが、表面的に見れば、藤や荻野目は再起不能になるほどの精神的ダメージを受けたとは考えにくい。

それは上原も同様である。TENN氏の自殺の原因が、上原の不倫であると報道されてから、彼女は芸能活動を自粛。自分の不倫が暴露され、芸能活動も自粛とあって、さぞ精神的に追い込まれていると善良な人は想像するだろうが、「フラッシュ」(光文社)によると、上原は恋人であるコウカズヤの公演後の打ち上げに参加し、「私に何かできることないかな」と妻のようにかいがいしくふるまいつつ、その一方でコウでない男性に抱きつくなど、変わらない奔放さを見せたという。この行動から考えると、上原にとってTENN氏のことは“なかったこと”になっているのではないだろうか。

誰かを傷つけてやりたい、懲らしめたい。誰しも人生のうちで一度くらいは、こう考えることがあるだろう。人によっては、実際に直接的な行動に移す人もいるかもしれないが、本当に怖い嫌がらせとは、相手のことをきれいさっぱり忘れてしまう、つまり生きている人の存在を殺してしまうことではないだろうか。尋常でなく忘れっぽい“超忘却力”を持つ人は稀にいて、そういう人に命を懸けた抗議をしてもムダなのだ。

超忘却力を持つ女性は、“天然”“おっとりしている”と男性には魅力的に映るようだ。コウが、ある日突然上原に忘れられる日が、1日でも遅いことを祈るばかりである。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、最新刊は『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの

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