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紗倉まな×峰なゆか:非モテに悩んだから『アラサーちゃん』が生まれた【前半】

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「モノづくり大国」と言われる日本。その中でも「エロ」は世界でも有名。そんなアダルト業界で、自らを「えろ屋」と称しAV女優として活躍する一方、小説家としても活動する紗倉まなをホストに、文化やエンタメを支える様々な「クリエイター」をゲストにお届けする、『紗倉まな対談企画 モノづくり大国♡ニッポン』。

第1回目は、『アラサーちゃん』の作者・峰なゆかさんをゲストにお届けします。

■◆村上春樹を「性的」に見る!?


紗倉まな(以下、紗倉):実は私、峰さんのTwitterとかブログとか、自分が書き物する前からめっちゃ見てたんです。

峰なゆか(以下、峰):え、そうなんですか!?

紗倉:峰さんへの憧れと嫉妬があって結構読んでいたんです。「村上春樹を性的に見ている」みたいなのを読んで、私も春樹好きなんですけど、そんな見方で見てる人がいるんだ!って衝撃的で。

峰:あはは!(笑)逆になんで性的に見ないんですか?

紗倉:えっ、春樹を性的に見るのって、わりとスタンダードなんですかね?峰:わかんない、どうなんだろう。でも、最初に村上春樹の著者近影を見たときって、イメージしてた、いかにもな村上作品の主人公のと違って結構オジサンで、ショックじゃなかったですか?

紗倉:どうだろう…でもなんか、春樹さんって、同じ表現を結構乱用するじゃないですか。

峰:うんうん。

紗倉:だから、意外と言ってるだけで実践してるタイプじゃないんじゃないか、実際はそんなエロくないんじゃないかって思ってて。

峰:あ~、そうなんだ。私はホント、春樹をずっと性的に見ていて…(笑)だから著者近影を見て勝手にショック受けちゃって。

紗倉:前に、オトコとしての村上春樹みたいなの、イベントでも話されてたの見たんですけど、それもやっぱり、そういう視点で?

峰:そうですね。何かの特集とかで、村上春樹の書いたこれまでの濡れ場を解説するみたいなのがあって、ぜんぶ読み返して。ぜんぶの濡れ場に付箋貼ってめちゃくちゃ大変で…。さすがにまとめてそればっかり読むと、こいつ、フェラチオばっかさせて全然クンニとかしねーな!みたいな、マグロ感が伝わってきて。

紗倉:村上春樹もそこをツッコまれるとは思ってないでしょうね、絶対(笑)

■◆田舎に夢は眩しすぎた
紗倉:昔から読まれてたんですか?春樹は。

峰:う~んでも、18歳を過ぎてからですかね。昔は日本人作家のものを全然読まなかったので。19歳以降ですね。

紗倉:そうなんですね。漫画は昔から描いてたんですか?

峰:小学生の頃から漫画家にはなりたくて、よく絵は書いていたんですけど諦めて。

紗倉:それは、何か別のことがやりたくなったとかで?



峰:私、すごく田舎出身で、農家とかも多いんですよ。親のあとを継ぐのが当たり前みたいな地域で、そんな華々しい職業になんて就けないでしょ、って思って。どうせ親の跡をついで、田舎で死ぬんだ…みたいな。

紗倉:私は千葉出身なんですけど、なんかその感覚はわかります。田舎特有のムラ文化というか、みんな同じような職業について、早く結婚して、みたいな。自分の仕事や夢が派手に見えてしまう感じはありますよね。

峰:そうそう。

紗倉:じゃあ、AV女優さん時代から書き始めたんですか?それともやめてから。

峰:AV女優をやめてからですね。現役の頃は、全然そういうのやってなくて。

紗倉:きっかけがあったんですか?そういうオファーとか。

峰:いや、やめてから私、しばらくライターをしていたんですよ。でも、ライターだけで食べていくのはすごく大変だなと思って。「文章と一緒にちょこっとイラストもできますよ」だと仕事も増えるかも、と思って、「ちょっと絵もかけるライター」として、営業用にブログで『アラサーちゃん』を書き始めたんです。

■◆「リアル」の発信でAV時代のファンは解散!?
紗倉:いまって、取材とかのお仕事も結構あると思うんですけど、描く仕事と割合はどれぐらいですか?

