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市川猿之助の海賊団が再出航! スーパー歌舞伎II『ワンピース』開幕会見&ゲネプロレポート

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10月6日より新橋演舞場にて、「スーパー歌舞伎II『ワンピース』」が開幕した。初日前日の5日には、ルフィとハンコックの2役を早替わり演じ、さらに演出も手がける市川猿之助がマスコミの取材に応じた。その後に公開されたゲネプロ(通し稽古)の模様とあわせてレポートする。

「スーパー歌舞伎II『ワンピース』」の初演は、2015年。国民的少年マンガ『ワンピース』(作・尾田栄一郎)が初めて歌舞伎化されるとあり注目を集めた。開幕後は口コミが口コミを呼び、熱狂のうちに幕を下ろした。再演となる今回も、スーパー歌舞伎として上演されるのは原作コミックの51巻から61巻にあたる「頂上戦争編」だ。


新橋演舞場での2年ぶりの公演について、猿之助は「順調に仕上がっています」と自信の表情。

「初演というのは、何でもプラスのてんこ盛りです。今回は再演ということで、内容は前回よりも洗練しました。パワーアップしたところとして、背景にLEDを使いますので、アニメ感も増していると思います。再演といいましても、まったく新しいと言っていいくらいの新鮮さと驚きがあります。完成形に近づいているんじゃないかな。自分で観ても面白いです。すごくいい出来だと思います!」
チョッパー役は、市川右近(Wキャスト)
チョッパー役は、市川右近(Wキャスト)

主題歌はゆず『TETOTE』


本作の楽しみどころのひとつは、第2幕8場の『ファーファータイム』。ゆずが楽曲提供した主題歌「TETOTE」に合わせ、コンサートのように盛り上がる時間だ。そのシーンで手拍子の代わりに使える「スーパータンバリン」が、今回より会場限定で販売される。ジングルの部分は、黒・柿・萌葱と定式幕の配色だ。

「ゆずのコンサートでタンバリンをつかっているのをみて(やりたいなと思い)、許可をとってパクらしてもらいました(笑)。原作者の尾田栄一郎先生には、イラストと文字を入れていただきました。本来、古典歌舞伎で手拍子が起こるのは好ましくないことなのですが、『ワンピース』は“スーパー歌舞伎”ということで(笑)」


本作では、坂東巳之助中村隼人尾上右近、坂東新悟をはじめとした多くの若手の俳優が主要な役どころを務めている。上演期間中には、キャストを入れ替え「麦わらの冒険」と題した特別バージョンのマチネ公演もある。本編で猿之助が演じるルフィとハンコックの2役を尾上右近が演じ、猿之助は初演時にも演じていたシャンクスを再び演じる。

「巳っくん(巳之助)や隼人くん(隼人)には敵いませんが、僕も原作の『ワンピース』には相当詳しくなりました。20周年と感じさせない瑞々しさのある作品です。スーパー歌舞伎『ワンピース』でも、瑞々しい若手の花形役者ががんばりますのでそこも見ていただきたい」

猿之助は、共演する若手へのエールをこめた言葉で締めくくり会見の場を後にした。


※以下、ネタバレを含みます。

デジタル×アナログの舞台演出


LEDとなった舞台背景に、幼いころのルフィとエースのシルエット。シャンクスのシルエット。オーケストラ風にアレンジされた主題歌と、中村七之助のナレーション(声のみの出演)で物語が始まった。漫画やアニメだからこそと思われた登場人物たちの技を、多様な演出で表現する。




地震のシーンでは、新橋演舞場が本当に揺れていると錯覚するような映像演出があり、マグマのシーンでは場内が赤く染まる。デジタルとアナログの使い分けで、ワンピースの世界を作っていく。


個性派キャラたちを見事に再現!



