最新ニュース、芸能、ネットの話題をまとめ読み

 

「30年目の真実 東京・埼玉連続幼女誘拐殺人犯」は宮崎勤絡みのデマを頑張って払拭したドラマだった

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
10月7日夜に、フジテレビで「衝撃スクープSP 30年目の真実~東京・埼玉連続幼女誘拐殺人犯~宮崎勤の肉声~」が放映された。

Twitterでは、怯える声が多かった。
今更蒸し返すな、と。
宮崎勤元死刑囚の事件が世間に残した、好奇心と偏見の傷跡は、あまりにも大きすぎた。
ドラマはその点、かなり配慮して作られていた。証拠の取れた事実だけを述べ、当時のデマや誇張報道には、一切触れなかった。

肉声による再現フィルム
宮崎勤に対しての取り調べの音声データを使用したドキュメンタリードラマ。
取調官は俳優の声(プライバシー保護のため)、宮崎勤は本人の録音された肉声が使われている。
(参考・宮崎元死刑囚 浮かぶ狡猾さ「偽装で頭いっぱい」「自分かわいかった」幼女連続誘拐殺人事件(産経ニュース))

テレビのレポーター(東海林のり子など)は、当時と同じセリフを今の役者が忠実に再現。事件時の本物の映像も、随所で使用されている。
取調べをした警察の視点から、女児失踪の調査、宮崎勤の逮捕、取調べ、自供、ウソをつき続けた裁判、死刑までを描く。


オタクかどうかは関係ない
幾度となく流されたであろう、六千本のビデオテープが宮崎勤の部屋に積み上げられている映像を、今回のドラマも流していた。
ナレーションで、そのほとんどがテレビの娯楽番組であり、「いわゆるロリコン映像は数十本程度だった」と、わざわざ解説を入れている。

1989年。事件の猟奇性が話題を大きく膨らませてしまった。宮崎勤はあたかもホラーと幼女映像ばかり集めていたかのように噂された。
彼は「オタク」であり、アニメなどの影響を受けて犯罪を犯したのではないか、という話題が週刊誌やワイドショーなどで流れ出す。
これが有害コミック騒動や、ホラー映画のテレビ放映自粛へとつながっていく。

90年代以降、オタクは変質者・犯罪者予備軍だ、という認識が広まってしまった。
肩身の狭い経験をした人が多いからか、今回のドラマ放映中にかつての苦しみを吐露するツイートが多かった。
オタクと言うだけで差別、迫害。自分の趣味を知られないように、隠していた。

ぼくもアニメを撮りためていた時「宮崎勤みたいになるよ」と言われたのが未だに呪縛だ。言った本人は冗談だったのだろう。けれども、アニメを好きなのがまるで悪いことのように感じるようになった。
「つとむ」という名前なだけで、クラスでいじめられる子がいた時代だったのだ。

いつしか、コミケ会場で「ここに10万人の宮崎勤がいます!」とテレビのレポーターが言った、という噂が流れ始める。
実際のところ、本当なのかどうか、記録が残っていない。もっとも、オタク側はマスコミに対して、そのくらい拒絶反応を示していた、というのは間違いない。
(参考・「10万人の宮崎勤」はあったのか?)

今回のドラマは、宮崎勤が「オタクか否か」については、一切述べていない。
必要ないからだろう。彼はビデオの録画のマニアで、殺人犯だ、と言う事実だけ描いている。
また彼はペドフィリアではない。成人女性に興味を持っており、相手にされないからその代替として少女に手を出した、という点を明らかにしている。

所持していたビデオに彼が影響を受けたかどうか、警察が調べるシーンもちゃんと入っていた。
結局警察は、そこからは宮崎勤の犯罪動機を、見いだせてはいない。

一方で、胡散臭いコメンテーターが適当なことを言ったり、週刊誌が勝手に推理して記事にしているシーンが挿入されていたのは、面白い。
「マスコミは事件当時好き勝手やっていました」感が描かれていたのは、思い切った演出だった。

あえて今放映する必要性
彼は、殺した少女を食べた、祖父への儀式を行った、など法廷で証言している。
精神鑑定で、それはほぼありえない、嘘の証言だ、と明かされる。
食人の話は、どうしてもショッキングな話題なだけに、いまだにネットでは都市伝説的に残ってしまっている。

録音された肉声を元にした再現ドラマでは、世間に流れたサイコパス・宮崎勤像を、ほぼ削ぎ落としている。
怯えて嘘をつく。犯罪の動機は深く考えておらず、単純。
極めて小物で、責任能力はあり、ロリコンではなく、どこにでもいる気弱な人間の、声と姿が放映された。

ドラマ仕立てにしたことで、当時の状況を知らない人でも見やすくなっている。事件を風化させないためには適切だろう。
時代の騒乱と殺人事件をきっちり切り分けたドラマになっているので、デマに苦しめられた人にこそ見てほしい。再放送されないかな。

(たまごまご)

外部リンク(エキレビ!)

Yomerumoをフォローする

Yomerumoから人気記事をお知らせします!

Twitter

芸能ネタ最新記事

記事一覧

注目ニュース

> もっと見る


掲載情報の著作権はニュース提供元企業等またはGMOアドマーケティング株式会社に帰属します。記事の無断転用を禁じます。
すべての人にインターネット
関連サービス