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シンクロ選手が「水着に隠している」“あるもの”とは?

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さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介するTOKYO FMの番組「ピートのふしぎなガレージ」。あなたの知的好奇心をくすぐるテーマを、毎回、最新情報とともにお伝えします。9月30日(土)放送のテーマは「シンクロナイズドスイミング」。今回は、「アーティスティックスイミング」への名称変更時期も気になる「シンクロ」の魅力と美しくもハードな世界を、TOKYO FMの番組の中で詳しい方々に教えていただきました。
(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」2017年9月30日(土)放送より)



シンクロ選手が「水着に隠している」“あるもの”とは?

◆「本当に大変なシンクロのアレコレ」
元シンクロ選手 三井梨紗子さん


── 三井さんはリオ五輪で見事、銅メダルでしたね!

ありがとうございます。五輪では「デュエット」と「チーム」の2種目が行われるのですが、その両種目で銅メダルを獲得できました。種目によって違うのですが、シンクロの演技時間は3分~4分半。そう聞くと短く感じるかもしれませんが、その間ずっと動き続ける選手にとってはけっこうキツい競技なんですよ。

会場に流れる音楽は水中ではちゃんと聞こえません。ですから、シンクロでは水中スピーカーを設置して音楽を流しています。でも、大きな会場だと反響で水中に響いてくる音と、水中スピーカーから流れる音がズレてしまうこともあるんです。そこで選手同士でカウントしたり、水中スピーカーの音に合わせると決めたりと、いろいろ工夫しています。水中でも「ウッ!」と掛け声を出せばちゃんと聞こえるので、それでタイミングを合わせてジャンプする……みたいな感じですね。

── でも、競技中にアクシデントもあるのでは?

アクシデントとしては、鼻に付けている「ノーズクリップ」が外れてしまうことはよくあります。そうなると鼻に水が入ってきてすごく苦しいのですが、それでも気付かれないように演技を最後まで続けなければいけないので大変です。

実は選手は水着の端に予備のノーズクリップを忍ばせているので、水の中でこっそり付けたりもします。でも、シンクロの「テクニカルルーティン」では全員が同じ動きをするという決まりなんです。みんなで同じ動きをしなきゃいけない中でノーズクリップを付けるのは、かなり難しいですね(笑)。

── シンクロはメイクもしっかりしなきゃいけないのが大変そうです。

代表チームはコーセーさんがオフィシャルパートナーについてくださって、合宿中からメイクの指導をしていただいています。そこで自分でメイクができるよう練習して、本番は自分たちでメイクするんです。あれだけ激しく泳いでもメイクが落ちないのは、ウォータープルーフという水に落ちない製品のおかげです。

シンクロでゴーグルを付けないのは、目で審判に訴えるような部分も演技の内だから。普段の練習ではゴーグルを付けるのですが、本番の会場ではゴーグルなしで練習して「ここで審判のほうに目線を」みたいな細かいところまで確認します。でも、ゴーグルなしで泳ぐと塩素で目が痛くなるのが悩みどころです。リオ五輪のプールは塩素がキツかったので、私は初めてコンタクトを使ったくらいでした。

◆「シンクロを見るときはここに注目してください」
東京シンクロクラブ 市橋春江さん


── シンクロの採点はどういう仕組みですか?

シンクロの採点は3つのパネル(審判団)によって行われます。フリールーティンなら、1つ目は「エクスキューション」といって、ちゃんとできたかどうかの採点。2つ目は「アーティスティックインプレッション」といって、芸術的な要素を採点。そして3つ目が「ディフィカルティ」という難易度の採点です。

ディフィカルティのパネルは振りの良し悪しを見ないで、難しさの度合いだけに注目します。だから、演技によってはアーティスティックインプレッションはすごく高いのに、エクスキューションとディフィカルティが低いということもあるんです。ただし採点は、10点満点をエクスキューション3、アーティスティックインプレッション4、ディフィカルティ3に割り振っているので、フリールーティンでは芸術性が重視されているとも言えます。

── 素人には、なかなかわかりづらい部分もありますが……。

一番わかりやすいのは、デュエットにしろチームにしろ、ピタッと揃っているかどうかですね。それから脚線の美しさ。シンクロは脚ラインの勝負なので、脚がスカッと引っ張られた形になっているかどうかを見てください。さらにパターンチェンジで隊形が変わるときに、途中経過が見えずにパン!と変わるスピード感。また、チームなら水面上にどれくらい跳ね上がってくるかも見どころです。ただ正直、五輪の上位5~6ヵ国になると、レベルが高すぎてなかなか差がわからないかもしれません。

今の流行はスピードです。以前が「いち、にい、さん」というリズムで動いていたとしたら、今は「い・ち、に・い、さ・ん」と倍の動きになっています。さらに一ヵ所に留まることもほぼなくて、どんどん泳ぎながら動いていくんです。テレビだとカメラが追いかけるのでわかりづらいと思いますが、選手の向こうに見える広告ボードに注目すると、どれだけ選手たちが移動しているのかわかると思います。

── シンクロが変わる中で、どんな選手が求められるのですか?

