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BSE感染牛が発生していた…安倍政権、牛肉輸入制限等の措置を何も行わず放置

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 7月18日に米国アラバマ州で同国通算5例目のBSE(牛海綿状脳症)感染牛が発生した。感染牛は11歳の肉用雌牛で非定型BSEとされているが、詳細は調査中となっている。日本では、一部の専門紙以外まったく報道されていない。2003年に米国でBSE感染牛が発見された時は、米国産牛の輸入全面禁止措置が取られたが、今回は米国産牛肉輸入にもまったく影響を与えていない。

これと時期を同じくして、食の安全問題に総合的に取り組んできた厚生労働省の生活衛生・食品安全部が、7月11日に施行された同省組織再編によって廃止された。これもほとんど報道されず、国民は知らされていないが、国民の食の安全にとっては多大な影響を与えることである。

今回廃止された厚労省の生活衛生・食品安全部は、01年に日本でBSEが発生し、これまでの食の安全の管理に欠陥があったとして、リスク評価を専任とする食品安全委員会の設置を柱とする食品安全基本法が成立した03年に設置された。当時の新聞はこう報じている。

「厚生労働省は、二十日、『医薬局』を『医薬食品局(仮称)』に改める方針を固めた。現在医薬局の中に『食品保健部』が設置されているが、局として食品の安全確保に取り組む姿勢を明確にする。食品保健部は『食品安全部(仮称)』に改める」(02年9月21日付日本経済新聞より)

「食品安全基本法の成立をにらみ、縦割り行政を厳しく批判された農水、厚労省は対応部局の新設や改組を急ぐ。(略)農水省は七月にも職員約三百人で構成する『消費安全局』を新設する。(略)厚労省も職員を増員した上、食品保健部を『食品安全部』に改称」(03年5月16日付同紙)

要するにBSE発生を許したそれまでの食品安全行政を抜本的に改める食品安全基本法に対応するために、それまでの食品保健部を食品安全部に組織変更したのである。BSE発生を二度と許さない食品安全行政の確立が、食品安全部の誕生の由来なのである。

●食品安全部を廃止した理由

では、いったいなぜ厚生労働省は、この時期に突然、生活衛生・食品安全部を廃止したのであろうか。厚生労働省の発表文書では、次のように説明されている。

「今回の組織再編は、保健医療分野の技術革新や国際保健上の課題と、『働き方改革』などの内閣の重要課題に的確に対応するために厚生労働省内の組織を再編したもの。『医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部』については、組織再編の全体整理の中で『職業安定局派遣・有期労働対策部』等とともに廃止した」

要するに、保健医療課題と安倍政権の「働き方改革」に対応するために、生活衛生・食品安全部を廃止したということ。今や、厚労省としては行政の優先度は保健医療課題や「働き方改革」のほうが、食品安全より高いということなのである。厚労省は、生活衛生・食品安全部をなくす代わりに専任の審議官(大臣官房生活衛生・食品安全審議官)を設置したとしているが、とても代わりうるものではない。

今回の生活衛生・食品安全部廃止は、食品安全行政の冬の時代の始まりの可能性が高い。BSE対策については、もうすでにBSEの全頭検査体制はなくなり、月齢制限もなくなってしまっている。農水省の消費・安全局や食品安全委員会も今のまま存続できるのかどうか、予断を許さない。今後の食品安全行政の動向を注視していかなければならない。
(文=小倉正行/フリーライター)

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