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「ひよっこ」110話「寝歌」「寝踊り」にみる脚本の巧さ

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連続テレビ小説「ひよっこ」(NHK 総合 月~土 朝8時~、BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~)
第19週「ただいま。おかえり。」第110回 8月8日(火)放送より。 
脚本:岡田惠和 演出:黒崎 博


109話はこんな話
実(沢村一樹)が「奥茨城に帰ってみっかな」と言い出した。

登場人物に語らせる>
110回で特筆すべきは、愛子(和久井映見)の「寝歌」と、富(白石加代子)の「寝踊り」。
……ではなくて、みね子が、「私が話せるのは父親としての谷田部実さんだよ」と言い、他にもたくさん
あって、生まれてから大人になるまでは、父の茂(古谷一行)や弟の宗男(峯田和伸)しかわからず、男の人としての谷田部実は、妻の美代子(木村佳乃)にしかわからない、と深い考えを見せるところだ。「そう思ったんだよね。話しててさ」と。

ドラマや映画や舞台を作った人や、観た人が、人間とは多面体である、ということを描きたかったと創作意図を語ったり、そういうことを感じたと観た感想を述べたりすることはままあるところを、ドラマの中で登場人物に語らせてしまった。

その考え方でいくと、それまでの記憶を失って、女優・世津子(菅野美穂)と暮らしていた雨男の一面もあって、それは世津子しか知らないということにも行き着く。
みね子は、そんなところまで思いを巡らせる聡明さをもっている。そして、それは、そういうふうに思うことで、彼女の知らない2年半の実がいることを正当化するしかないのかもしれない。

辛いことを笑うことでやり過ごしたり、視野を広げることで自分を納得させたり、生きていくことは本当に大変だ。

私の知らない私
この脚本が巧いと唸るのは、「寝歌」や「寝踊り」もそのエピソードに関連付けられることだ。

一見、みね子が共同炊事場に浮かない顔でやってきて、お父ちゃんが、奥茨城に帰ろうかなと言ったけれど、
お店が休めなくて悩んでいることを語るまでの、間を埋めているかのように見えて、そうではなく。寝ている間に、自分では認識できてない、「それってちょっと危険な領域だと思うんですよ」(早苗/シシド・カフカ)と言うほどのことなのだ。私の知らないあなた、私の知らない私、というものが存在しているということを、寝歌や、寝踊りで語る。
無駄話のようで全く無駄がない。野菜の切れ端まですべて使い切る、「ごちそうさん」(13年)で言ったら、始末の料理のような、脚本だ。

佐々木蔵之介のオトコマエが続く
実家に父を連れて帰りたい。でも、お店が休めない。と悩むみね子に、「おまえがいなくなったらみんな大変な思いをする。でも大切な仲間だからみんなそれはがんばれる。だから大丈夫。な」と背中を押す省吾(佐々木蔵之介)。109回の「大丈夫、私が覚えています」と連続の「大丈夫」攻撃。じーんとさせます。

ただ、話を、うんうんと聞いてくれるだけではなくて、「大丈夫」と無条件に肯定してくれるのが、女子が大好き「ビューネくん」(仕事で疲れた女子を慰めてくれる存在を、そういうCMにちなんで、総称したいと私は思っている)。
「ひよっこ」における「ビューネくん」は、退場した竹内涼真(現在、CMでビューネくんそのものを演じている)でも、世津子にとっての実でもなく、佐々木蔵之介こそが「ビューネくん」なのかもしれない。
(木俣冬)

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