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BABYMETALの源流には「国会のハマーン・カーン、三原じゅん子議員」がいた!

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<文/山野車輪 連載第4回>

◆BABYMETAL、Aldious……女性ヴォーカルのヘヴィメタル「嬢メタル」の世界

“嬢メタル”というジャンルがある。女性ヴォーカルのヘヴィメタルを総称した言葉だ。嬢メタルは2010年頃から話題となったが、女性ヴォーカルのヘヴィメタルは黎明期からすでに存在していた。

ヘヴィメタルが熱かった1980年代、女性ヴォーカルのヘヴィメタルは、色眼鏡で見られがちな奇異な存在で、メタラーからは忌諱される傾向があった。ヘヴィメタルの世界には、“男尊女卑”の風潮が横たわっていたことは、第1回「今や世界が熱狂する『ジャパニーズ・メタル』 長らく押し込められた暗黒の時代を振り返る」で述べたとおりだ。ブームが終わる頃には、そのほとんどが歴史の中に消えて行ってしまった。もちろん、生き残ったアーティストもいるのだが。

現在は、普通に女性ヘヴィメタル・アーティストが存在している。その筆頭はBABYMETALで、彼女らのパフォーマンスは世界中で受け入れられている。ほかにAldious、Mary’s Blood、Cyntia、BAND-MAID、BRIDEARなど、女性メンバーで構成されたガールズ・メタル・バンドも好調に活動しているし、女性ヴォーカルをフロントに立てたバンド、そして女性ソロ・シンガーも数多い。その一部は、海外でもライヴを行なっている。

◆嬢メタルの元祖、カルメン・マキ

嬢メタルの元祖は誰か? デビューから30周年を迎え、いまだ精力的に活動を続ける浜田麻里か? いや浜田よりもちょっとだけデビューが早かった本城未沙子か?

答えはそのどちらでもない。カルメン・マキである。彼女は、寺山修司主宰の劇団「天井桟敷」での初舞台をきっかけにスカウトの目に止まり、寺山修司が歌詞を書いた「時には母のない子のように」で歌手デビュー。後にロック歌手に転向し、いくつかのバンドを経たのち結成された「カルメン・マキ&5X」での活動が、嬢メタルの起点となる。1982年2月発表の1stアルバム『HUMAN TARGET』が、日本における女性ヴォーカル・ヘヴィメタルの最初のアルバムとなる。

洋楽ヘヴィメタルのカヴァー曲という形でなら、カルメン・マキ&5Xよりも先にヘヴィメタルのレコードをリリースした例はあった。1979年にリリースされた五十嵐夕紀のシングル「バイバイ・ボーイ」だ。オリジナルは、米国ヘヴィメタル・バンドRIOTの1stアルバム『Rock City』収録の「WARRIOR」(邦題「幻の叫び」)である。

◆イニシャルもHR、HMの女性ヴォーカリストたち

1982年10月には、本城未沙子がLOUDNESSの高崎プロデュース、そしてメンバーの演奏による1stアルバム『魔女伝説~Messiah’s Blessing』にてデビュー、翌83年4月に浜田麻里がLOUDNESSのリーダー樋口プロデュースの1stアルバム『Lunatic Doll~暗殺警告』にてデビューしている。

同じ年の83年9月には早瀬ルミナが1stアルバム『甘い暴力 VIOLENCE CAT ACT1』でデビューした。「ギャング・エイジが生んだカルチャー・パニック・アイドル! 15才のハードロック少女登場!!」というキャッチ・コピーから、アイドルとハードロックの融合が見てとれる。彼女は「アイドル・メタル」「KAWAIIメタル」の始祖的存在であると言えよう。

1984年10月には、浜田麻里に匹敵する歌唱力を持つ杉本誘里が、1stアルバム『ダイナマイト』で再デビューし、同年12月には橋本ミユキが1stアルバム『ワンナイト・エンジェル』でデビュー、そして翌1985年2月に早川めぐみが1stアルバム『秘密警察』を発表した。

本城三沙子と浜田麻里のイニシャルがHM(ヘヴィメタル)だったことからか、橋本ミユキと早川めぐみのイニシャルもHMとなっている。早瀬ルミナはHR(ハードロック)のイニシャルを持つ(名前のイニシャルをMとせず、Rであるのは、おそらく本名だからだと思われる)。

