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リリー・フランキーと清野菜名が身障者と風俗嬢の愛を描く異色映画

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映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『パーフェクト・レボリューション』
配給/東北新社 9月29日よりTOHOシネマズ新宿ほかにて全国公開
監督/松本准平
出演/リリー・フランキー、清野菜名、小池栄子、余貴美子ほか

重度の身障者で手足が不自由な男性と人格障害の風俗嬢の恋と現実を描いた異色作で、原作の熊篠慶彦氏は障害者の性を解放する運動を主宰し、自身も障害者。要するに、身障者でも恋もするし、性欲もあるんだから普通に見てくれ、という至極真っ当なアピールをしているわけだ。

これまで映画は身障者テーマだというと、ことさら美化したり、腫れ物に触るように描いてきた。マトモに身障者の性を取り上げた映画というと、身障者専門の出張デリヘルというフーゾク(実際にある)を描いた『暗闇から手をのばせ』(2013年)ぐらいしかないのではないか。傑作だったこの映画と匹敵するほど、身障者の性を真正面から受け止めているのが、今回の新作だ。

「完全な者同士が幸せになれたら」
熊篠氏とおぼしき主人公のクマを演じたリリー・フランキーは、夕刊紙のこの映画のインタビューに答え《そもそも障害者を、チ○ポも勃たないし、性欲もない聖人化してしまうのは健常者の傲慢、なんて言っていたら、いいタイミングで乙武クンが不倫してくれて》とリリー節炸裂で、言い得て妙であった。

何しろ、車椅子生活の熊篠氏は「夢は立ちバックです」とジョークを交えて講演するほどおちゃめな人で、劇中にもこのセリフが出てくる。そんなクマさんの講演を聞いて勇気づけられた髪が真っピンクの風俗嬢で、人格障害を抱える美少女ミツ(今年の話題作『暗黒女子』にも共同主演的に出ていた清野菜名が好演)はクマさんに猛烈アプローチ。こうして、彼女の言う「あなたとわたしみたいな不完全な者同士が幸せになれたら、それってすごいことでしょ」を現実に成し遂げようとするあたりが感動的なのだ。もちろん、齟齬もケンカも生じるが、それでもイケイケ、怖いものナシのふたり。セックス・シーンもちゃんとあるし、終盤はファンタジーか? と見まがうほど。

個人的にはご贔屓の小池栄子が素晴らしい。ふたりを応援する介護女性の役で『本が面白かったから』と出演を決めたとか、いいセンスしているよね。惚れ直した。清野嬢の破天荒さが作品をけん引しているのは確かだが、栄子ネエさんも作品をナイス・フォローしている。リリーが(介護で)彼女に頭を洗ってもらうシーンなんかウラヤマしい、と思ったほど。“完璧な革命”とタイトルは大袈裟だが、“小さな革命”として一石を投じているのも確か。この映画に、あのふたりに幸あれ! と言いたい。


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