峰:描くほうが多いですかね。週3ぐらいは描いてます。

紗倉:ネタって尽きないんですか?

峰:いや、尽きますよ~!ぶっちゃけ『アラサーちゃん』1話目からもうネタがない(笑)



紗倉:そうなんですか?読んでて、よくネタ尽きないなって思ってたんです。『週刊SPA!』とかもページ数多いじゃないですか。しかも4コマだと、いくつもストーリーが必要だし。どこでネタ収集をされてるんだろうって、気になっていて。

峰:実際に自分の経験したことが多いんで、ネタがなくなると「新しい彼氏作らなきゃ」という気持ちになるというか。

紗倉:あ、じゃああれってほんとにぜんぶリアルですか?『女くどき飯』とかも。

峰:そうですね。あれは、お相手は一般応募からプロフィールを見て選んでやってました。

紗倉:会ってみて、コレは漫画になるなって言う人と、これはつまんないな…って人とかありました?

峰:ありましたよ!『女くどき飯』はほんとに、会ってみるまでわからないので。それはしょうがないなって。一般の方にそこまで求めるのもなって。なので、そういうときは漫画にしないときもありましたね。

紗倉:もともとAV女優の頃の峰さんのファンが来たりとかはありました?

峰:それが無いんですよね~!(笑)AV女優時代のファンの人は、私がAVをやめて、いろいろ自分の思ってること発信し始めてからスグに解散してしまって。

紗倉:解散って!(笑)



峰:いや本当に、解散としか言えないレベルで。「あれ?みんなどこに行っちゃったの!?」って感じで。「イベントとかやったら、AV女優時代のキモオタとかがたくさん来るんじゃないですか~?(笑)」とか言われるけど、全然来ないんですよね~。

紗倉:え~!そうなんですか!

峰:来るのは女の人と、サブカル女子好きのサブカルおじさんみたいな。なので、AV女優時代のことはあまり知らない人ばっかりですね。

■◆はあちゅう的「私は仕事ができない」!?
紗倉:ネタはリアルってことは、日頃から外に出て、食事会とか行ってネタを作っている感じですか?

峰:う~ん、どうだろう。なるべくデートとかするようにはしてますね。

紗倉:じゃあもう、ネタ探すぞっていう目的意識でデートをするっていう。

峰:いや、普通にデートして、「あ~、なんかこのセリフ、前も言われたな~」とか思うとネタにするっていう。

紗倉:もう、その日にすぐ描く感じですか?

峰:いや、〆切が差し迫ってから描きますね。

紗倉:ちなみに、〆切って結構守ります?

峰:全然守れない…本当に…(笑) え、守れます?

紗倉:全然守れなくって…(笑)

峰:最初、AV女優からライターになったとき、私が〆切を守らないと、「AV女優はやっぱりいい加減な人間だ」と思われるから、ちゃんと守ろう!と思ってたんですけど、全然ダメでしたね…。



紗倉:わかります…!(笑)

峰:申し訳ない、本当に!

紗倉:でもそうですよね。始めたときは結構守れてても、だんだんと守れなくなっていってしまって…。今、抱えている連載もそうです。

峰:私も本当のデッドは水曜13時みたいな感じで。で、15時に送るっていう。

紗倉:えええ!(笑)毎週描くときに打ち合わせとかはするんですか?

峰:いや、しないです。

紗倉:じゃあ、ぜんぶネタ出しから何から自分で!大変じゃないですか?

