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宝塚歌劇宙組トップスター朝夏まなと、サヨナラ公演『神々の土地 ~ロマノフたちの黄昏~』『クラシカル ビジュー』ゲネプロレポート!

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今月18日、宝塚大劇場で宙組トップスター朝夏まなとのサヨナラ公演、ミュージカル・プレイ『神々の土地 ~ロマノフたちの黄昏~』、レヴューロマン『クラシカル ビジュー』が開幕した。開幕初日に行われたゲネプロの模様をお届けする。

ミュージカル・プレイ『神々の土地 ~ロマノフたちの黄昏~』(作・演出/上田久美子)

ミュージカル・プレイ『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~(c)宝塚歌劇団
ミュージカル・プレイ『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~(c)宝塚歌劇団

「難しい時代だが、お互い自分の信念にしたがって生きよう!」

1915年、冬。第一次世界大戦下のロシアは苦戦を強いられ、国内ではロマノフ王朝への不信が募り、革命の足音が間近に迫っていたーーー。『神々の土地 ~ロマノフたちの黄昏~』は作・演出の上田久美子がかねてより関心を寄せていた帝政ロシア末期の祈祷僧ラスプーチン暗殺事件にまつわる奇譚をもとに、帝国の黄昏を生きた人々の盛衰を虚実を織り混ぜて描いたオリジナル劇。やがて亡国の民となる青年軍人ドミトリー・パブロヴィッチ・ロマノフの、去り際の美学に貫かれた、重厚かつ高貴な歴史ラブロマンスだ。
ミュージカル・プレイ『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~(c)宝塚歌劇団
ミュージカル・プレイ『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~(c)宝塚歌劇団

ロマノフ王朝最後のロシア皇帝ニコライ二世のもとに嫁いだドイツ出身の皇后アレクサンドラ(凛城きら)は、結婚当初から姑の皇太后マリア(寿つかさ)とそりがあわず、国民からも愛されなかったと孤立を深め、王子の病を治癒したことを機に怪しい祈祷僧ラスプーチン(愛月ひかる)へと心酔していく。皇后に寄り添い、皇族の健康や政策にまで意見するラスプーチンの存在に危機感を抱いた名門貴族フェリックス・ユスポフ(真風涼帆)ら側近たちはラスプーチンを暗殺し、ニコライ二世の代わりに従兄弟で有能な軍人ドミトリー(朝夏まなと)を次の皇帝に据えるという大胆なクーデターを計画する。ドミトリーは皇后アレクサンドラの妹で密かに思いを寄せる未亡人の大公妃イリナ(伶美うらら)から、「姉を支え、帝国を建て直して欲しい」と懇願され、暗殺とは違う方法での打開策を模索する。そんな折、ドミトリーとニコライ二世の長女オリガ(星風まどか)との間に結婚話が持ち上がる。イリナへの思いを抱えながら、ドミトリーはある決断を下すのだが……。
ミュージカル・プレイ『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~(c)宝塚歌劇団
ミュージカル・プレイ『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~(c)宝塚歌劇団

幕開け早々紗幕の向こうで、ニコライ二世を狙ったテロルが勃発。まるでスローモーションでも見るように瞳に映る美しくも恐ろしい光景に、一瞬で心を掴まれる。その後場面は真冬のイリナ邸へと転換。季節外れの雷鳴がとどろくなか、皇帝一家の近衛騎兵に任命されたドミトリーの送別会が開かれてた。不穏なのに強い磁場に引き寄せられるように、これから始まる出来事から目が離せなくなる。物語は帝政が崩壊する革命前夜の動乱が主軸だが、さまざまに織り込まれた愛のドラマが物語に繊細な彩りを与える。

主人公ドミトリーと大公妃イリナの秘めた恋、主人公に片想いするニコライ二世の長女オリガの恋と母への思い、ドミトリーの同僚で近衛兵コンスタンチン・スモレンスキー(澄輝さやと)とジプシー歌手の身分違いの恋、そして終盤、フェリックスの母(純矢ちとせ)が「友情というより片想いというべきかしら…」と漏らすように、親友ドミトリーに対する真風フェリックスの友情以上の思いを想像するのは、考えすぎだろうか。いずれにせよ、そうした市井の人々のさまざまな”愛の選択”が、大きな意味で時代を動かし歴史を形作っていくのが見てとれる。物語の冒頭、噂好きなフェリックスの母により、物語の背景や登場人物の関係性が語られるが、一度に理解できなくても大丈夫。劇中には群衆など大人数による歌やダンスの場面が多用され、人々の怒りや喜び、時代のうねりまでもが視覚的に迫ってくる。革命の雰囲気を、頭で理解する以上に体感できるのだ。
ミュージカル・プレイ『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~(c)宝塚歌劇団
ミュージカル・プレイ『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~(c)宝塚歌劇団

