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孫正義氏、自己評価は「28点」でも「先は明るい」理由とは? - ソフトバンク決算発表会

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●純利益-98%のワケ
「これまでの自己評価は28点。しかし、先は明るい」。ソフトバンクグループ 代表取締役会長兼社長 孫正義氏は7日、同社の2018年3月期 第1四半期決算説明会において、自身の「人生50カ年計画」を振り返っての自己評価を問われ、そう答えた。昨年立ち上げたソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下、SVF)の業績を含めた初めての決算発表となった今四半期。繰り返し語られたのは、情報革命を起こすための「構えができた」という言葉だった。

○国内事業は目先の利益より先行投資

ソフトバンクグループの連結業績は、前年同期対比で売上高+3%、営業利益+50%。一方、当期純利益は-98%という数字になっているが、アリババ株売却益のデリバティブ損失を除くと+61%という数字になる。孫氏はこの取引について、3年後の売却を予約し「まだ売ってはいないが現金が先に入る」という仕組みの商品であるため、「アリババの株価が上がれば上がるほどデリバティブ損が出る」と説明した。

各事業の業績については、国内通信事業は営業利益が前年同期対比で-9%。これは先行投資としての販売促進策が影響しているという。国内通信は、この先10年20年という単位で健全に成長させることができる事業と考え、目先の利益を最大限にするより「少しでも顧客基盤を増やしたい」との姿勢を強調した。今年度の国内事業が「トータルでは十分に良い見通し」であることから、一時的に営業利益を減らしてでも、将来のための布石を打った格好だ。

そのひとつ、ソフトバンク光との「お家割 光セット」は、自宅の光ファイバー回線契約によりモバイル契約を2年間値引きするというもの。この契約が順調に伸びており、さらにその効果としてモバイルの解約率が低下。今期はソフトバンクとして初めてauを下回る数字となった。

また、ヤフーでは広告事業が順調に伸びていることに加え、ショッピング事業が大きく成長。取扱高は前年同期比で40%増となった。ソフトバンクモバイルとは、モバイル契約者のショッピングのポイント10倍、Yahoo!プレミアムの無償化といった販売促進に積極的に踏み込むことで、両方がシナジーを出し合っているという。

この他にも、国内通信事業の成長領域としてAI、スマートロボット、IoTなどへの積極的な投資を行っていく考えを示した。孫氏は投資先とのジョイントベンチャーにより、お互いのノウハウで「ビジネスをより高回転に持っていきたい」と語る。その一例となるのが、この7月に発表された起業家向けコワーキングスペースを提供する「WeWork」の日本法人設立だ。孫氏は同社の事業について、場所を貸す不動産業ではなく、プラットフォーム事業であると捉えている。

「プラットフォームとはOSのようなもので、その上に多くのプレーヤーを抱え、場を提供する。我々が好む投資先は、そういう立場の会社が多い」(孫氏)

SVFを設立はしても、ソフトバンクとしての投資の手を緩めるわけではないようだ。

●孫氏「後悔することだらけ」
○スプリント、強気の事業統合へ

各事業の業績の中で特に強調されたのはスプリントの伸びだ。売上高は前年同期比で2%増だが営業利益は3倍。過去3年間で初めての黒字となった。さらにネットワークの改善も大きく前進しているという。

「行けるぞという時だからこそ、次のステージとして事業統合を積極的に考えている。業績が反転し、やっていく自信ができた状況であれば、より良い条件で事業統合できる。非常に喜ばしいこと」(孫氏)

しかし、経営統合先については「複数の相手先を想定して交渉を行っている」「近い将来」としただけで、具体的なコメントは避けた。

ARMについては、売上高は「がめつく取りに行ってない」ために2%増に留まるものの、チップの出荷数では前年同期比28%増。こちらも現在は投資を先行させており、エンジニアの人数は25%増加。新CPUコアも発表されるなど、成長を確実視している。

○「血の繋がり」があるSVF、群戦略の実現

SVFについては具体的な業績に触れることなく、先月開催されたイベント「SoftBank World 2017」の基調講演でも述べたように「多くの起業家たちを集め、情報革命を起こして行く」という同ファンドのコンセプトを改めて説明した。

「我々は情報革命を起こしたい。一人の人間では革命はできない。だから多くの起業家たちを集めて起業家集団とし、力を結集して情報革命を起こしていく」(孫氏)

その集団は上意下達のピラミッド型ではなく、それぞれが自由性を持って意思決定ができる「Webに近い形」だという。

「従来の財閥のように、グループ会社を自分たちの色に染め上げるのとは違う。むしろブランドは自由でいた方がいい。また、シリコンバレーにある1社丸ごと買収し一つの事業部門として吸収するやり方でもない。ベンチャーキャピタルのように株式を持って、上場したら売り抜けるという短期的取引でもない。」(孫氏)

子会社としてマネージするわけではないが、多くのケースでは20~40%近い株式を持つことで、筆頭株主またはそれに近い立場として、経営に影響を与えるレベルでグループを構築するのがSVFのやり方だ。

「資本を持っている、いわば血の繋がりがあるというのは大きい。もっと重要なのは、情報革命というビジョンを共有している起業家集団であること。"同志的結合"というソフトバンク独自の組織論、独自の体系で起業家集団を結集しようとしている。これが私の思い描いた"群戦略"そのものの形だ」(孫氏)

○50カ年計画、自己評価は「28点」

孫氏は説明会冒頭で、自身が今週60歳の誕生日を迎えることに触れ、19歳で志したという「人生50カ年計画」について語った。

「20代で名乗りを上げる、30代で軍資金を貯める、40代でひと勝負する、50代でビジネスモデルを作り上げる。60代で継承する。ソフトバンク創業から一貫して、この思いは変わっていない」(孫氏)

50代を終えるにあたり、SVF構築によって「少なくとも(あるべき組織体系の)"構え"ができてきたのではないか」と評価した。一方で、質疑応答で記者から60歳を目前に控えての自己採点を問われると、その回答は「28点」と3割に欠く数字だった。

「後悔することだらけだし、自分の不甲斐なさに地団駄踏む思い。ただ、まだ人生が終わったわけではない。特に、ソフトバンクの組織体としての生命は、少なくとも300年伸び続けてほしいという思いで作っている。300年の中の30年、まだ1合目だ。やり残したことは多いが、先は明るい。楽しみだ」

これからまだまだ攻めていく、と締めくくった言葉には、28点に対する後悔よりも伸び代を見る視点があった。

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