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オダギリジョー熱演!伝説の革命家ゲバラに寄り添った日系人の生死を描く実録映画

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映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『エルネスト』
配給/キノフィルム 10月6日よりTOHOシネマズ新宿ほかで全国公開
監督/阪本順治
出演/オダギリジョー、ホアン・ミゲル・バレロ・アコスタほか

今年は伝説の革命家エルネスト・チェ・ゲバラが没して50年となる節目の年でもある、と言っても若い人はピンと来ないかも知れない。無理もない。近代史なんて学校でロクに教えないしね。彼は1959年にカストロ(後に首相、2016年死去)とともにキューバ革命を成し遂げたが、政権の座にいることをヨシとせず、新たな革命を求めて南米ボリビアに向かい、そこで落命している。“ゲバラ死す”は当時衝撃的であった。権力に恋々とせず、新たな理想を求めて…ってカッコいいじゃん、とばかりに、ボクの10代のころは学生運動が盛んで、彼は若者たちのカリスマとなっており、部屋にゲバラの写真や絵を飾ることが流行していたほど“伝説の男”だったのだ。

これは、医学留学先のキューバでそんなゲバラに共鳴し、ともにボリビアの戦地に向かい、奮戦虚しく、敵に処刑された日系ボリビア人“フレディ前村”を描いた作品。『どついたるねん』(89年)、『団地』(16年)などで知られる著名監督の阪本順治が、日本=キューバ合作で撮り上げた実録人物伝だ。「別の企画で調べていたら、“フレディ前村”にブチ当たり、この日系ボリビア人に興味を持った」という。なぜ題名がゲバラと同じ“エルネスト”なのかというと、ゲバラが信頼の証しとして、自分のファーストネームを戦士名として彼に授け“エルネスト・メディコ(医師)”としたわけで、いわば“もう一人の無名のゲバラ”なのだ。

全編スペイン語で「愚直な男」を熱演
実際に彼は寡黙で誠実で、裏表のない純粋な男だったそうで、それをどう魅力的に撮り、無名戦士の彼をゲバラと匹敵するほど伝説化させるか、が阪本監督のテーマだったという。その狙いはもちろん一定の成功を収めているが、あまりに高潔すぎて、凡人俗徒のボクとしては少し眩しすぎるのが難か。他の男との子を生み育てるシングルマザーの女性と本当は相思相愛なのに、支援するだけにとどまり、自分は戦地に…。細かいことを言えば、気晴らしのビールさえも『そんな時間はない』と拒絶する彼に、親しみが涌かないのがタマにキズか。もう少し若気の至りも出してほしかった。オダギリジョーは全編スペイン語で貫き、熱演しているのだが…。

とはいえ、一人の世界的英雄の陰には、常に人知れず命を失った無名戦士がいるわけで、『それを忘れてはいけない』と語るオダギリジョーの生真面目さが映画を支配する。最近、なかなか出会わないこの手の“愚直なまでの男”、逆に新鮮かもしれない。


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