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榎木淳弥の落語の評判は“サイコパス”!? 「声優落語天狗連 第十二回」

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2017年9月24日(日)、東京・浅草の東洋館にて「声優落語天狗連 第十二回」が開催されました。

声優落語天狗連は、テレビアニメ「昭和元禄落語心中」とのコラボレーションからはじまったもので、アニメファン、声優ファンに落語を愉しんでもらおうと、ニッポン放送アナウンサー 吉田尚記さんと、お笑い芸人であり国語学者のサンキュータツオさんが発起人となってはじまったイベントです。

アニメ放送終了後も、イベントは回を重ね今回で12回目。複数回足を運んでいる熱心なファンの方も多く、落語熱の確かな高まりを感じさせます。

イベントがはじまりMCとして登壇したのは発起人の2人、吉田さんとサンキュータツオさん。吉田さんは慶應、サンキュータツオさんは早稲田と違う大学でしたが、それぞれ落語研究会に所属しており、「アニメも好きで落語も好き」という希有な趣味をもった同志と意気投合。それから時を経て「昭和元禄落語心中」をきっかけに、このようなイベントが開けるとは……と、2人とも満席の客席に感慨深げな様子でした。

その2人の想いからなる声優落語天狗連の高座に上がるのは、榎木淳弥さんと柳亭小痴楽さんという同い年の2人。榎木さんは、今秋からスタートするアニメ「アイドルマスター SideM」舞田類役や「活撃 刀剣乱舞」堀川国広役をはじめ、数多くの作品に出演、活躍している声優です。

そして、柳亭小痴楽さんは現在二つ目で、あと数年で真打ち確実では?といわれている人気・実力共に抜群の若手落語家。16歳で落語家を志したという小痴楽さんのお父さんは、5代目柳亭痴楽師匠。残念ながら小痴楽さんが二つ目に昇進される直前に長逝されてしましたが、軽快なテンポと気っ風の良い口調で人気を博した名人です。

そんな小痴楽さんをサンキュータツオさんは「人が物事を最も吸収できるのは20代までで、16歳で入門した小痴楽さんは落語を自然に体に入れて覚えていった。そういう意味ではフェアリーな存在」と紹介。小さいころに立川談志師匠の落語をつまらないと言った小痴楽さんを痴楽師匠がバットで殴って血だらけにしたという、なんとも物騒なエピソードを交えつつ、落語家ならではの親子関係、血のつながりについて語っていきます。

父と子、祖父と孫がそろって名人というのは落語の世界では珍しくないそうで、一番有名なのは落語中興の祖といわれている三遊亭圓朝師匠と、その父、初代橘屋圓太郎師匠の親子。そして昭和の大名人 5代目古今亭志ん生師匠の息子さんは、10代目金原亭馬生師匠と3代目古今亭志ん朝師匠。その他にも現在真打ち昇進披露している5代目桂三木助師匠は、祖父が3代目、叔父が4代目という落語家の家系。さらに上方で活躍されている3代目 桂春蝶師匠の父は2代目桂春蝶で、春蝶師匠はお父さんが亡くなってから偉大さを知り、落語家を志したそうです。

このように、同じ道を志した子が、過去の父(祖父)の噺を聞き、対話をしながら芸を磨いていく姿を見ることができるのも落語の魅力。そして、今まさに乗り越える壁を感じながら落語に挑んでいのが柳亭小痴楽さんで、彼の落語に期待してほしいとサンキュータツオは語りました。

ディープな落語トークの後は、いよいよ榎木淳弥さんが登場する「声優落語チャレンジ」。吉田さんは「あの時代劇顔の榎木くんに和服を着せて落語をやらせたくて仕方がなかった」とオファーした理由を説明しつつ、「でも、稽古中に漏れ聞こえてくるスタッフからの評判が“サイコパス”なんだよね」と、のっけから不安になる発言が飛び出す場面も……。それを証明するかのように、稽古の模様を収録したダイジェストムービーでは、セリフが出てこないのに焦る気配もない榎木さんの姿がありました。

