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テレビ屋の声 - 第18回 フジ・竹内誠氏、『ワイドナショー』と今年の『27時間テレビ』が生放送でない理由

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中居正広に前室で呼び止められ…
注目を集めるテレビ番組のディレクター、プロデューサー、放送作家、脚本家たちを、プロフェッショナルとしての尊敬の念を込めて"テレビ屋"と呼び、作り手の素顔を通して、番組の面白さを探っていく連載インタビュー「テレビ屋の声」。

今回の"テレビ屋"は、『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~)をはじめ、ダウンタウン・松本人志の出演番組で演出を担当し、今週末に放送される大型特番『FNS27時間テレビ にほんのれきし』(9月9日18:30~10日21:24)の総合演出を務めるフジテレビの竹内誠氏。ニュースや時事ネタを扱う『ワイドナショー』も、内容を大幅に刷新する今年の『27時間テレビ』も、生放送の方がハマりそうなイメージだが、いずれも事前収録で制作されている。その狙いは何か――。

――当連載に前回登場したTBSテレビの合田隆信さんが、フジテレビが厳しい状況の中で、『ワイドナショー』や『IPPONグランプリ』といった良い番組を作り続けている原動力を聞きたいと言っていました。

いやいや、松本人志さんがすごいんです(笑)

――フジテレビの前はMBS(毎日放送)にいて、一時期TBSで合田さんの下でお仕事をされていたそうですね。

MBSでは、東京支社に移ってから制作会社のイーストで『ジャングルTV~タモリの法則~』(1994~2002年)に1年いて、ひょんなことからTBSに来て、合田さんの『学校へ行こう!』(97~05年)や、TOKIOさんの24時間特番『ファイトTV24』(01年)をやりました。その後、MBSに戻って『ダウンタウン・セブン』(01~03年)で初めて松本さんとお仕事させていただき、それが1年半で終わってしまい、またイーストに戻って、島田紳助さんの『世界バリバリ★バリュー』(03~08年)の立ち上げをやりました。その後フジテレビの中途採用試験を受けたんです。

――もともとフジテレビに行きたいという思いがあったのですか?

子供の頃から憧れていましたからね。昔は8チャンしか見ていませんでした(笑)。最初は宮道(治朗)さん(現・コンテンツ事業センタープロデュース事業室長兼VR事業部長)の下で『ネプリーグ』の立ち上げを手伝って、くりぃむしちゅーさんの『ヴァケスケ』(05~06年)や、『とんねるずのみなさんのおかげでした』をやった後に、『人志松本の○○な話』(09~12年)で久々に松本さんとご一緒にさせていただき、その年に『IPPONグランプリ』も始まって、13年から『ワイドナショー』が始まりました。

――最初は深夜で始まって、異例の60分枠でしたよね。

そこはちょっと強引に枠を取りました。30分じゃ話しきれないですからね。

――その後、『笑っていいとも!増刊号』終了後の今の時間帯に移動して、すっかり定着しました。ズバリ、人気の秘密はなんでしょうか?

松本さんの力というのはもちろんですけど、「おじさんたちは話したいんだなぁ」という感じがありますね。武田鉄矢さんが収録終わりにクロークで「今日俺たち頑張ったよなぁ!」って言ってくれたんですよ。それを聞いて、「この番組はおじさんたちが引っ張っていくかも」と思ったんです。そしたら、泉谷しげるさんも「しゃべりやすいなぁ」と言ってくれて。中居正広さんはおじさんじゃないですが、最初の収録終わりに前室で呼び止められて「また呼んで、竹内くん」と言ってくれたので、準レギュラーになっていただきました。

――コメンテーターの皆さんがしゃべりやすい環境があるんですね。

もちろんそういう環境づくりは僕たちの仕事なんですけど、実はもともとニュースや時事問題についてしゃべりたい思いがあって、その場を『ワイドナショー』で得たんじゃないですかね。皆さん、びっくりするくらいお話しいただけるんですよ。

――長嶋一茂さんや石原良純さんは、テレビ朝日の情報番組でもコメンテーターをされていますが、『ワイドナショー』での方が生き生きとしている印象があります。

普通の情報番組のように、生放送も何回かやったんですけど、皆さんコメントにストッパーがかかるんですよね。収録だとたっぷりしゃべっお話しされて、終わってから「あれ、切っておいて」とも言われないので、「じゃあ生でもしゃべれるじゃないか!」って思ったりもするんですけど(笑)

――やはり構えてしまうんでしょうね(笑)。日曜午前への進出当初「ワイドナショー浮上のカギは生放送」なんて書いてるメディアもありましたが、今後も収録のスタイルがいいんですね。

金曜の夜に収録して、土曜の夜には仕上げますから、僕らが寝ずに頑張ればいいだけの話なので(笑)。だから、スタッフも体力のある若い人にどんどんチャンスを与えています。『ワイドナショー』は、ADからディレクターに昇格するのがすごく早くて、25歳でディレクターになってるスタッフもいますからね。

――収録はどれくらい回すんですか?