シンクロではどれだけの高さを出せるかも重要です。それは跳び上がる高さではなく、高さを保ちながらいろんな形をすることなんですが、そのためには体のボリュームが求められます。肩幅や胸板の厚さなど鍛えられたバランスの良い体が必要なんです。ですから、現在のシンクロでは大きい選手が求められています。

シンクロは1984年のロス五輪で正式種目に採用され、しばらく、アメリカ、カナダ、日本の3ヵ国が表彰台を独占していました。しかし、2000年のシドニー五輪からロシアが台頭してきて、さらにスペイン、中国なども上位に。さらに最近はウクライナも力を付けています。でも、次の五輪は2020年の東京ですから、日本も負けていられません。大いに期待したいと思います。

◆「男子だってシンクロをやりたい!」
男子シンクロ選手 安部篤史さん


── シンクロには男子の選手もいるんですね!

2015年からシンクロの男子が世界選手権で正式種目になりました。同時に「ミックスデュエット」という種目も導入されています。これは男女のペアによるデュエットで、基本ルールは従来と変わりません。テクニカルルーティンのエレメンツ(規定要素)だけ多少簡単になっていますが、そこは競技人口の少ない男子に配慮した形でしょうか。

なにせシンクロをやっている男子はまだまだ少なくて、国内で世界レベルを目指して競技している人は10人もいないくらいでしょう。一番年上の方で45歳くらい、一番若い子で中学生です。僕は35歳ですが、僕たちの世代だと大人になってから本格的にシンクロを始めたので、技術的にはまだまだ勉強することがたくさんあります。

── 安部さんは、なぜシンクロをやろうと思ったんですか?

僕は高校3年で競泳を引退したのですが、その翌年くらいに映画「ウォーターボーイズ」が公開されて「競泳以外にもこんな世界があるんだ」と思ったのが最初でした。ただ、実際にシンクロをやりたいと思っても、ほぼ完全に女性だけなので、なかなか難しい。そこで、水中パフォーマンスをやるチームが国内にあったので、その門を叩いて参加させてもらいました。

その後、「ウォーターボーイズ」はドラマ版も製作されましたが、僕もオーディションを受けて、ウォーターボーイズの一員としてドラマに出演させていただきました。何ヵ月か合宿しながらの撮影でしたね。

── 男子がシンクロをやるうえでの難しさなどはありますか?

もともとの柔軟性は女性のほうが上であることが多いですね。特に股関節まわりは男子だと硬い選手が多いのですが、シンクロは柔軟性ありきのスポーツなので、柔軟をけっこう頑張らないといけないと思います。

もうひとつ、男子は体脂肪率が低いのですが、これもシンクロでは不利です。体脂肪率が低いと水に浮きにくいですから。そこで、男子選手は筋力とパワーで浮力をカバーしようとするのですが、筋肉を付けるとさらに浮かなくなるという悪循環。それに筋肉でゴツゴツの体だと見栄えも美しくありませんし、悩みどころです。

シンクロは本当にハードな競技です。陸上に例えると、100m走の全力疾走を3分間の演技時間にずっと続けているような感覚でしょうか。瞬発力と持久力のどちらも求められますし、とにかく大変なスポーツです。

TOKYO FMの「ピートのふしぎなガレージ」は、《サーフィン》《俳句》《ラジコン》《釣り》《バーベキュー》などなど、さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介している番組。案内役は、街のはずれの洋館に住む宇宙人(!)のエヌ博士。彼のガレージをたまたま訪れた今どきの若者・新一クンと、その飼い猫のピートを時空を超える「便利カー」に乗せて、専門家による最新情報や、歴史に残るシーンを紹介します。

あなたの知的好奇心をくすぐる「ピートのふしぎなガレージ」。10月7日(土)の放送のテーマは「高尾山」。お聴き逃しなく!


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聴取期限 2017年10月8日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:「ピートのふしぎなガレージ」
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国37局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週土曜17:00~17:50(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/garage

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