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ビートたけしの格別のヤクザ映画第3弾「アウトレイジ 最終章」

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映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『アウトレイジ 最終章』
配給/ワーナー 10月7日よりTOHOシネマズ新宿ほかで全国公開
監督/北野武
出演/ビートたけし、西田敏行、大杉漣、塩見三省、白竜ほか

ビートたけしこと北野武監督作で唯一のシリーズもの『アウトレイジ』の第3作にして一応完結篇。“一応”と断りを入れたのは、第1作でたけし演じる大友は刑務所で殺されたことになっていたのに、第2作で“実は死んでいなかった”とのうのうと復活したし、2作目の『アウトレイジ ビヨンド』も“全員悪人、完結”と銘打ちながら、知らぬ顔してこの第3作を作ったからだ。第4作目も、本人は否定しているが、分からんぞ。数年後に“アナザー・アウトレイジ”、あるいは“アウトレイジ リセット”なんてのができるかもしれない。

今回は、韓国に身を寄せていた元組長の大友(ビートたけし)だが、宿敵の花菱会が韓国で起こした風俗街でのトラブルを発端に、花菱会の内部抗争、大友の報復などに発展する話。相変わらず派手なドンパチ、エグい殺し方の数々はシリーズの特徴だが、今回のトーンは、あれから5年、血気盛んな武闘派の彼らも年を重ね、疲労の色濃く、その顔には死相が現れている“黄昏モード”。

特に、前作アウトレイジ ビヨンドでの波状攻撃的恫喝シーンで、観る者を震え上がらせた花菱会若頭・西野、若頭補佐・中田をコワモテで演じた西田敏行、塩見三省は今回も登場してくれてうれしいのだが、この古希も近い名優ふたりはそろって近年大病を患っている。そんな西田、塩見の体調が映画全体を支配するかのように、妙な諦観、あるいは覚悟が、全体に漂う。鉄の結束のはずのこの西野・中田の兄弟分にも亀裂か? という心理サスペンスも見どころだ。

役者陣の「顔相バトル」がすごい
主人公の大友もどこでケジメをつけるか模索しながら、死に場所をさまよっている感じで、冒頭の釣りシーンでの水に浮かぶ太刀魚の死骸がそれを象徴している。たけしもかつてバイク事故で生死をさまよった過去がある。そんな“死の淵を実際に見た男たち”が演じるアウトロー映画はまた格別だ。

SMのマゾ趣味のある幹部を“怪演”するピエール瀧が「役者陣の“顔相バトル”がすごい!」といみじくも言ったように、男たちだけのツラ、面、顔、貌…がひしめき、睨みを効かし、断末魔に歪み、ついには悟りにも似た境地に達する…? 日韓のフィクサー、張会長を演じる金田時男は、本職は実業家で、役者ではないが存在感がハンパない。ルックスも菅官房長官にソックリでいかにも“黒幕”っぽい。

複数回観て、映画専門誌で西田敏行、塩見三省両氏にインタビューもしたが、彼らが演じた義兄弟が“実質主役”と感じ、愛着ひとしおなのである。組織との軋轢、個人の悲哀、今回は思い入れができる(?)ヤクザ映画になって大団円。これもまたよし。


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