原作を知っていればその再現性の高さに驚き、原作を知らなくとも個性派キャラ達に魅了されるだろう。麦わらのルフィと「むぎちゃん」「ぼんちゃん」と呼びあう、奇抜な出で立ちのボン・クレー(巳之助)は、台詞回しから振る舞いまでボン・クレーそのもの。笑いを誘うキャラクターだが、死をも覚悟した渾身の六方には心を動かされた。


出演者は歌舞伎俳優ばかりではない。ベテラン俳優の浅野和之は、おかまの革命軍の大幹部イワンコフ役と元帥センゴク役を2役つとめる。イワンコフ役では、パリのキャバレーを思わせるダンスシーンを網タイツで熱演。登場のたびに会場の笑いをさらった。エースとシャンクスの2役を演じる平岳大は、原作でも人気のキャラクターを熱く演じた。


本領発揮の歌舞伎要素



本作には歌舞伎でお馴染みの演出が多用されている。猿之助がルフィとハンコックの役を十秒そこそこで入れ替わり、2役をこなすのは「早替わり」と呼ばれる演出だ。無邪気なルフィと麗しのハンコックを、衣装だけでなくキャラクターも行き来する。入れ替わるたびに大きな拍手が沸いた。




「本水」のシーンでは、10トンの水が流れる中、ボン・クレーと革命戦士イナズマ(隼人。サンジと2役)が客席にまで届くほどの水しぶきを上げながら死闘を繰り広げる。ロック調にアレンジされた「TETOTE」とさらにツケ打ちが違和感なく溶け込み盛り上げる。


立ち廻りや、見得の美しさはさすが。ストレートプレイで口にしたら野暮ったくなるような原作の台詞も、歌舞伎の台詞回しになることで有無を言わさぬ説得力が生まれていた。市川右團次が演じる白ひげは、世界最強の海賊団の船長だ。原作の白ひげは、(普通の人間という設定でありながら)身長が4~5mはあろうかという巨漢だ。右團次は、佇まいや声、殺陣でみせる気迫により、その存在の大きさを体現した。


ファーファーファー!


「ファー(far)、ファー(far)」は主題歌の一節。この日はゲネプロということで、一部の席を関係者が埋めるのみだったにも関わらず「ファーファータイム」はライブ会場のようにスタンディングで盛り上がった。主題歌の「TETOTE」が流れ、キャストがステージや花道、客席通路にも登場。「立っていいのよ?歌っていいのよ?」と(男声で)巻き込んでくれる。猿之助は、通常の歌舞伎とは異なるルートで宙乗りを披露。記者席でも、幕間に入るなり「すごかったですね!」「こんな一体感があるのですね!」と話題になった。初日の幕が開き、客席いっぱいのお客さんがいる中でのファーファータイムを想像すると、鳥肌が立つ。


海賊・ルフィが仲間と宝探しの冒険をする物語。しかしそこに描かれているのは、親子の絆、仲間との絆だ。猿翁が旗揚げした「スーパー歌舞伎」を受け継ぎ、新たな挑戦を重ね、仲間の力を信じ若手俳優を大きな役に抜擢する。そんな当代猿之助の姿勢に、どこかワンピースの世界観を感じてしまう。


全3部構成(休憩2回)だが、休憩時間もお楽しみが用意されている。原作の魅力を再確認し、歌舞伎の懐の深さを再確認するスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』は、11月25日(土)まで新橋演舞場にて上演。


取材・文・撮影=塚田史香
公演情報 スーパー歌舞伎II『ワンピース』
■日程:2017年10月6日(金)~11月25日(土)
■会場:新橋演舞場
■原作:尾田栄一郎
■脚本・演出:横内謙介
■演出:市川猿之助
■スーパーバイザー:市川猿翁
■出演:
・通常公演=ルフィ・ハンコック:市川猿之助/白ひげ:市川右團次/シャンクス:平岳大/サディちゃん・マルコ:尾上右近 ほか
・特別マチネ「麦わらの挑戦」=ルフィ・ハンコック:尾上右近/シャンクス:市川猿之助/サディちゃん:坂東新悟/マルコ:中村隼人 ほか
■公式サイト:http://www.onepiece-kabuki.com/

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