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「おはよう、たけしで すみません。」怒涛の5日間を総括してみた、ドタキャン事件は事故かそれとも演出か

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きのう10月7日より北野武監督の最新作「アウトレイジ 最終章」の公開が始まった。それに合わせて、先週月曜から金曜までの5日間、テレビ東京の朝7時半から30分間の枠(8月にアニメ「けものフレンズ」の再放送をやっていた時間帯だ!)で「おはよう、たけしで すみません。」という生番組が放送された。


「おはよう、たけしで すみません。」は、ニュースをネタにしたフリートーク番組。たけしのフリートークをテレビで聞くのはかなり久々のような気がする。それも連日朝からの生放送とは。往年のたけしの深夜のトーク番組「北野ファンクラブ」も生ではなく収録で、危ない発言には音がかぶせられるなどしていたのに……。いくら最近攻めているテレ東とはいえ、無謀すぎるのではないか。しかも相手役を務めるのは、以前から犬猿の仲といわれてきた水道橋博士(浅草キッド)と太田光(爆笑問題)という。これはきっと何か起こるに違いない! と思っていたら、案の定、“事件”が起こったことはすでに周知のとおり。

この記事では、5日間の放送をまとめて、ざっくりと振り返ってみたい。ただ、芸人の生放送での発言は、その場の空気に合わせて、話を誇張したり、ときにわざと過激な表現を用いたりすることもある。だから、たとえ忠実に文字起こししても、発言時のニュアンスから遠ざかってしまうものだ。今回の番組も、本来なら視聴した人の記憶にとどめるのが一番のはずである。しかし、それでもこんな機会もめったにないだろう。ここは記録としてあえて書き残しておこうと思う。

なお、この番組は現在、テレ東のサイトやTVerで来週日曜(10月15日)まで配信中である。

初回から飛ばしまくりの月曜日
月曜日、いよいよ番組がスタート。選挙の話から、政治家たちを俎上に上げながら盛り上がるのだが、油断しているとヅラネタにいってしまう。ほかにも、男女の「一線を越える」とはどこからを指すのかという話に脱線したり、先日、たけしがとんねるずの特番(石橋貴明のキャラが問題になった番組)で久々に扮していた鬼瓦権造のキャラについて、「労務者を差別してるんじゃないか」と太田がツッコむなど(こちらは配信ではカットされている)、結構きわどい場面もあった。

番組の終わりがけには中継コーナーが用意され、都内の惣菜店の店主がアナウンサーとともに出演(これも配信ではカット)。このとき、店主の印象を、たけしがまたきわどい表現でたとえた。そのせいなのか、翌日からは中継がなくなっていた。

岡田圭右がストッパー役をはたした火曜日
2日目のみ博士に代わって岡田圭右(ますだおかだ)が登場。当然のように、最近報じられた妻との別居について、太田とたけしからぶっこまれる。

きのうは話が“暴走”しすぎたということで、不適切な発言があったときに謝罪するため、植草朋樹アナウンサーが待機。その後、たけしと太田の話が危ない方向にいくたび、岡田が必死になって植草を呼ぼうとするのがおかしかった。

エンディングで感想を訊かれた岡田、「爪痕を残そうと思って何かできるかなと思ったら、話を止めるだけで何も結果が出せなかった」とぼやきつつ、「でもこれやろ。閉店ガラガラ」としっかり持ちギャグで締めた。たけしはたけしで「またかとお思いでしょうが、明日こそ真面目にやります」と言っていたが、翌日、とんでもない事態が起こる。

たけし欠席! 電話でニセたけしが登場の水曜日
週のまんなか水曜日は、主のいない椅子のアップからスタート。すでに周知のとおり、この日はたけしが番組を休んだ。突然の事態に当初、博士と太田はドッキリなんじゃないかといぶかしむ。確認のため、いつもたけしを起こしに行っているという運転手に博士が電話。しかし、太田が「家に入って起こせ」と言っても、「その権限はありません」とにべもない。最後に博士が「本当にきょうは休みでいいのね?」と念を押すと、「はい、きょうはもうお休みで」と返答があり、たけしの欠席が確定する。

このあと、博士と太田はやむなく二人だけでニュース談義を始める。互いに相手のことを探り合いながら話を進めるのが、どうにもぎこちない。結局、二人が一緒に盛り上がったのは、たけしへのぼやきだけだった。

エンディングまぎわ、今度はたけし本人に電話すると、あっさり出て「悪かったな、きょう。テレビ見てるよ」との声。しかしどうも滑舌が悪いので、太田が「本当にたけしさんですか?」と確認すると、「どうも、北野武です」とあきらかに返事がおかしい。ここで調子に乗った二人は電話の向こうのニセたけしに、安倍首相・片岡鶴太郎・加藤一二三・上岡龍太郎・小泉元首相・三宅裕司・貴乃花親方とモノマネをリクエストし続ける。それに律儀に応じていた相手も、さすがに疲れたのか、「二人で話してたほうがいいと思います」と退散。電話の相手はもちろん、松村邦洋であった。

