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【島田洋七“がばい”独占手記/第1回】「消えた」と言われて……講演会年200本!

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 弟弟子の島田紳助がいなくなってから、若手のお笑いが司会をやってるけど、うまくないね。紳助がネタを練りに練り上げて、相手に放り投げて笑いを取ろうとしたのに、若手は相手が失敗したのを突っ込むだけ。ネタを増やそうとしない。だから、飽きられる。

紳助が辞めて、若手よりさんまの番組の方が視聴率がいいでしょ。若手より、さんまの方が相当おもろいもん。

わいも、もう一度、司会やトークショーをやって笑わしたいと、5年前の8月から“美女軍団”の「オスカープロモーション」に移籍したんです。お笑いの連中の間では「どうやって、オスカーにもぐり込んだんだ」って。米倉涼子や上戸彩、美女のモデルが6,000人以上いる。そりゃ話題にもなりますよ。わいはこれまで、吉本興業しか知らんしね。辞めて4年。東京のお笑いのプロに移ったとしても、何も変わらん。お笑いじゃないところの方が、新鮮なネタができる。新しい学校に転校したみたいでドキドキしてますわ。自分でビックリするような変化。普通、わいみたいな人生ないんとちゃいますか。

親友の北野武(ビートたけし)が『佐賀のがばいばあちゃん』(徳間文庫)が売れた時に、「洋七、上がって、落ちて、上がって、落ちて、3回目はベストセラー作家かよ。オイラも本を出しているけど、こんなに売れない。600万部だろ、想像がつかないよ」と言ってましたよ。

初めは自費出版ですよ。それが徳間書店に持ち込んだら、単行本として出版してくれた。売れただけでもすごいと思ったのに、『がばいばあちゃん』シリーズは600万部以上売れた。それだけじゃない。レコードも出て、テレビドラマ化。我が人生が映画化、それに舞台化もされたんです。こんなことってない。

ところが、吉本を辞めてから1~2年テレビに出んかったら、アカン、消えたといわれる世界。テレビ出演の話もあったんですが、立ち消えのケースが多かった。

5年前までは、講演会ばかりやっていたんです。多い時で年間200本。講演会の依頼は日本一でしたよ。この間、原発の被災地の福島県に講演に行ったんです。その日で4,311カ所目だと言ったら、お客さんは驚いてましたよ。講演回数はダントツの日本一ですからね。 吉本興業を辞めてから約10年、テレビにはほとんど出ませんでしたが、講演会の依頼は多い時は200本。銀行や保険会社、いろんな企業からありますよ。テーマは「がばいばあちゃんと今のボク」とか「楽しい老後の過ごし方」「人生楽しく生きるのは当たり前」とかね。震災で福島が3回、岩手も。この間は福島のある団体の婦人部から「とにかく、笑かしてくれ」という依頼があって行ってきました。

オール女性というのはいい。ちょっとくたびれているけど、女性ばかりだと笑いの反応が違う。これが男ばかりだとなかなか笑わないんで苦労する。男は何で暗いのかね。特に50、60、70歳。何か面白いことを言っても「へへへ」。笑ったら損やと思っとんのやろね。以前、男ばかり1,300人の前でやったことがあった、どこの会社とは言わないけど、ある大きな建設会社。暗い。

その点、女性は明るい。婦人部の講演会で一番受けたのは「『ひとつになろう日本』というなら、日本の人口の1億2,000万人が福島に行ってみんなで深呼吸しよう」と。「そうなれば放射能が薄くなる」と言ったら、爆笑してましたね。

あと、福島に旅行に行って帰りにみんなが瓦礫を5キロずつ背負って帰るとか。みんなが背負って帰ったらなくなりますよと言ったら、拍手喝采でしたよ。それを自治体が「瓦礫はいらん」とか「受け入れられない」とか、意味がわからんですよ。瓦礫、瓦礫といってますが、普通の瓦礫と違うんですよ。いろんな人が犠牲になった、魂が入った瓦礫なんですよ。本当なら全国の市町村が「うちがやる」と言わな。ワイドショーを見ていたら、35、36歳くらいの赤ちゃんを連れた主婦が「赤ちゃんに何かあったらどうするんですか」って。おまえの顔がどうするんですか、アホかと思いましたよ。

私は広島出身だからわかります。広島は原爆を落とされたんです。その5年後に私は生まれた。元気ですよ。起きたことは仕方がないけど、やっていることがワケわからん。一番腹が立ったのは、家に帰ってはダメな区域がありますよね。そこに泥棒が入るって最低ですよ。ああいう区域に泥棒に入ったら、普通の罪の10倍と国が言ったらよかった。

そういう決断が遅すぎますよ。

福島に3回、講演に行って感じたことは、何万人もの方が犠牲になられてわかったことが、いっぱいあったということです。とにかく、ずさんな管理をやっている。国会議員の頭の悪さがものすごくわかりましたよ。

私は大企業の講演にも行くんです。生保とか自動車メーカー。大きな企業の研究室に行ったら東大、早稲田と高学歴の人ばかり。その人たちがはっきり言ってましたよ。頭のいい人は国会議員にならんと。頭のいい人は大きな会社の研究室で何十年も働けるところに行くと。だから、国会議員はアホばかりと言ってました。

菅直人元総理、辞めてからすぐに四国に行かんで、なんで福島に行かないのか。鳩山由紀夫元総理も、福島に行かないで、何でイランに行くの? イランに行っていらんと言われた。なんの成果もない。飛行機で行って帰ってくるだけで、何百万の金がかかっている。よう、わからんですわ。

電力会社もそうですわ。何万人もの犠牲者を出して、なんでボーナス5回分先に取らないかんの。そんなアホな話、どこにある。ボーナスなんて儲かってからでしょ。それをボーナスのお金を入れて電気代値上げするんですよ。

福島に講演に行った時に乗ったタクシーの運転手が「福島県民は非常に我慢強いから、何も言わないけど、胸の中ではいろいろ思っているだろう」って。私も頑張りますと言ったら、洋七さんは余計なことを考えないで、笑かしてくださいと言われましたけど、でも、そういう話は避けて通れないですよ。(続く/企画・構成=本多圭)

●しまだ・ようしち1950年、広島県生まれ。本名・徳永昭広。広陵高校出身。1975年に島田洋八と漫才コンビ「B&B」を結成し、ツービート、紳助・竜介とともに「漫才ブーム」を牽引した。

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