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孤高の発明家の脳内世界に呆然とする「デロン展示館」

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 ソウルの人気スポットである弘大エリアからちょっと外れたところにある、時代から取り残されたような雑居ビル。1階は在来市場となっており、天井の低い湿った空間には、4,500ウォン(450円)とソウルでは激安の定食を出す食堂や、埃をかぶった衣料品店、業者向けの卸売店などが並んでいる。そしてその一角に、ひときわ異彩を放つ空間があった。

規則的にうねうねと反復される赤・黄・緑のパイプ。サイケデリックで宇宙的、どこか触手のようでもある謎のオブジェを中心に、人形・造花・CDなど統一性のない小物や、手書きのメッセージがびっしりと視界を埋め尽くす。

作品が発する尋常ならぬエネルギーに、思わず打ちのめされそうになる。どこから突っ込んでいいのかまったくわからない。

あちこちに掲げられたメッセージを読むに、メイン展示物は「デロン」と呼ばれるパイプのようだ。子ども向けの玩具だろうと想像する一方で、「デロンは産業の原動力」「デロンは働き口を創出」といったメッセージも並び、混乱させられるばかり。

さらに作品は、「デロン展示館」と書かれた扉の周辺のみならず、市場内に点在していた。住人は気にならないのかと心配する一方で、隣の食堂も、明らかに自分のエリアではないデロン展示館の前に机を並べてるわけだから、お互い様か。

謎を解明すべく、半開きになっている恐る恐る扉を開けてみる。そこには外部以上に複雑なデロンで囲まれた圧迫感ある空間があり、初老の男性がひとりデスクで昼寝していた。この男性こそが、「ワールドデロンシステム」を開発した発明家、パク・シンジェさん(73歳)だ。

アポなしで訪れたにも関わらず、快くインタビューに応じてくれたパク博士。彼の話によると、デロンは8つの接続部分と6つの連結部分からなり、これだけでどんな形でも簡単に作れるという。大きさは3種類あり、教育用玩具にもインテリアにもなる(コーティングすればお風呂にもなるとか)。

彼はもともとは大工だったが、木と木を連結するのにこの形のパイプさえあれば、安価なうえどんな形にも対応できることに思い至り、1985年から研究を開始。92年には商標も登録し、特許も持っているそうだ。

と、ここまでの取材は順調だったのだが、博士のマシンガントークはいよいよ加速し、話はビッグバンのように膨らんでいくので、私の乏しい理解力と語学力では正直ついていけなかったことを告白する。

朦朧とする頭でなんとかキャッチできたのは、「デロンが住宅問題を解決し、貧富の差を解消」「誰でも簡単に扱えるから、働き口の創出にもなる」「デロンが人間らしく生きられる世界を創造」「デロンは世界の共通言語となる」「ギネスにもユネスコにも登録されるべき発明」……。

質問を挟む余裕を与えない怒涛の1時間が過ぎ、おなかがキリキリと痛くなった私は、話の途中だったが、礼を言っておいとました。

デロンがどれだけすごいのか何もわからなかったが、しかし70を過ぎても衰えない博士の想像力と情熱は、リスペクトに値するものがあった。いつの日かデロンがギネスに載り、世界中の人々がデロンを使ってコミュニケーションを取る時代に備え、あなたも一度デロン展示館を訪れてみてはいかがだろう。(文・写真=清水2000)

●デロン展示館(ワールドドローンシステム)住所 ソウル市麻浦区東橋路12キル21(西橋洞485-14)サイト http://www.derong.kr

外部リンク(日刊サイゾー)

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