1時間15分の放送ですけど、1時間25分くらいですかね。オープニングでアイドリングトークをしてるところなどはちょっと切ったりしてますけど、他はほとんど使っています。

――コメンテーターの人選も絶妙だと思います。

これは僕らの力だけじゃなくて、"松本人志さんの歴史"というのが大きいと思います。武田鉄矢さんは紳助さんと仲良かったので、『松紳』(00~06年)などでつながりのあった松本さんとの相性の良さは、そこまでの歴史を感じます。

●松本人志は「ウソをつかない」
――乙武洋匡さんやベッキーさん、ゲスの極み乙女。の川谷絵音さんといったスキャンダルの当事者だった人たちが、久々のテレビ出演に『ワイドナショー』を選ぶのはなぜなんでしょうか?

それも、松本さんや、東野幸治さんに対しての信頼があるからだと思います。ゲスの川谷さんはダウンタウンさんのファンで、芸人を目指して人力舎の養成所に入ろうとしたこともあるそうですよ。アナウンサーが司会する真面目な番組に行ったら全然場違いになっちゃうけど、ここだったら座ってもいいかなという感じがあるんだと思います。

――前園真聖さんのブレイクのきっかけも、この番組でした。

前園さんの身の切り方は本当にうまいですよね。インタビューでもすごくセンスがあると思います。秋から、またいろいろと取材に行ってもらいます。

――進行の秋元優里アナや山崎夕貴アナも、ご自身が週刊誌に掲載されたネタに対して、ちゃんと逃げずに答えますよね。そこにもガンガン触れていくのは、異例だと思います。

確かに、あんまりアナウンサーがプライベートなことをコメントすることは普通ないですけど、しゃべった方が今っぽくないですか?(笑)。ただそこも、松本さんや東野さんが自分のことをしゃべるから、自分たちもしゃべらなきゃいけないという感じがあるんだと思います。彼女たちを追い込んでるわけではないんですけどね。

――佐々木恭子アナも、携帯のアラームが本番中に鳴ってしまうとか、お茶をこぼしてしまうといったハプニングがありましたが、好感を持って受け止められてると思います。

実は、佐々木恭子は、同じ小・中学校の1年後輩なんですよ。僕が生徒会長をやってた時、生徒会にいたので、当時から知ってます。

――そうなんですか!?

同級生にも、裏の『サンデー・ジャポン』(TBS)の栄次(崇之)というプロデューサーがいました。今はそんなに連絡を取っているわけではないですが。

――メディア関係者が集結してますね。ところで、われわれマイナビニュースはもちろん、ネットニュース各社は、『ワイドナショー』での松本さんの発言に注目して、毎週のように記事にさせていただいておりますが、この傾向についてはどう思われていますか?

言葉を切り取るのであれば、その前後を文章でちゃんと書いてもらえればと思っています。

――このようにネットニュースで盛り上がって、番組の視聴率上昇に影響した部分もありますかね?

あります、絶対あります。当初はバンバンネット記事があがったので、それは宣伝効果があったでしょうね。それと、日曜午前に移動したことで、視聴者層が大きく変わったと思います。年配の方は、松本人志=夜というイメージがあったと思うんですけど、「こんな番組やってるんだ」って気づくようになったところで、やっぱり効果はあったと思います。

――あらためて、松本さんの魅力やすごいところはどんな部分でしょうか?

ウソをつかないところでしょうね。不倫を擁護されることもありますし(笑)、本当に思っていることを言ってるということが、世間にも伝わっているんだと思います。だから、僕らもウソつけないし、すごく影響を受けて向き合ってます。コメンテーターの皆さんが「ここカットして」と言われないのは、松本さんの前で取り繕ったコメントを言いたくないという部分もあると思います。それに、東野さんも自分の身の切り方とか、すごいですよね。

●27時間テレビが終わったら"村上信五の時代"が来る
――さて、9月9~10日には、総合演出を担当されます『FNS27時間テレビ にほんのれきし』が放送されますね。この「にほんのれきし」というテーマになった経緯は?

編成部と制作部でいろいろ話をして、「日本の歴史を27時間で見る」という方針が、去年の年末には固まりました。

――今年はほぼ全編が事前収録で、放送時期も例年の7月ではなく9月と、大きく変わります。その理由はなんでしょうか?