そしてついに期待と不安が入り交じった雰囲気の中で榎木さんの声優落語チャレンジがスタート!「どうも、サイコパスです!」と満面の笑みで挨拶して、場を一瞬にして沸かせます。

今回榎木さんが口演するのは、「強情灸」。すさまじく熱いと評判のお灸屋で灸を据えてきたという江戸っ子が友人にバカにされ、「だったらこれを見てみろ!」と、腕に山盛りのもぐさを盛り火を付けて……という、意地っ張りで見栄っ張りの江戸っ子気質を風刺した古典落語です。

出だしは比較的おとなしめでスタートした榎木さんの噺は、途中、お灸の先生が登場すると一変。意表をつく先生のキャラクターに客席はあっけにとられ、そこから榎木さんは一気にエンジン全開。それまで抑えに抑えていた鬱憤を晴らすかのように、噺を広げていきます。声優 榎木淳弥とはまったく違う姿に客席はあっけにとられ、そして大いに笑った口演となりました。

噺が終わり、まるでお灸を据えたかのように汗びっしょりの榎木さん。「口演中に足が吊りそうになって大変でした(笑)。お客さんが温かかったので、とてもやりやすかったです。ありがとうございました」とホッとした様子。

初めて榎木さんのパフォーマンスを見たというサンキュータツオさんは、「春風亭昇々さんに似ている(笑)」とコメントし、吉田さんは「先生が出てきてからの生き生きっぷりがヤバい。あの瞬間にやられました」と感想を語りました。

ここで稽古番を務めた立川志ら乃師匠もステージに登壇。弟子の熱演を見て、「この人は理屈で納得しないとやらないタイプだけど、(落語の)経験がないからどうなるかが想像できない。だから実際に目の前でやって理解させる稽古をつけた」と、稽古を振り返ります。そして「間違えた箇所がいくつかあったけど、飛ばしていいのにその都度戻って丁寧にやり直している。しかもミスしたと気づかせない。これは板の上に立つ者としての才能だ」と弟子の熱演をねぎらいました。

高座を終えての感想を求められると榎木さんは、「お芝居だと感情を優先しますが、落語ではテンポとリズムが大事で、感情を優先させない。そこが難しかったですね」とコメント。その榎木さんへ、客席からは大きな拍手が送られました。

「声優落語チャレンジ」に続いては、大トリを飾る柳亭小痴楽さんが高座へ。16歳で初高座に上がったという小痴楽さん。若い女性で埋まった客席をみて「浅草の寄席では見たことがない」と驚きつつ、浅草について、そして父 柳亭痴楽師匠との思い出を枕として語っていきます。

イベント冒頭でサンキュータツオさんが小痴楽さんは父親にバットで殴られて血まみれになったことがあると語っていましたが、あれはまだ優しい方で、「虐待のニュースを見るたびに、あれ、やられていたなー」と語っている小痴楽さんに、内容はびっくりするくらい痛々しいのになぜか笑ってしまうのは、小痴楽さんのもつ軽快なテンポと語り口によるものなのでしょう。客席は小痴楽さんの話にぐんぐんと引き込まれていきます。

そんな小痴楽さんが聴かせてくれたのは「干物箱」。女遊びにハマって吉原に行きたくてしかたがない若旦那の銀之助は、父親の厳しい目をくらますために、声真似が得意なお調子者の善公を代役に立てたけど……という古典落語です。とにかく調子がいい善公の描写はインパクト絶大で、なんでもないやりとりですら笑い声が客席から沸き起こります。“これこそ滑稽話!”と言わずにはいられない見事な口演が終わると、場内は割れんばかりの拍手に包まれました。

落語の魅力が詰まった素敵なイベントも、残念ながら終了の時間。次回開催は11月に開催されるとのこと。アニメとのコラボからはじまり、着実に落語ファンの裾野を広げてきた「声優落語天狗連」。その裾野はまだまだ広がっていきそうです。

https://webnewtype.com/report/article/123871/

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