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もし「男より女のほうがエロい世界」に迷い込んだら、あなたは生きていけるか?【カリスマ男の娘・大島薫】

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見た目は美女でも心は男――。「カリスマ男の娘」として人気を博し、過去には男性なのに女優としてAVデビューを果たした大島薫。女性の格好をしたまま暮らす“彼”だからこそ覗ける、世の中のヘンテコな部分とは?

もしも男女の貞操観念が入れ替わったらどうなるのだろうか。

そんなパラレルワールドな妄想を、実際に本気で作品にしたものがある。

『貞操逆転世界』だ。

原作は天原さん、漫画を万太郎さんが担当している。この天原さんという方は昔からこの「貞操逆転世界」というテーマで同人誌を書いていたのだが、この作品はその設定をそのままに一般紙に持ってきたような内容になっている。

女子高生の市川桃奈が病院で目覚めると、見舞いに来た友人や周りの人々の様子に違和感を覚える。下ネタで盛り上がる女子高生や、女性向け店舗ばかりの風俗街、何の躊躇もなしにトップレスになって授乳を始める母親……そこは貞操観念だけが逆転した世界だった。

これだけ見ると、貞操観念を逆転させた世界でお色気を描こうとしているマンガに見えてしまうかもしれない。しかし、なかなかこれは思考実験としてよくできている。

例えば、こんなシーン。

貞操観念が逆転した世界だと気づき始めた女子高生の市川は、街中でもっこりハイレグのイケメンがジョッキを掲げるビールの看板を見つける。それを見て「男のもっこり水着とビールになんの関係があんのよ……こんなもんビル一面に飾って……」と呆れる市川。しかし、次の瞬間こう考える。

「……いや、そう考えると元の世界も大概ね」

たしかに。よくよく考えてみれば、ビキニ姿の美女にビールジョッキを持たせた看板となんら意味合いは変わらない。それになんの意味があるのかと言われれば、なんの意味もないのだ。

貞操観念が逆転したいびつな世界で、一般の女子高生が逆に現実世界のいびつさに気づくというこの構図が非常に面白い。

◆貞操観念が逆転した世界の「テレビ番組」は?

市川という女子高生を使った、この思考実験的な観測はまだまだ続く。

市川は元の世界……つまり、我々がいま生きている世界と同じ貞操観念のまま、この逆転世界に迷い込んだ。そのため、ほぼハダカでテレビに映る女芸人ばかりのテレビ番組や、男性のお色気を目的とした女性向け番組を理解できず、頭を抱える。

そんななか、これならば大丈夫かと見た子供向け番組で、さらに元いた現実世界の違和感に気づくことになる。

ある魔法少女が、気になる男子を悪党から守る。魔法少女に救われた男子は魔法少女にこのように告げる。

「キミにだったら、僕の初めて捧げてもいいかな……」

普通だったら男として気持ち悪いことこのうえないセリフだが、この貞操逆転世界では女性が男性を求め、それを受け入れるかどうかは男性次第なのだ。それを嫌悪しつつ、しかし市川は普段自分がいた世界でラブコメディーによくある、女性キャラの「センパイにだったら私のハジメテあげてもいいよ」というセリフと照らし合わせて考える。

「相手の処女に一切の価値がなく、自分の童貞に価値がありまくると定義してないと出て来ないセリフよね……これ。……ラブコメではよく見る光景だけど、こうしてみると随分と傲慢なセリフだったのね……」

と、自分の世界ではありえない傲慢な童貞男子キャラのセリフを見ることで、むしろ元いた世界のやたらと処女を売りにするラブコメシチュエーションに疑問を抱く。

男性が男性性を売り物にする、女性が女性性を売り物にする。男を買う、女を買う。そういった男女の性差や差別的な構造は、意外と180度転換したおかしな世界に来て、初めて本当の意味で理解ができるのかもしれない。

◆女装もある意味、逆転世界と同じ

ある意味、男性の見た目から女性の見た目で生活するようになったボクも、逆転世界にいるようなものだ。特にそんな状態で男性の目線を浴びるAV業界にいたらなおさらのこと。

AVによくあるイメージビデオの撮影なんかよくわかる。足元から舐めるようにカメラが移動し、股間、おへそ、胸(まあ、男性なのでないのだが)、首筋、顔。または後ろから、かかと、ふともも、お尻、腰のライン、顔。男性がどこを見たくて、どこに注目しているのかがよくわかる。

そう見ると、日常生活も同じではないだろうか。男性の見た目のときに男性と話していると、基本的には話している顔や、もしくは着けている腕時計、カバン、靴など、物を選ぶセンスや、人となりがわかる部分に注目がいくのがわかった。

しかし、いまの見た目だと、仮にボクが男性だと知っている人と会話していても、見た目や身に付けているものが女性だから、屈んだときにチラリと覗く胸の谷間や、スカートから伸びた太もも、肌の露出した部分などに視線が移る。

なんというか、最初のころは男性のそんな視線も楽しく思えていたが、これが日常だとだんだんウンザリしてくる。頑張ってしたオシャレも、結局男性にとっては生足かどうかとかしか見てないのなら、もうなんというか男って……と男のボクでも幻滅してしまう。

しかし、振り返ってみたらボクがただ男性の生活をしていたときは、女性をそのように見ていたのだろうと思うのだ。というか、いまも見ているのだろう。しかし、女性側の立場を経験したため、基本的には女性の靴を褒めたり、いつもと違うバッグに注目したりする。すると、わりと喜ばれるので、ああ、まあ、そうだよねと思ってしまう。

ふと、街を歩くとき、異性と話すとき、もしこれが“逆”だったらどうなるのだろうということを、深く考えてみると、意外と気づかないことが見えてくるかもしれない。もしこれをお読みのあなたが、そのなかでも特に異性の気持ちが知りたいと思うのならば。

【大島薫】

作家。文筆家。ゲイビデオモデルを経て、一般アダルトビデオ作品にも出演。2016年に引退した後には執筆活動のほか、映画、テレビ、ネットメディアに多数出演する。著書に『大島薫先生が教えるセックスよりも気持ちイイこと』(マイウェイ出版)。大島薫オフィシャルブログ(http://www.diamondblog.jp/official/kaoru_oshima/)。ツイッターアカウントは@Oshima_Kaoru 写真集『大島薫に例のアレを着せてみた』が10月13日に発売


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