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コミュニケーションツール「Slack」でCTOを務めるカル・ヘンダーソンさんの仕事術

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敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。 今回は、IT業界を中心に大人気を誇るチームコミュニケーションツールSlackのCTO Cal Henderson (カル・ヘンダーソン)さんの仕事術です。

Hendersonさんは、ビジネス向けメッセージング・プラットフォームの代表格であるSlackの共同創設者で現CTOです。Slackは、HendersonさんのチームがGlitchというオンラインゲームを開発しているときに、副産物として生み出されたもの。

HendersonさんとSlackの共同創設者であるStewart Butterfieldさんが、ゲームとして作りはじめたものが結果的にスタートアップにつながった経験は、これが初めてではありません。2000年代初頭、Hendersonさんは『Game Neverending』というゲームを開発するためにButterfieldさんのチームに参加します。そして、その開発の過程で、写真共有サイトFlickrが生み出されています。Hendersonさんは、15年間にわたってプログラミング(とブログiamcal.com)を続けてきました。

居住地:サンフランシスコ

現在の職業:SlackのCTO

仕事の仕方を一言で言うと:がむしゃらに

現在の携帯端末:iPhone 7(と醜いバッテリーケース)

現在のPC:11インチのMacBook Air(の上でWindowsを起動)

── まず、略歴と現在の仕事に至るまでの経緯を教えていただけますか?


とても小さいときからコンピューターに触りはじめていました。年上のいとこがテキサス・インスツルメンツ社のTI-99を買ってもらったときからですから、6歳ごろですね。当時のコンピューターの多くと同じく、TI-99にもBASICインタプリタが搭載されていて、それにすっかり夢中になってしまいました。それから何年もしないうちには「大人になったらプログラミングをやるのだ」と決めていました。それ以来ずっとのめり込んでいます。

12年前からサンフランシスコで働いています。YahooがFlickrを買収したのを機に、バンクーバーからサンフランシスコにやってきました。Flickrでは、API、oAuth、oEmbedなど、今でも広く利用されているたくさんの技術の開発を先導し、ベストセラーとなったO'Reilly本『スケーラブルWebサイト』を執筆しました。

YahooでFlickrのために4年間働いたあと、Flickr時代から一緒だったStewart Butterfield、Eric Costello、Serguei Mourachovともに、GlitchというMMO(大規模多人数同時参加型オンラインゲーム)をはじめるために、Yahooを退社しました。

── 仕事場はどんな感じですか?


本社に自分のデスクがありますが、そこにはめったにいません。毎日、ほとんどの時間を会議に費やしています。サンフランシスコ本社は5万平方フィートもあるので、1日に1万5千歩は軽く歩いているでしょうね。

デスクの上はガラクタでいっぱいです。小型のノートパソコン(11インチのMacBook Air)を使っていますが、可能な限り外部モニターにつなぎます。また、メカニカルキーボードが大好きで、テンキーのないVarmiloを青いCherry MXスイッチと愛用しています。とても騒がしくて、タイプラターみたいな音がします。

── お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか?


オーディオブックを2~3倍速で聴くこと。5年前から全面的にオーディオブックに切り替えたので、徒歩での通勤中に本を読めるようになりました。倍速で聴くことを覚えたことでかなりの効率アップになっています。

──どのように充電していますか? 仕事のことを忘れたいときはどうしますか?


3倍速でオーディオブックやポッドキャストを聴きながらiPhoneでゲームをします。職場で流行っているのは『Bit City』です。もしくは、3歳の息子の相手をします。幼い子どもほど、注意を強制的に奪ってくれるものはありません。

──睡眠習慣はどのような感じですか? 夜型ですか、朝型ですか?


睡眠スケジュールは厳格です。10:30までにはベッドに入り、11:30までには眠りにつきます。寝る前の30~60分を、SFのオーディオブックを聴きながらリラックスする時間にしています。朝は毎日7:30に起床します。

──あなたたちのチームが、ビデオゲームを開発する途中でFlickrとSlackを生み出したことは有名ですが、方向転換はどのように行なわれたのでしょうか? SlackとFlickrのときでは何が違いますか?


方向転換は大変でした。進んで失敗を認めたい人などいませんから。失敗した会社を閉鎖しようとしているときに、一方で素晴らしい果実が実りつつあるなんて、誰にもわかるものではありません。

FlickrのときとSlackのときで何が違うかといえば、プラットフォームとしてのウェブの成長と成熟の度合いですね。日常的にオンラインに接続する人の数が100倍になっています。Flickrを開発していた当時は、写真をオンラインに保存するというのは非常に新しいアイデアでした。今や、オンライン以外の場所に保存するほうが変わった考えです。

もう1つの大きな変化は、インフラとクラウドが大きく発展したことです。スタートのハードルはどんどん下がっています。サーバーのセットアップに要する時間はぐっと短くなり、開発そのものにより多くの時間をかけられるようになりました。

── 日常のことで「これはほかの人よりうまい」ということは何ですか?


