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陸上、金字塔と化した日本記録【二宮清純のスポーツコラム】

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男子100メートルはオリンピックの華である。日本人で決勝の舞台に立ったのは、後にも先にも1932年ロサンゼルス大会の吉岡隆徳ひとりだけ。さる9月9日、福井で行なわれた日本学生対校選手権で桐生祥秀(東洋大)が9秒98を叩き出したことにより、3年後の東京大会でのファイナル進出が見えてきた。

■9秒台を出した桐生祥秀に、東京五輪ファイナリストの期待 12年ロンドン大会、16年リオ大会ともに準決勝で9秒台をマークした選手はいずれもファイナリストになっている。桐生もそこに照準を合わせることになる。1998年12月13日。バンコク・アジア大会で伊東浩司が「10秒00」の日本記録をマークした時には「日本人が10秒台の壁を破るのは時間の問題」と言われた。しかし、実際にはそれから19年もかかってしまった。

だが、そんなことで驚いていてはいけない。男子400メートルに至っては、高野進が1991年6月16日の日本選手権でマークした44秒78という記録が、26年経った今も破られていないのだ。短距離の中でも、400メートルは最も過酷な種目と言われている。以前、高野はこう話した。「最後の数メートルの苦しさと言ったら、絞り切った雑巾から、さらに一滴のしずくを絞り出すようなもの」 説明を聞いているだけで全身が痛くなってきたものだ。

■オリンピック準決勝後には、ついに血尿が… そして、こう続けた。「1回400を走り切ると血液を通して全身に乳酸が回るんです。乳酸とは疲労の根源です。バルセロナ五輪の準決勝の後には、ついに血尿が出ました。激しい運動で赤血球が壊れてしまったんだと思います」

それにしても、である。いくら高野が偉大だとはいえ、陸上のメジャー種目で日本記録が26年も塗り替えられないのは尋常ではない。桐生の9秒台突入により、サニブラウン・アブデル・ハキーム、山縣亮太、多田修平、ケンブリッジ飛鳥らも勢いづくだろう。併せて“ポスト高野”の出現にも期待したい。

二宮 清純(にのみや せいじゅん)

スポーツジャーナリスト。(株)スポーツコミュニケーションズ代表取締役。1960年、愛媛県生まれ。スポーツ紙や流通紙の記者を経てフリーのスポーツジャーナリストとして独立。オリンピック、サッカーW杯、メジャーリーグ、ボクシング世界戦など国内外で幅広い取材活動を展開中。「スポーツ名勝負物語」「勝者の思考法」「プロ野球“衝撃の昭和史”」「最強の広島カープ論」「広島カープ 最強のベストナイン」など著書多数。スポーツ情報サイト「SPORTS COMMUNICATIONS」:http://www.ninomiyasports.com/


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