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賃貸住宅の借主は「弱者」ではない。むしろ大家さんの方が大変!? 「東京ルール」って何?

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今年も早いもので10月となり、平成29年もいよいよ終盤戦に突入しました。
年が明ければ引っ越しシーズンのスタートであり、その中で新生活に向けて新しく家を探す、あるいは現在の家を退去する予定の方は多いのではないかと思います。
不動産の契約においては賃貸でも売買でも契約書と重要事項説明書を取り交わすのが基本ですが、
東京の賃貸住宅の場合それに加えて「東京ルール」と呼ばれる書類も取り交わされます。
引っ越しシーズンを前にして、賃貸住宅を利用するすべての人が絶対に理解しておいてほしい「東京ルール」について今回はお話したいと思います。

■そもそも「東京ルール」って?
東京ルールとは、正確には平成16年10月1日に東京都都市整備局によって制定された、
「賃貸住宅紛争防止条例(東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例)」を指します。
文字通り賃貸住宅に係る紛争を防止する目的で作られた条例で、入居中の修繕、退去時の原状回復についてのガイドラインを設けています。

退去が完了すると、通常は次の募集に備えてお部屋の現状回復工事を実施しますが、
このとき借主がどこまで費用を負担するのかということについて、かつては各地で習慣が異なっていてトラブルが頻発していました。
この問題に関し国土交通省よりガイドラインが出され、それに基づいて制定されたのがこの東京ルールです。
宅地建物取引業者は契約時にルールの内容を書面で説明するよう義務付けています。
筆者が最初に賃貸住宅の営業に従事した平成19年頃は東京都と首都圏のそれ以外の地域では費用負担の基準が異なっていましたが、現在では東京都の基準に則っているようです。

■ポイントその1:原状回復時の費用負担

東京ルールのポイントの1つは退去時の原状回復における費用負担についてです。
部屋を退去する際は「解約立会い」を行い、部屋にキズや汚れはないか、それは故意・過失ではないか、通常クリーニングで落ちるか否かを確認して費用負担割合を決定します。
東京ルールの基本的な考え方としては「借主は故意・過失・善管注意義務違反・その他通常の使用を超えるような使用による損耗等を復旧する」と定めています。
「賃借人が借りた当時の状態」に戻すというのではありません。
具体的には経年劣化・自然損耗・通常の使用による住宅の損耗等の復旧は貸主の費用負担で行い、借主は費用を負担しないものとされています。
壁に貼ったポスターや絵画の跡、日照などの自然現象によるクロスの変色、テレビ・冷蔵庫の背面の電気ヤケ等が該当します。
一方で「借主の責めに帰すべき事由による損耗」は借主負担です。
タバコによるヤニ汚れや結露を放置したことによるカビやシミ等は借主負担となるので注意してください。

また貸主と借主は両者の合意により上記の原則と異なる特約を定めることができるとされています。
室内クリーニングや和室の畳、襖、戸襖の張替費用を借主負担とする場合があります。

■ポイントその2:設備の修繕

Graphs / PIXTA
東京ルールのもう一つに柱は、入居中の修繕に関する費用負担についてです。
普通に使用していた設備が故障し修繕が必要になった場合、基本的に修繕費は貸主負担で行うものと定められています。
ですから故障により不便になるかもしれませんが、まずは管理会社に連絡するようにしてください。
筆者が賃貸物件の管理をしていた際、真夏にエアコン故障が頻発し、オーナーへの連絡と修理の手配に追われたことが思い出されます。
ただし、故意・過失による破損は借主負担となります。

Graphs / PIXTA
配管の詰まりに関しては、その原因によって費用負担の割合が変わってきます。
電球や蛍光灯、給水栓、排水栓の取り替えなど小規模な修繕に関しては、借主の負担にて行うよう定められています。

■借主は「弱者」ではない。むしろ貸主の方が大変

YNS / PIXTA ※写真はイメージです
賃貸住宅を巡る状況としては、貸主に厳しくなってきていると思います。
退去した部屋は次の募集のためにリフォームしなければなりませんが、現実問題としてそれに要する費用のほとんどが貸主負担となっているようです。
せっかくお金をかけて綺麗にして次の人に入居してもらっても、短期間で退去されたらやってられないでしょう。
借主は容易なことでは追い出されないよう借地借家法で守られています。
それに加えて退去時の精算に関しては東京ルールで守られているのです。
賃貸住宅を巡る紛争では借主側が「自分たちは弱者である」と声高に主張するのが常ですが、それに対して首をかしげざるを得ません。

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