峰:う~ん、昔からしないスタイルでやってたので。私が苦手なんですよね、人と共同作業でネタを決めるのが。ネームも出さないですし、NGもでたこともないし…。



紗倉:え~、すごい。私は結構打ち合わせしないとダメなタイプで。ネタが尽きてくるから、「何にします?」というの決めて。それでも書いてるうちに苦しくなってくるぐらいで…。すごいですね。

峰:いやいや。人によってやり方いろいろですもんね。私は、打ち合わせしたところで描けるようにならないから。

紗倉:峰さんは個人戦タイプですね

峰:そうですね。

紗倉:前にはあちゅうさんが「〆切を守る人は信頼できる」ってTwitterで言ってて。だいたい私は守れないんで、スゴイ胸が痛くなるんですけど(笑)

峰:ま~でも、はあちゅうの言う「仕事できる人」には当てはまらないですよね(笑)私、仕事できねんだな~って思って(笑)

紗倉:わかりますわかります!



峰:あれですよね、連絡はすぐ返すとか、電話をしないとかですよね。電話かかってくるのは嫌だけど自分はかけちゃうんですよね~。最悪のパターンなんですけど。仕事できないと思われてる~!って思いつつも。(笑)

紗倉:電話かかってくるのっていやですよね、なんか、追われてる感じで。担当の人とケンカになったりします?

峰:えっ!ならないですよ!?なるんですか?

紗倉:軽い嫌味を言われるぐらいは…。

峰:そうなんですね。私はむしろ、担当さんが優しすぎて、「私がもっと早く〆切を言っておけばよかったのにごめんなさい」とか言われて、私が原稿落としたのに、逆に申し訳なくて…。本当に腰を低くされるので申し訳なさで「はああ…!」みたいな。嫌味言われるよりツラい…って感じで。

■◆作家と担当者の恋=女優と男優の恋?
紗倉:担当さんって、同性の方が合うとか異性の方が合うとかってありますか?

峰:うーん、どうだろう。私はそもそも、仕事を依頼してきてくれるのが女性なので、担当さんも女性の方が多くて。だからたまに異性の担当さんだとドキドキしますね。これが恋愛に発展するかも!とか思って。

紗倉:やり取りが密ですもんね、担当さんって。担当者との恋ってあります?

峰:うーん、どうなんだろう。でも良いですよね、出版社の人って安定してるし、お給料もいいし。

紗倉:確かに(笑)



峰:でも、出版社の中には、作家に手を出す編集者は2流っていう暗黙のルールのようなものがあるっぽいですね。

紗倉:あ~、なんか、AV男優がAV女優を喰うみたいな…それも2流というか、タブー化されてるところはありますよね。でも担当者さんとくっつく作家さんは多いって聞きますよね。

峰:多い多い!なんか、「結婚まで行けばいい」みたいなのはあるよね?AV女優とAV男優みたいな。

紗倉:ありますよね(笑) 責任取ればいいみたいな。

峰:でも別れたあとは面倒だよね。担当編集さんと付き合って、別れたあとも連載は続くとか最悪じゃないですか?

紗倉:結構地獄ですよね(笑)後々のこと考えたらそういう空気にならないほうがベストですね。

峰:うんうんうん。だから、同じ業界内はなるべくやめるようにしてますね。

紗倉:そうなると、外交というか、外に出て出会う人って一般企業の人ですか?

峰:そうですね。友達の友達の友達、みたいな。

紗倉:わたし、恋愛する場所とかが全然ないんですけど、女優時代ってどうしてました?

峰:あ~。私、彼氏いましたね、ずっと。逆にああいう仕事って彼氏いないと辛くないですか?



紗倉:(間髪入れず)辛いです。

峰:でしょー?(笑)なんか花魁漫画とか読むと、みんなすごく禁じられてるのに間男とか作ってややこしいことになってるけど、ああいう仕事してると男いないとツラいだろうなって。そりゃ間男作るわ~って思って。

紗倉:彼氏さんは仕事への理解とかはあったんですか?仕事のことでモメたりとか。

峰:基本的にネトラレ好きの人で、俺の彼女がAV男優にヤラれて、それで日本中の男がシコっている!めっちゃ興奮する!みたいな人で。

■◆狭くて特殊。AV業界はある意味「ムラ」
紗倉:良いめぐり合わせ!それはすごく理想的な人ですね(笑)私の周りの女優さんとかの彼氏は結構激しい人が多くて。身バレして壮絶な戦いを経て…みたいな。

峰:よくあるよね!急にボコボコにされて現場に来るみたいな。



紗倉:ありますあります!(笑)あと、監禁されたりする人がいるとか、聞いたことありますね。

峰:あ~!あるあるある!!!マネージャーが助けにいったりとか。なつかし~!!