太田にちょっと萌えた木曜日
2日ぶりにたけしが復活。しかも病人に扮して(点滴付き)、「運転手が来る直前に、クラクラ来て倒れちゃった」と、お約束のように言い訳する。きのうの欠席はこのネタのための前フリだったのか! これに対し博士と太田は「たけし生放送ドタキャン」と掲げられたスポーツ紙の記事を見せたりしながら、さんざんツッコミを入れる。「(ドタキャンしたのに)株上がってるところが許せないですよねえ」と博士が言った瞬間、たけしが尿瓶に入った黄色い液体(ビールか?)を飲もうとして太田に止められる。

ドタキャンの話題がひと段落すると、ちょうどノーベル賞の発表週間ということで、終戦直後の湯川秀樹のノーベル賞受賞や、ボクシングの白井義男がチャンピオンになったことの意味を、熱っぽく語るたけし。文化人としての一面をうかがわせた。

この日は、太田が松本人志のことが嫌いだという話を蒸し返される場面もあった(本人いわく、ようやく雪解けしたところだから触れてほしくないとのこと)。ここから太田は、たけしと立川談志と一緒に食事をしたとき、お互いに照れてなかなか話をしない二人が、ようやく盛り上がったのがねづっちの悪口だったと“暴露”。さらに博士が、このときのたけしと談志について、太田から手紙で教えてもらったことを明かす。博士によれば、その手紙には「俺のほうがたけしに愛されている」とも書かれていたとか。いちいちそんなことを博士宛てに書いて送っている太田に、ちょっと萌えた。

スポンサーに感謝して終わる金曜日
とうとう最終回。たけしは、金ぴかのスーツに大きな蝶ネクタイというベタな芸人スタイルで登場、「おはようございます。長いあいだ楽しんでいただいた『おはよう、たけしで すみません。』も、ついに42年目を迎え……」とあいさつすると、すかさず二人から「1週間しかやってないでしょ。しかも1日休んでるし」とツッコみが入る。これにたけしは「君たちはアカデミックな思想がないね。人によっては空間がゆがんでだな、人の1時間が俺の42時間にもあたるんだな」と得意の物理学の知識でかわそうとするも、太田から「ふざけるのはやめてください」とばっさり。

この日もたけしはニュースをネタにしゃべりまくる。前日にノーベル文学賞に決まったカズオ・イシグロが、影響を受けた日本の映画監督として、黒澤明・小津安二郎・伊丹十三と並んで北野武の名前を挙げていたことを教えられると、「俺が(ノーベル賞を)獲らせた」と胸を張る。さらに東京オリンピックの開会式の演出プランを語ったり、NHKの過労死問題に関して、博士から「一番ブラックなのはたけしさんですよ」とあいかわらずの多忙ぶりに言及されると、自分を魚にたとえ、「(自然に泳いでいる)魚に『よく泳いでますね』とは言わないだろ」「人はそれぞれ、魚のように生活するやつと、本当に休まなきゃいけないやつといるんだよ」と持論を展開したりと、話が尽きない。

そしていよいよエンディング、急にたけしが「いやー、何が偉いって、この番組を支えてくれたスポンサーさんに御礼を言いましょう」と真面目なことを言い出し、最後までツッコまれながら番組は終わった。

“ドタキャン”は計算してのことだったのか?
あらためて振り返ると、本当に怒涛の5日間だった。とくに水曜の放送におけるたけしの“ドタキャン”は各メディアでも大きくとりあげられたが、これで損をした人はいなかったのではないか。

視聴者、とくに昔からのたけしファンには、彼がかつてのレギュラー番組「ひょうきん族」や「オールナイトニッポン」をサボったという話は伝説的に知られているので、その再現として楽しんだ人が多かったはずだ。また、翌日のスポーツ紙をにぎわせたことで、たけしにとっては映画の、テレ東にとっては番組の格好の宣伝になったことは間違いない。唯一、相手役の博士と太田にはいい迷惑だったかもしれないが、翌日以降、たけし相手にこれ以上ないツッコミどころができたわけで、けっして損ばかりではなかったように思う。

というわけで、誰も損はしなかったけど、こんなことが許されるのはいまの芸能界でたけしぐらいなものだろう。番組を休んでも、ますます彼の存在感が強まるという結果になるのだから、恐れ入る。

もっとも、水曜の一件だけ切り取ると、ドタキャンということになってしまうが、5日間を通して見ると、じつは月曜からたけしは「明日から休む」とさりげなく口にしていたし、木曜には、前日の欠席を“前フリ”として、病人を装って登場した。映画監督のたけしのことだから、この流れはあらかじめ計算してのことだったのではないか。

それでいて何が飛び出すかわからない、最近のテレビではあまり見られない緊張感も終始漂っていた。放送は5日間だけだったが、期間限定だからこそ、いわば祭りとして盛り上がったのだろう。この内容をレギュラー放送としてずっと続けるのはおそらく無理だろうし、視聴者もたぶんついていけないような気がする(朝のニッチな時間帯だし)。でも、機会があれば、ぜひまた見たい。今後も、たとえば春と秋の改編期にでも、定番化してはいかがでしょう?
(近藤正高)

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