やはり歴史を扱うので間違ったことが言えないですし、調べることもたくさんあるので、準備期間がすごいかかるんですよ。『27時間テレビ』は、日テレの『24時間テレビ』に対するアンチテーゼからスタートしたお笑いの精神があって、お笑いなら生放送でやった方が良いということはありますが、今回はこのような企画になった以上、放送の中身を充実させるということが、ほぼ収録となった理由ですね。準備期間と、ちょっと涼しいときに見ていただきたいということで、放送時期も9月になりました。

さきほどの『ワイドナショー』と似ていて、生だと歯止めがかかるかもしれないんですけど、収録なので(総合司会のビート)たけしさんもすごいノリノリでブワーッとお話しされていますので、できるだけ使いたいと思ってます。

――これまでの『27時間テレビ』は、生放送のハプニングが大きな見どころだったと思いますが、そこも含めて方針転換を行うということですね。

でも、収録でもハプニングがあったら使いますからね。『ワイドナショー』で佐々木の携帯アラームが鳴りだしたりとか(笑)。一般の方が出演される「れきし自慢!大賞」も、いきなりハプニング起こってます(笑)。それと、収録番組の段積みに見えないように、縦軸でたけしさん、村上信五くん、波瑠さん、バカリズムさんが出演する「にほんのれきし博物館」が随所に間に入って、時代ごとの各コーナーをひも付けていく演出にしています。収録の順番もこだわっていて、グランドフィナーレ「池上彰が見た! たけしと戦後ニッポン」は最後に行っています。

――とはいえ、これまでの生放送の『27時間テレビ』に慣れているので、どんな雰囲気になるのか想像がつきません。制作側としては、生より収録の方が手間もかかりますよね。

正直、生の方が楽でした(笑)。ただ、キャスティングを考えると、生だと決められた日に集めないといけないんですが、収録日がずっと続くので、調整しやすい部分はありましたね。それと1つ気付いたのは、「にほんのれきし」をテーマにしたことで、出演者の幅がすごく広がったんです。波瑠さんや堤真一さん、池上彰さんなど、「お笑い祭り」だったらなかなか実現しないキャスティングができました。

――たけしさんと村上さんのコンビはいかがですか?

すごく相性がいいですね。日テレでも一緒に特番をやっていましたが、全然違う一面が出てると思います。村上くんもすごいですね。今回の放送が終わったら、各局で彼をメインにした企画を出すと思います。

――制作発表会見でも、収録3日目で、たけしさんに100回ツッコミを入れたと言ってました(笑)

昔、関西で番組をやっていた時、名司会者の方やベテラン芸人の方から司会術を教わったそうです。たけしさんが70歳で村上くんは35歳と半分の年齢で、普通はジェネレーションギャップがあるんですけど、見事についていく。たけしさんの言ってることを瞬時に理解して返していくんですよね。

――たけしさんは「勘がいい」と言ってました。

経験もあるでしょうね。テレビをすごい見て、勉強してるんだと思います。たけしさんの信頼が日に日に増していますし、気持ちの良いツッコミがくるんで、2人で並ぶと、たけしさんはもう村上くんの方を向いてますからね(笑)。FNS27局の人たちも見事にイジってましたし、「村上信五とスポーツの神様たち」でも、たけしさん、金田正一さん、釜本邦茂さんというレジェンドたちが見事に踊らされていました。バカリズムさんも「やりやすい」と言ってましたし、これは、"村上信五の時代"が来ますね!

――あらためて、今年の見どころを教えてください。

要素が多すぎますね(笑)。たけしさんと村上くんの掛け合いはもちろんですけど、「にほんのれきし博物館」に加え、ドラマ脚本を2本も書いてくれたバカリズムさんもすごいです。『IPPONグランプリ』の関係があるので、今年の2月に飛び込みでお願いしたんですが、「竹内さんの仕事なら受ける」と言ってくださって大感謝です。「―博物館」ではネタを見せて、途中バカリズムさんのライブみたいになってますし、ドラマも"知的お遊び"ですから、収録は笑いにあふれています。「歴史」というと難しいイメージがあるかもしれないですけど、面白い番組になっていますよ。

それと、剛力彩芽さんが主演するドラマ「私たちの薩長同盟」は、『大奥』の林徹監督が撮っていたり、アニメも『サザエさん』をはじめ、『ドラゴンボール超』『ワンピース』『ちびまる子ちゃん』『こちら葛飾区亀有公園前派出所』と、各クリエイターがノリノリで作ってくれています。

――これまでに竹内さんが影響を受けたテレビ番組を1本挙げるとすると、何ですか?

子供の時に見ていた『オレたちひょうきん族』(フジ系、1981~89年)ですね。たけしさんとは『THE MANZAI』の立ち上げでお世話になりましたけど、今回は絡みの深さが全然違いますから、一緒にできるのは感慨深いものがあります。

――いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました。最後に、気になっている"テレビ屋"を伺いたいのですが…

読売テレビで『ダウンタウンDX』の演出をしていた西田二郎さんですね。僕が尊敬しているのは、前説の素晴らしさです。『DX』が沖縄で生放送をやったとき、10分前からマイク持ってお客さんの前でしゃべりだして、それがドッカンドッカン盛り上がるんですよ。それを袖でダウンタウンさんが見て、笑ってるんですよね。演者を笑わせるってすごいですよ! 今は部長になられましたが、現場に戻りたいんじゃないですか? また、ものを作って欲しいですね。

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