紗倉:確か、彼氏がソクバッキーで、AVに出させたくない、外に出したくないみたいな感じで家から出してくれなくて、事務所に女優さんから「助けてください」って連絡が来たとか…。ちょくちょく聞きますよね。激しいんだなって。

峰:今思うと大変な業界だったなって思います。なんか、本人は可愛がってるつもりなんだろうけど、ペットの飼い方がちょっとおかしい人が結構いたりとか。

紗倉:え!なんですかそれ!?

峰:なんていうか、本人は大事にしてるつもりみたいなんだけど、傍から見たらかわいそうじゃないの?おかしいんじゃないのって思う人がいて。私ほんと、これは怖い、ダメだ…と思って。

紗倉:それは結構キますね…。

峰:やめることになったきっかけはそれも大きくて…!ここにいたらダメになるなと思って。

紗倉:確かにそれはキツイですね。そういうのは初めて聞きましたけど、やたら犬を連れてくる女優さんはいるらしいですね。思うんですけど、犬飼ってるのが多いのは寂しさなのかなって。もともと犬が嫌いな人ですら飼い始めますもん。それぐらい、孤独な職業なのかなって思うところはあります。

峰:うん。男を作る感覚で犬飼ってる人が多い気がする。

紗倉:ホストか、彼氏か、犬かみたいな。AV業界にヤベーなって思う人いました?今思うと。私は今どっぷりなのでわかんなくなっちゃってるんですけど。

峰:なんかいたかなあ。でも、女優さんが頭が悪い子扱いされているのがすごく気になってて。例えば、アナルセックスの解禁を迫られるときとかに、女優としては条件とかギャラの話をしたいのに、監督は「でも気持ちいいよ?」みたいな。

紗倉:そこじゃない!(笑)



峰:そういうことじゃねえよ!そんなの求めてねえわ!っていう。でもあっちはその一点張りで、しかもすごくピュアな目で。(笑)

紗倉:監督さんとかディレクターさんとかは麻痺してるんですかね?たしかにそういうとこはあるかも。気にしてるとこそこじゃねーよ感というか。

峰:私がいたときそういう感じで、今はどうかわかんないんですけど。

紗倉:でも、あるかもしれないです。私もカッパの撮影をされそうな時があって。

峰:カッパ…?なにそれ…?(笑)

紗倉:なんか、3%カッパで97%人間みたいなのをやりたいっていう。3%のカッパの部分が、髪の毛を探ったら皿が出てくるとか、全身緑じゃないけど、ちらっとスカートを上げたらきゅうりがぶらさがってるとか。

峰:きゅうり(笑)

紗倉:そういう意味不明な企画をやらされそうになって。しかも、山に行って撮るみたいなことを言ってて、山荘で、普通の人間とかっぱが暮らしている設定で。やりたくないなって思ったんですけど、監督が「でもカッパは性交しないし、フェラとかで終わるから楽だよ」とか。そういうことじゃねえよ!カッパが嫌なんだよ!って話で。



峰:「フェラだけなんだ!やったーじゃあやります!」って言うと思われてるのがね!IQいくつだと思ってんの!?って感じだよね(笑)

紗倉:たしかに(笑) そういうことを気にしてるわけじゃないんだよなっていう。女優さんって、おバカっぽく振る舞ってるけど意外とそうじゃない人は多いじゃないですか。でも、監督とかからそう扱われてると、ああ、そんな程度に思われてるんだな~って思いますね。

峰:ファンの人とかがそう思うのは別にいいけど、業界内のプロデューサーとかまでそういう目で見てくるのは頭悪すぎるよね(笑)

後編はこちら~紗倉まな×峰なゆか:非モテに悩んだから『アラサーちゃん』が生まれた【後編】~

(ハウコレ編集部)

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