一方、冒頭のテロルでニコライ二世をかばい命を落としたセルゲイ大公の妃で、今は未亡人となったイリナと暗黙の内に心を通わせる主人公ドミトリー。二人の恋の場面は、広大な雪原や嵐の邸宅など、大画面に二人だけという洗練された構図が素敵で。何度も美しい絵画を見にするような鮮烈さにハッとさせられた。互いに恵まれた境遇を享受すると同時に「なすべきこと」をも理解している。そのスマートさ。完璧に両思いなのに、ギリギリのところで節度を保つ品の良さは、演技とはいえなかなか出せないもの。演じる朝夏まなとが言葉にできぬ思いを瞳で語れば、対峙する伶美うららは骨格にすら見惚れるほどのまばゆい背中で物語る。ふたりが醸し出す大人の秘めた熱情に、うっとりすること必至!
ミュージカル・プレイ『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~(c)宝塚歌劇団
ミュージカル・プレイ『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~(c)宝塚歌劇団

フェリックス役の真風涼帆は、友情と同時に手段を選ばぬ冷酷さと文化人としての貴族の誇りを見事に体現。オリガ役の星風まどかは、彼女の決断がドミトリーや帝国の運命を左右するほどの鍵となる役であり、可愛らしさのなかにも芯のある演技が光った。さらに、重厚で品のある美術や繊細に作り込まれた衣装が素晴らしく、物語に説得力を持たせていた。滅び行く帝国の末路を彩った人々の物語は、神々の土地を覆いつくす冷たい雪のように重く物悲しい。しかし、愛をもってやるべきことのために生きた高潔な人々の物語として胸に刻まれた。主人公が秘めた思いを吐露する主題歌のバラードも印象的で、やがて訪れる春への希望とドミトリーの思いやりに胸が熱くなった。


レヴューロマン『クラシカル ビジュー』(作・演出/稲葉太地)


「愛してくれる人がいたから 大きな輝き、放つことが出来た!」

『クラシカル ビジュー』は意外にもサヨナラ公演で初タッグとなった稲葉太地が、”宙組の太陽になりたい”という朝夏まなとの希望を汲みつつ描いた、まばゆいほどのレヴュー・ロマン。宇宙のビッグバンから始まるプロローグ「Diamond」はノリノリの主題歌「宙の太陽」に気分があかる! <愛のため 銀河から落ちてきた宝石~♪>の大合唱に、色とりどりの輝きを放つ宙組メンバーがルビー、トパーズ、エメラルドと、次々に華麗なビジュー=宝石として登場。美しさを誇りあうように歌い踊る。ジャングルに眠る宝石を探す場面では、愛月ひかる、桜木みなと、和希そらの宝石ハンタートリオがコミカルな演技で和ませる。海底神殿のパーティでは、星風まどか率いる”コーラル姫軍団”とのダンスバトルもキュートだ。
レヴューロマン『クラシカル ビジュー』(c)宝塚歌劇団
レヴューロマン『クラシカル ビジュー』(c)宝塚歌劇団

また、真風涼帆は猫の目色の怪盗紳士に。王冠を盗みに入った美術館で、伶美うらら演じる絵画の住人たちと幻想的な場面を演じ、都会的なファッションとクールな身のこなしでも目を惹いた。他にも、サヨナラ公演を宙組が一丸となって盛り上げる多彩な場面が目白押し。朝夏本人も黄金世界の王として民を率い劇場を覆いつくすほどの情熱をほとばしらせる。ピアノとトランペットの即興ジャズがカッコいいナンバーでは、伶美うららとダンディーなスーツダンスを披露。何より男役の美学が集約された黒燕尾のダンスには、こだわりがキラリ。群舞では男役を従え、圧倒的な存在感と恵まれた肢体でセンターを張り、充実のソロパートでは、培ったすべての技と魅力を放出し、観客と組子への置き土産とした。
レヴューロマン『クラシカル ビジュー』(c)宝塚歌劇団
レヴューロマン『クラシカル ビジュー』(c)宝塚歌劇団

主題歌を通して<私の光など一人だけでは強くなくて 愛してくれる人がいたから 大きな輝き 放つことが出来た♪>と何度も感謝のメッセージを贈った宙組トップスター朝夏まなと。その思いやりに満ちた歌声は、涙とは無縁の晴れやかな笑顔とともに、観客の心に深く刻まれることだろう。
レヴューロマン『クラシカル ビジュー』(c)宝塚歌劇団
レヴューロマン『クラシカル ビジュー』(c)宝塚歌劇団

取材・文=石橋法子

イベント情報
ミュージカル・プレイ『神々の土地 ~ロマノフたちの黄昏~』 ■作・演出:上田久美子
レヴューロマン『クラシカル ビジュー』
■作・演出:稲葉太地 ■出演:朝夏まなと、真風涼帆、伶美うらら、星風まどか ほか <宝塚大劇場>
2017年8月18日(金)~ 9月25日(月) <東京宝塚劇場>
2017年10月13日(金)~11月19日(日)


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