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「プライベートでは饒舌なのに、仕事になると話せなくなる…」【シゴト悩み相談室】

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キャリアの構築過程においては体力的にもメンタル的にもタフな場面が多く、悩みや不安を一人で抱えてしまう人も多いようです。そんな若手ビジネスパーソンのお悩みを、人事歴20年、心理学にも明るい曽和利光さんが、温かくも厳しく受け止めます!

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曽和利光さん
株式会社人材研究所・代表取締役社長。1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャー等を経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。『「ネットワーク採用」とは何か』(労務行政)など著書多数。
CASE18:「プライベートでは饒舌で場を盛り上げる人気者なのに、仕事になると途端に話せなくなります」(24歳男性・広告代理店勤務)

<相談内容>
明るい性格で友達も多く、自分で言うのも何ですが学生時代は常にグループの中心にいる人気者でした。でも仕事になるとどうもうまく話せません。

新人時代に取引先の偉い方と飲む機会があり、いつもの調子で冗談を言いながら盛り上げていたのですが、その中で失礼な発言があったらしく、後日担当を外してほしいと言われてしまいました。

自分では原因がわからず、「何を言えば良くて、何を言ったら悪いのか」と不安になってしまい、それからというもの何か発言するときにも「こういうことを言っていいのか」と考えるようになってしまい、会話がスムーズに進みません。

プライベートでは相変わらずおしゃべりだし、職場のメンバーとのコミュニケーションは円滑にできるのですが…このままでは営業としてやっていけないのではないかと不安です。(広告代理店・営業職)

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「ハイコンテクストな集団」の中で、デキる気になっていただけではないか?

最近の若い人に多いケースですね。

もともと日本は、共通の知識や体験、価値観などといったコミュニケーション基盤の共有性が高い「ハイコンテクストな文化」であると言われています。明確に言葉にしなくても、互いに意図を測ったり、気持ちを察したりすることで、何となくコミュニケーションが取れてしまう。これは日本特有のものとも言われています。

加えて近年は少子化が進み、同じクラス、同じ学年の生徒数も減少傾向にあります。小学校から私立に進む子どもも増えていて、いわゆる近所の幼なじみ的な「地縁」も減りつつあります。つまり、個人を取り巻く「集団」が、より細分化される傾向にあるのです。

相談者は、「プライベートでは饒舌」「常にグループの中心にいる人気者」ということですが、ある程度セレクションされた同一性の高い集団の中で、その中でしか通用しない専門用語でコミュニケーションを取ってきただけなのではないでしょうか?にもかかわらず、「自分はコミュニケーション力がある」と過信した結果、世代が異なる人とうまく会話ができず(あなたはできていると思っていたかもしれませんが、相手はそうは思わず)、いつの間にか地雷を踏んでいたのかもしれません。

「饒舌で人気者」なのは、共通のバックボーンを持った仲間たちの中だからこそ。違うバックボーンを持つ人には、そのノリは伝わらないものです。まずはその事実を理解しましょう。
取引先世代が経験してきたカルチャーを学び、会話の糸口をつかもう

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お勧めしたいのは、取引先世代が経験してきた事象、カルチャーなど「バックボーンを知る」こと。それが会話の糸口になるからです。

相談者は24歳。取引先はおそらく、10歳以上年上の人たちばかりでしょう。怒らせてしまった「取引先の偉い人」は、20~30歳は上の世代と想像します。

その世代が今に至るまで、どういう出来事を経験してきたのか、勉強するのです。学生の時はどんな時代だったのか、何が流行し、どんなカルチャーの中で育ってきたのか、そして就職した後はどんなことを経験したのか…相手の「年表」を思い描きながら、調べてみましょう。

「そんなこと、仕事に何の意味があるのか?」と思う人もいるかもしれませんね。おっしゃる通りで、「仕事」という本質的な話においては年齢も社歴も関係ありません。仕事という同じテーマをもとに、フラットに会話をすればいい。ただ、それはある程度関係性を築き、相手の胸襟を開いてからのことです。

信頼関係を築く方法には、仕事で成果を挙げる、絶対に約束を守るなど、いくつかの方法がありますが、一番手っ取り早いのが「共通の話題を持つこと」です。しかし、まだ若い相談者と取引先とでは世代差があり、共通の話題が少ない。だから、非本質的なことを勉強するのです。

取引先世代が青春時代に観たであろう映画やトレンディドラマを見てみたり、夢中になっただろう音楽を聞いてみたり、経験したであろうバブル経済について調べてみれば、会話の糸口ができ、ぐっと距離が縮まるはず。取引先世代の方が多い居酒屋やスナック、バーなどに顔を出して、「おじさん慣れ」するのもいいかもしれませんね。彼らとの会話の中でさまざまなネタが得られそうです。

明治時代の政界リーダーだった大久保利通は、幕末の薩摩藩における事実上の最高権力者である島津久光に取り入るために、彼の趣味である囲碁を猛勉強したと言われています。また、最近若い起業家の中でゴルフをする人が増えていますが、「経済界の重鎮とコミュニケーションを取るために始めた」という声を多く聞きます。どの時代にも、どの世代にも、「信頼関係を築くためには非本質的な努力も惜しまない」という人が大勢います。ぜひ「非本質的だ」と切り捨てず、彼らを真似してみてはいかがでしょうか?
「じじいリテラシー」を磨けば、営業成績もついてくる

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共通の話題で気心が知れるようになり、相手の懐に入り込めればこちらのもの。多少失礼な言動があったとしても、笑って許してくれるようになるでしょう。

たまに見かけますよね。「え?目上の人にそんなことを言うなんて…」と周りはハラハラするけれど、相手はニコニコしているという、巷で言うところの“じじいリテラシー”が高い若者。彼らは何らかの共通項を武器に、目上の人とコミュニケーションが取れているのです。営業という仕事は、同世代よりも、自分よりかなり上の年齢層とやり取りする機会が圧倒的に多いもの。バックボーンを勉強することで、じじいリテラシーを上げれば、営業成績もついてくるはずです。

そもそも、相談者は「何を言えば良くて、何を言ったら悪いのか」と悩んでおられますが、「根本の問題を取り違えている」とも言えますね。「話す内容がいい、悪い」ではなく、多少変なことを言おうが許されるような、しっかりとした信頼関係を作ることを重視しましょう。

ちなみに、かく言う私も「若者のことを知る努力」を続けています。20歳も離れていると、世代間ギャップは大きいですね。先日、相談者と同じ社会人2年目の人たちと飲んだのですが、2000年問題やITバブル、ライブドアショックを知らないことに驚愕しました。ただ、「世代が違う!話が合わない!」で終わらせてしまっては、先がありません。最近は仕事で学生とコミュニケーションを取る機会も多いので、彼らに勧められるがままに、今彼らの中ではやっている音楽を聞いたり、マンガを読んだりしています。だいぶ会話も円滑に進むようになって来たかな…と私は思っているのですが(笑)。

<アドバイスまとめ>
「お山の大将」から脱して
自ら取引先世代を知りに行こう。
共通項を見つけられれば
会話がスムーズに進み、仕事が楽しくもなる

>>『シゴト悩み相談室』バックナンバー

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EDIT&WRITING:伊藤理子 PHOTO:平山諭


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