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秋山英宏 全米レポート(14)ナダルとアンダーソン、二人を支えたシンプルなモチベーション

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優勝したラファエル・ナダル(スペイン)が、すぐ横で準優勝のプレートを抱えるケビン・アンダーソン(南アフリカ)を称えた。
「大変なケガを乗り越えたケビンは、子どもたちやツアーのほかの選手たちの、いいお手本になる」
臀部、太もも、右ひじ、左ひざ、右肩、足首、太もも付け根と、ここ2年ほどのアンダーソンは、体のあらゆる部位を負傷した。故障が選手のパフォーマンスやモチベーションにどれだけ影響するか、ナダルは痛いほど知っている。自分も左手首の負傷で昨季後半戦を棒に振っている。コンディションが整わないまま試合に出て、苦い思いを味わった経験は数知れない。だから、同年代で、ジュニアの頃からよく知っているアンダーソンが、故障を克服し、初めて四大大会決勝の舞台に立ったことを称え、ともに喜ぶのだ。
男子シングルスの決勝が、昨季ともに故障に苦しんだ両者の戦いとなり、女子シングルスのトロフィーを争ったのが、今年、疲労骨折を手術したスローン・スティーブンス(アメリカ)と左手首を2度手術したマディソン・キーズ(アメリカ)だったのは、偶然だろうか。
アンダーソンは今年の全豪を欠場したが、昨年からの臀部のけがは手術を考えるほど重いものだった。そんなスタートからの、今大会の快進撃。アンダーソンは決勝進出を決めると、こう話した。
「大会前は、まずは一戦一戦の思いだった。先のことは考えなかった。この場所に立てたこと自体を心から喜んだ。チャンスはあるとどこかで思っていたが、目の前の試合に集中しようとつとめた。それが僕のやってきたことだ。そうして、2週間後、僕はここまで来られた。素晴らしい気分だ」
無欲とか無心という言葉だけでは足りない。故障でツアーを離れた選手は、思う存分、体を鍛練できること、その鍛錬を自信にしてコートに立つこと、それ自体に喜びを感じるのだろう。ナダルはこう話している。
「グランドスラムのタイトルを取る取らないにかかわらず--もちろん優勝できればもっとうれしいけれど、故障がなくて、自分自身、体調がよくてしっかり戦える、と思えればそれで十分だ。それが僕には最も重要なことなんだ」
男女の決勝の舞台に立った4人は、故障を抱えている間、プレーしたいという、シンプルで、しかも選手にとって最も強力なモチベーションを持ち続けただろう。それが決勝進出の原動力となったと見ていい。
どうしても、今大会を欠場した錦織圭(日清食品)やアンディ・マレー(イギリス)、スタン・ワウリンカ(スイス)、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)といった選手のことを思い浮かべてしまう。男女決勝の2試合は、ナダルが言うように、ほかの選手たち、特に故障でコートに立てない選手たちへの何よりの励ましになっただろう。
(秋山英宏)
※写真は「全米オープン」で3度目の優勝を飾ったナダル
FLUSHING MEADOW, NY - SEPTEMBER 10: (Photo by Cynthia Lum/Icon Sportswire via Getty Images) Rafael Nadal (ESP) celebrates after winning the men's singles final at the US Open on September 10, 2017 at the Billie Jean King National Tennis Center in Flushing Meadow, NY.


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