難しい質問ですね。昔から、集中して仕事に取り組み高い成果を出す、優れた能力があると言われてはきました。しかし、私がSlackのような大きな企業のCTOをやれているのは、15年にわたるチームマネジメントの経験と、職場の人間関係から得られる喜びがあったからだと思います。エンジニアは人付き合いが苦手だというのが、世間に広まっているステレオタイプですが、それは本当ではありません。人と人とのコミュニケーションは、企業のなかのどんな職務でも、絶対的な要件であり、エンジニアリングにおいても例外ではありません。開発とはつまるところチーム活動なんです。

── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?

  • 仕事:Slack
  • ニュース:BBC、Twitter
  • 家族:Whatsapp、Snapchat
  • エンターテイメント:Audible、Reddit

──仕事で一番苦労していることは何ですか?


時間に優先順位をつけることでしょうか。組織が大きく複雑になると、つい受け身の姿勢になってしまいます。どんなときでも、よく注意を払っていれば、自分がすべきことが見つかるものです。とはいえ、一歩引いた目で見て、いま何にフォーカスすべきかを戦略的に考えることも非常に重要です。

──仕事中は何を聞いていますか?


勤務時間のほとんどは会議ですが、朝の通勤ではSpotifyを聞いています。今週はずっとKanyeと『Sneaker Pimps』を流していました。

──今、何を読んでいますか? おすすめの本はありますか?


最近、Ada Palmerの『Terra Ignotaシリーズ』を完読しましたが、かなりおすすめです。post-scarcity(希少性がなくなった世界)における人間の有り様と、社会が1つになるために何が必要かが書かれています。

──これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください。


このアドバイスをどこで聞いたかは覚えていませんが、「完璧なプロジェクトを探すかわりに、一緒に働きたい人を見つけろ」というものです。私たち自身、Flickrを作るために仕事をはじめたわけでも、Slackを作るために起業したわけでもありませんでした。信頼でき、一緒に働きたいと思える人たちがいれば、仕事を心から楽しむことができます。たとえ、当初の計画とまったく違うことをすることになってもです。

あとは、たくさん水を飲み、定期的に運動することですね。

──もはや自分でしようと思わないが、かつて抱いていた最高のアイデアは何でしょうか?


私はまだ、Glitch(創造とコラボレーションを主眼としたマルチプレイヤーのオンラインソーシャルゲーム空間)は素晴らしいアイデアだと考えています。私たちは、Glitchをビジネスとして成功させることはできませんでした。自分でもう1度トライすることはないと思いますが、コアとなるアイデアは素晴らしいものです。もし誰かがこのアイデアを実現してくれたら、私はそのゲームを死ぬほど遊び倒すと思います。

──あなたのSlackエチケットは何ですか? また、それはチームにどのくらい浸透していますか? たとえば、勤務時間外にSlackをどのくらい使いますか? 間違ったチャンネルに機密事項を流してしまうなど、大失敗をしたことはありますか?


そうした失敗はSlackよりメールでのほうが多い気がします。おそらく、たまにしかメールを使わないからでしょう。私自身はSlackをいつでもチェックしていますが、夜中にはダイレクトメッセージを送らないように気をつけています。届いたメッセージにはすぐに返信しなければならない気がするものです。それでは、いつでもSlackに接続していなければならない気持ちになってしまいます。ですので、余計なプレッシャーを与えないよう、夜のうちに書き貯めたメッセージを、朝一番で送るようにしています。

──あなたは、Yahooでの「どっちの人物が上役に見えるか」ゲームのように、いろいろ型破りなプロダクトを作ってきましたが、あなたのキャリアのなかでサイドプロジェクトはどのような役割を果たしていますか?


Yahoo社内で行われていた初期のHack Daysは本当に楽しかったですね。ユーザーが実際に使うもの以外にも、いろいろおもしろいプロダクトを作ることができましたから(Hendersonさんは、顔写真だけを見て、2人のうちどちらがYahooで高い役職に就いているかを当てさせるゲームを作って同社の社員向けにリリースした)。

『Game NeverEnding』(のちにFlickrにつながるゲーム)は、もともと私が20代の前半に、空き時間に熱心にプレイしていたゲームなんです。私は、このゲームのことをもっと知りたい一心で、同社のメールシステムを「ハッキング」しました。結果、それがキッカケでスチュワートにリクルートされ、のちにFlickrをつくることになったわけです。

──今日あなたがされたのと同じ質問をしてみたい相手はいますか?


Jay Parikhさんです。(Facebookのエンジニアリグ担当バイスプレジデント)

──他に何か読者に伝えたいことはありますか?


私は、ソフトウェアを使ってものづくりをして、それを人々にすばやく送り届けられることに、こころから喜びを感じてきました。あなたもそうしたことに喜びを感じるなら、今こそ、この業界に足を踏み入れるのに最適なときです。人々が毎日使い、頼りにするものをつくるチャンスがたくさんあります。業界としても、やるべきことがまだまだたくさんあります。ソフトウェア・エンジニアリングのキャリアを追求するのに今ほど良い時はありません。

名門大学でコンピューターサイエンスを学んだり、「典型的な」ソフトウェア・エンジニアリングのバックグラウンドを経る必要はありません。自分のしていることに情熱を持っていれば、どんな出自の人であれ、多くを成し遂げることができます。

Image: Lifehacker US

Source: iamcal, Amazon, Varmilo, Kotaku, AllMusic, Goodreads

Nick Douglas - Lifehacker US[原文

外部リンク(ライフハッカー[日本版])

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