◆歌謡・メタル・エンジェル 早川めぐみ

早川めぐみのアルバム『秘密警察』は、オリコンLPチャートで初登場50位という、ジャパメタとしては空前のヒット作となった。彼女には「歌謡・メタル・エンジェル めぐちゃん」というキャッチ・コピーがつけられており、ここから“歌謡メタル”という音楽性が見てとれる。驚くべきことに彼女はこの年(1985年)だけで合計5枚ものアルバム・ミニアルバムをリリースしている。恐るべし、“歌謡・メタル・エンジェル”早川めぐみ。

歌謡メタルとして楽曲の質を評価すれば、早川のアルバムの楽曲は、他の女性メタル・シンガーのそれと比べて極めて高いと言えるだろう。歌謡メタルは、彼女の登場で完成したと筆者は考えている。

歌謡クサさ、いわゆるクサメタルの代表バンドがX JAPANであることは論を俟たないが、早川めぐみに与えられた楽曲は、X JAPANの代表曲「紅」「Silent Jealousy」を凌駕するクサさだ。クサメタラーには、そのあまりのクサさ、ベタさに、悶絶していただきたい。逆に、洋楽メタラーは耳を塞ぎたくなるだろう。

◆国会のハマーン・カーン、三原じゅん子議員もジャパメタだった!

現在、国会議員を務めている三原じゅん子も、1985年10月、JUNKO名義でアルバム『SO DEEP』を発表している。歌謡ロックから、ヘヴィメタルへの進出である。楽曲提供に、LOUDNESS、Earthshaker、44MAGNUM、そして後の筋肉少女帯の橘高文彦などが名を連ね、さらにギターを弾いているのは、後のB’zの松本孝弘である。

余談だが、民主党政権当時、2013年12月5日の参議院本会議にて強烈な民主党批判を盛り込んだ彼女の演説は、『機動戦士Zガンダム』登場キャラクターのハマーン・カーンのようだと話題になった。何しろ、「民主党のみなさん、恥を知りなさい!」である。まるでハマーンの口調ではないか。

ところで、『Zガンダム』にハマーン・カーンが初登場したのは10月12日放送の第32話「謎のモビルスーツ」からであるが、このアルバム『SO DEEP』リリース日は10月21日である。何と僅か9日の差でしかない。筆者はこのアルバムを、ハマーン・カーンのキャラクター・ソング・アルバムとして愛聴している。実際、三原じゅん子の歌唱は、担当声優の榊原良子以上にハマーン・カーンだった……(このように断言できるのは、ハマーンとキャラがモロ被りのOVA『バブルガムクライシス』登場キャラクターのシリア・スティングレイとしてのキャラ・ソングを聴いているから)。

そして冬に、当時悪役女子プロレスラーとして人気だったダンプ松本のミニアルバム『俗悪』がリリースされた。ただし同作にはヘヴィメタル以外の楽曲も収録されており、ヘヴィメタルの楽曲は44MAGNUMが作曲、ほか坂本龍一やムーンライダーズの白井良明など、楽曲提供者が豪華だった。

またこの年の8月、5人組ガールズ・メタル・バンドのSHOW-YAが、1stシングル「素敵にダンシング (Coke Is It)」でデビューしている。さらには、後にSHOW-YAのヴォーカルを務めることになるステファニーが、7月に2ndアルバム『HIDEAWAY』を発表、ステファニーは『うる星やつら』『トライアングルブルー』など、タイアップ曲に恵まれた。

80年代のジャパメタ・シーンには、魔女卵やFLYING VISION、RAJAS、JET MAYBEE、THE DATURA、Terra Rosaなどガールズ・バンド、女性ヴォーカル・バンドは多く見られ、メタラーにも支持された。こちらについては、また改めて、紹介したい。

【山野車輪(やまの・しゃりん)】

昭和46(1971)年生まれ。平成17(2005)年『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)を出版し日韓関係のゆがみを鋭く指摘。『ニューヨーク・タイムス』、『タイムズ』など海外の新聞メディアでも紹介される。同シリーズは累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても2ちゃんねるや一部メタラーの間で有名。


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