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松尾雄治「残りの人生は、ビートたけしさんへの恩返し」

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 うちでは、勉強ってしてはいけないものだったんですよ。嘘のような話なんだけど、本当なんですよ。うちの親父は、人の書いた本を読んで、自分が知ったふりをしているような奴が、一番、おかしいっていうんです。だから、林先生がうちにいたら、親父にシバかれていましたね(笑)。人が書いた本なんて、書き終わった瞬間に過去のものだって。そんなものをいっぱい読んだら、素晴らしい人間になるかっていったら、そんなの絶対に嘘だっていうんです。

だから、家に本当に本は一冊もなかった。親父の友達が家にくると、“嘘でもいいから、古本屋で本買って並べておけ”っていうくらいでしたからね。でも、親父が言うには、物を知らないまま大人になったら、みんなに頭を下げて、“教えてください”って頼るだろう、そうしたら、そいつは絶対に威張らない良い人間になる。そういう教育だったんです。だから、本当に勉強をしてこなかったし、物事をまったく知らない。漢字テストで“( )内を埋めよ”なんて書かれていたから、かっこの中を鉛筆で黒く埋めたりするくらい(笑)。

■鞄は勉強道具でなく喧嘩道具入れ 勉強道具なんて学校に持っていったら、親父にボコボコにされちゃうんだけど、親父は鉛筆だけは、いつも尖らせろって言うんです。他の学校の奴らにやられそうになったら、それでやり返せって(笑)。鞄は勉強道具を入れるものじゃなくて、喧嘩道具入れでしたよ。

結局、人間に一番大切なものって、物を知っているとか、物を書けるとかそんなのはいいんですよ。知っている人と書ける人が、周りにいればいいんだから。それよりも大事なのは、経験すること。それによって磨かれる勘ですよ。今日は、暑いから水を一本余計に持っていこうとか、山で遭難したとき、地図を広げてもしょうがないだろう。こっちから風が吹いているから、こっちに行こうとか。友達がいつもより元気なさそうだから、“具合悪いのか?”って声をかけたりね。

そんな育て方をされたから、自分でわからないことにぶち当たったら、その都度、それに詳しい人のところに行って、教えてくれってお願いをしてきたんですよ。ただ、若いうちはワンマンショーの男のように思われたし、実際にそうだったところもありましたよ。だけど、年をとるごとにどんどんなくなっていった。60歳過ぎたら、周りには恩人だらけですよ。

■長嶋茂雄さんがMCのマイクを取って“ドーン!ドーン!” 長嶋(茂雄)さんにも、お世話になりました。トライアスロンのスターターに呼ばれて、長嶋さんと行ったんですけど、生憎の雨。市長がスターター台に立ってピストルを上に向けて、ヨーイドンと鳴らすはずだったのが、雨で火薬がシケって、“カチッ”となっちゃった。当日は、フジの中継も入っていたのに、みんなが、“あちゃー”って思っていたら、長嶋さんがとっさにMCの女の子のマイクを取って、“ドーン! ドーン!”って大声で叫んだんですよ。

熱くて、優しい人だなと涙が出そうになりましたよ。いつまでも子どものような純粋な情熱を持っている方なんですよ。

■ビートたけしさんの事務所に入って… あとはやっぱり、ビートたけしさん。一緒に遊び、お世話になり、勉強させてもらいました。僕の残りの人生は、たけしさんに少しでもプラスになればこれ以上の喜びはないという思いで、たけしさんの事務所に入ったんですよ。

59で、成城大学ラグビー部の監督が終わって、60から自分で本当にやりたいことは何かなって思ったとき、そういうお世話になった方と酒を飲んで話をしたいなと。それまでは、親父の言う通りにやらされてきたし、チームに入れば、チームで自分のやるべきことがありましたからね。

それで、バーを始めたんですよ。色々と知らないことだらけだからね。最近は、お客さんにギターを教えてもらったり、勉強なんて出来なくたって、楽しい毎日ですよ。

撮影/弦巻 勝

松尾雄治 まつお・ゆうじ

1954年1月20日、東京都生まれ。小学校時代からラグビーを始め、明治大学入学後、4年時に明大ラグビー部を初の日本一に導く。卒業後、新日鉄に入社。79年から、選手、主将、監督兼任選手として、社会人選手権、日本選手権7連覇という不滅の記録を樹立する原動力となる。名実ともに日本ラグビー史上最高のスタンドオフと呼ばれ、ミスターラグビーの異名をとる。現在は解説者、タレント活動、講演活動など精力的に活躍中。


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