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東山紀之が報道番組キャスター就任前に反差別、反戦の姿勢を改めて表明! 「炎上しても気にしない」発言も

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 来月1日より、東山紀之が初めて報道番組のキャスターを務める『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)が放送を開始する。

報道番組が政権に批判的な姿勢をとると、「中立」のお題目のもと「炎上」が繰り返され、その一方『ワイドナショー』(フジテレビ)のような露骨な政権ヨイショ番組は賞讃される。ご存知の通り、現在の報道番組をめぐる状況は暗澹たるものになっているわけだが、そのなかで東山はどのような報道番組をつくっていくのだろうか?

そんな新たな挑戦に向けて、東山は「AERA」(朝日新聞出版)2017年9月18日号でインタビューに応えているのだが、キャスターを務めるにあたっての意気込みをこのように語っている。

「僕の場合は、自分の中にマグマみたいなものがたまっているので、それを思い切り出していきたい。幸いスタッフも、どんどんぶつけてほしいと言ってくださっている。自分なりの「型破り」で挑むつもりです」

東山が言う「マグマみたいなもの」とはいったいなんなのか。おそらくそのひとつは、現在の日本社会に横行する、差別やヘイトに対する怒りではないだろうか。

東山が差別問題について非常に真っ当で、高い意識をもっていることは、10年に出版した自伝エッセイ集『カワサキ・キッド』(朝日新聞出版)からも明らかだ。

同書では、神奈川県川崎市で育った極貧の少年時代や、祖父がロシア人という出自など、それまで明かされなかった数々の秘話を告白しているが、そのなかに、母親と妹とともに3人で移り住んだ川崎・桜本での在日コリアン一家の交流のエピソードが登場する。

〈僕たちの住む地域には在日韓国・朝鮮人の人々が多く暮らしていた。うちのアパートもそんなコリアン・タウンの一角にあった。
 近所には、日本名を名乗り、焼き肉屋を営む朝鮮人母子が暮らしており、僕より二つ上のおにいちゃんがいた〉
〈僕と妹が毎日、お宅にあがり込むと、おばちゃんはいつも店の豚足を食べさせてくれる。僕たちはそれにかぶりついた。貧しくてお腹をすかせていた僕たちは、あのころ、あの方々がいなかったら、どうなっていただろうと思う〉

●東山紀之が「差別」に違和感をもった少年時代の思い出

こうした体験を通じて、東山は小学校時代から差別へ違和感をもち、虐げられている人たちに思いをはせるようになっていった。東山は『カワサキ・キッド』のなかでこう振り返っている。

〈あのころ、桜本の在日の人々のほとんどが、本名を名乗れない状況にあった。地元の小中学校の近くに朝鮮学校があったが、日本人の子どもの間では、『朝校の生徒に会ったら鼻に割り箸を突っ込まれるから気をつけろ』などというデマが流れていたりした。僕は『そんなことないのに!』ともどかしくてならなかった〉
〈(家族ぐるみのつきあいだった)僕より二つ年上のシュウちゃんは地元の公立学校ではなく、朝鮮学校に行っていた。学校は別々だったし、僕は小学二年の終わりに桜本を離れたけれど、中学になるまでときどき遊びに来ていた。中学生になってからは会っていない。
 当時シュウちゃん一家は日本名を名乗っていた。差別のため本名は名乗れない時代だった〉

東山は『カワサキ・キッド』で、たんに個人的な思い出話としてこうしたエピソードを書いた訳ではなく、具体的な差別批判にも踏み込んでいた。東山は、朝鮮学校無償化見直し問題にも言及している。

〈最近は韓流ブームが起こり、韓国には日本人観光客が何十万人も行く時代になった。一方、高等学校の無償化から朝鮮学校だけが外されたというニュースが入ってきて、いまも変わらない日本の社会の器の小ささも感じる〉

そのあとも、東山はまったくぶれていない。『カワサキ・キッド』は、本サイトが14年11月に取り上げたことがきっかけで、単行本発売から5年の時を経て15年に文庫化される。単行本が出された10年当時とは異なり、文庫化された15年には嫌韓デモが盛んに行われるようになるなど嫌韓や在日差別の空気がさらに強くなっており、芸能人も韓国やK-POPが好きと発言しただけで「在日」「反日」などと攻撃され炎上するようになっていた。そうした空気を怖れ多くの芸能人が口をつぐむようになるなか、それでも東山は、在日問題について語った同書をなかったことにせず、あらためて文庫として世に問い直した。

そしていまも、東山は"反差別"の姿勢を貫いている。東山は前掲「AERA」のなかでも、「解剖学の養老孟司先生や法医学の上野正彦先生の本を読むと、人間って、ちょっとメスを入れると誰もがまったく同じだとわかるんです。違いは皮一枚。色だけで、あとはすべてが同じ。それを知ると、差別っていったい何だろうって思いますね」と疑問を提示した上で、こんな提案をしていた。

「差別をなくすには、やっぱり教育だと思う。子どもたちには人の痛みがわかるように育ってほしい。それができれば、教育はほとんど成功に等しい。僕らにできることはまず、近くにいる人と仲良くすること。国単位でも同じじゃないですか」

●東山紀之が訴える戦争の記憶をテレビで伝えることの重要性

ネトウヨに媚び、差別を助長するような番組ばかりが横行しているなかで、こうしたまっとうな人権感覚と弱者への思いをもつ東山のような人物が情報番組のキャスターに就任することは、大きな意味がある。

しかも、東山はこの『サンデーLIVE!!』になかでもうひとつ、他の番組がさわろうとしない重要なテーマに踏み込んでくれるかもしれない。それは「戦争の記憶」だ。「AERA」インタビューで現在のメディアにおける戦争の扱い方に関してこう問題点を指摘している。

「いま、戦争を知る人がどんどん少なくなっている。テレビはその記憶を伝えるのに有効ではないか。僕が子どものころは戦争を体験した大人たちが大勢いて、水爆実験やベトナム戦争が起こると、「ゴジラ」「ウルトラセブン」といった子ども向け番組にもその「影」が織り込まれた。漠然とではあったけれど、子どもにもそのメッセージは伝わってきました。過去を知りつつ未来をつくっていく。それが一番大事なことだと思うんです」

本稿冒頭で記した通り、現在の報道をめぐる状況は、逼迫している。政権に対して批判的なことや戦争に反対するような論調を少しでも口にしただけで、安倍応援団やネトウヨから組織的な攻撃を受け、番組を降板させられたり、あるいは番組終了に追い込まれることもありうる。最近も、宇野常寛氏がアパホテルを始めとした歴史修正主義者の批判を行ったことが原因で『スッキリ!!』(日本テレビ)を9月いっぱいで降板することになった。

しかし、東山はそんな昨今の状況に萎縮する気などないようだ。やはり「AERA」のインタビューでこのように語っている。

「ネットで炎上したり、匿名で批判されたりしても気にしません。もともと、のんきなタチなので。番組が始まるのは、ちょうど51歳になったタイミング。少し前なら、初老のオジサンといわれる年齢です。いまさら怖いものもない。何事も「ま、いいか」の精神でやっていこうかと。「中立」の立場を求められてはいるけれど、そもそも「このニュースを伝えよう」と選択した段階で「中立」といえるのか。純粋な中立はないのではないかと僕は思っています」

東山には、人権意識や弱者へ配慮といった優しさだけではなく、圧力に屈しない強さもある。権力の圧力やグロテスクな差別に屈しないニュース番組を届けてくれることを是非期待したい。
(編集部)

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