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1日8本撮りは当たり前、謎のから揚げ弁当……千鳥が伝説的ロケ番組のヤバさを訴える!!

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 テレビ埼玉視聴エリア以外の人たちから「一度見てみたい!」と熱烈に支持されているロケ番組『いろはに千鳥』。先月末にはDVD第4弾『いろはに千鳥(ぬ)(る)(を)』も発売、ますますそのカルト的人気は高まるばかり。「ユルい」「自由」などと評されるこの番組だが、そのユルさの裏には、とんでもない苦労と苦悩と苦情があり……千鳥自ら『いろはに千鳥』の窮状を訴えます!!

***

――『いろはに千鳥』も今年で4年目に突入です。すっかり愛される番組になっていますね。

ノブ そうですね。最初は1クールって聞いてて。「予算もない、ギャラも安いから、なんにも派手なことはできませんよ」って。でも、そんなことあるのかな?って思って。だって、テレビですよ? それなのに、最初の打ち合わせで「予算がないから、町歩くしかないんですよ。なんのセットも建てられないし」とか、あります? でも、実際にテレビ埼玉さんの本社に行ったときに「あ……なさそうやな」って。だって、ちょっと大きめの市民病院みたいなところで。だから、本当に1クールのつもりで頑張ってたんですけど、聞いたところによると、埼玉県民の方がいろいろ言ってくれたみたいですね、テレ玉さんに。

――『いろはに千鳥』をもっと続けてくれ、と。

ノブ それで、ここまでやってこられました。

――「一度は見てみたい!ローカルお笑い番組ランキング」(goo調べ)の第2位に選ばれたそうです。

ノブ おかしな人が投票したんでしょうね(笑)。でもこれ、アレですよね。見たいなと思うランキングですよね。見て面白かったランキングではないですよね(笑)。

――(笑)。

ノブ おそらくですね、僕らが全国ネットの番組で『いろはに千鳥』の文句を言いまくっているので、それで興味が増してるんじゃないですか? 『アメトーーク!』(テレビ朝日系)でも言ってますし、この前は『出没!アド街ック天国』(テレビ東京系)でも言ってきましたよ。

大悟 ホンマに1クールで終わると思ってたし、今でも、なんでこんなに続いているのかわかんないですよ。ただまぁ、やってて面白いは面白いんで、「見たい」とか「続けてくれ」って言ってもらえるのはありがたいんですけど、僕もノブも非常に態度も悪く、表情もさえず、やればやるほど「よくない千鳥」をみなさんにお見せしているのは間違いないんですけどね。

――作っていない、いわゆる「素の千鳥」を見せているということですか?

大悟 最初は一生懸命やろうとはしてるんですけど、6~7本目とかになってきたら、僕なんか完全に頭が回ってないときがあるんで。ただ単に脳が落ちてる。だから作ってないとかではなくて、しんどい(笑)。文句も言うし。

ノブ バラエティというより、ドキュメンタリーとして見たほうがいいですね。やっぱりゴールデンの番組って、みんな元気にやってるんだなって思いますもん。それこそ、収録が1時間半とかでスパッと終わる番組は。『いろはに千鳥』は早朝から夜中まで、ずっとやってますからね。最後のほうとか、大悟なんて猫背になりすぎて顔すら映ってない。

大悟 でも「別に映らなくてもいい!」って思ってしまう。

ノブ そうですね。

大悟 非常によくないですね。

――1日に8本って、録れるものなんですか……?

ノブ はい。やるんですよ。結局、予算がないから。4本撮り4本撮りで2日やるとなると、2回スタッフさんを出さなきゃいけなくなるじゃないですか。僕らはまだ微々たるギャラをもらえるからいいんですけど、スタッフさんは大変ですよね。10分ものを1本撮るロケと同じギャラらしいんですよ。だからもう、後半はスタッフ笑わない笑わない。

――それはキツイ(笑)。

ノブ 一人だけね、バラエティが好きなディレクターがいて、岩津っていうんですけどね。これが笑いの変態すぎて、この人だけが最後まで笑ってる。

――みなさん体力的なキツさを感じながらも、それでもやる……。

ノブ そうですね。最初はスポンサーさんもほとんどついてなくて、墓石店さんが1社だけ……みたいな(笑)。でも、最近は、だいぶ増えたみたいです。

――すごい!

ノブ それなのにですよ、なんっっの待遇の改善もない!! 弁当は、相変わらず見たこともない安そうなやつ。なんの肉かわからない、でっかいから揚げ2個とパンッパンの白飯。腹さえ膨れればええんか、人間は。

――タンパク質と炭水化物(笑)。

ノブ 今は、テレ玉さんに恩返ししてる時期じゃないでしょうか。制作費がない中、僕らにとって初の関東での冠番組を作ってくれた恩返し。だから、これからでしょうね……。

大悟 テレ玉さんには感謝しかないですし、今後『いろはに千鳥』でテレ玉さんが得することがあれば全然いいんですよ。うれしいです。ただ、このDVDの取材でこんなこと言うのもなんなんですけど、こんなもんが3,600円……。

ノブ 高いんですよ(笑)。

大悟 こんなの、ロケやって1回テレビで流しているのを焼いてるだけ、裏ビデオみたいなもん。

――裏ビデオ(笑)。

大悟 DVDだからといって、それ用の企画が入ってるわけでもないし、こんな裏ビデオを3,600円で売っていることが恐ろしい。

――……でも、ほら、未公開映像とか。

ノブ いやいや。

大悟 ほぼ完パケ状態で撮ってるんだから、未公開なんてありませんよ。

ノブ だって、こんだけやって「未公開映像12分」て。

大悟 テレビで放送している本編が、ほぼ未公開シーンなんですよ。普通のテレビでは編集して切り落とすべきところを本編として流しているわけだから。――確かに、お2人がただ歩いているところもちゃんと使う……。

ノブ すぐノーカットでお送りするでしょ? どうでもいい話してるのを。

大悟 あれ本編でやってて、未公開シーンもくそもない。

ノブ でも、どうやらこれ(DVD)売れてるらしいんですよ。

大悟 見られない地域の方が買ってくれてるんですかね……。

――視聴地域に住んでいる方も、コレクション的に買われてますよ。

ノブ なんかね、たまにあるんですよ。Twitterで「初任給が入ったので、念願の『いろはに千鳥』のDVD、全巻買おうと思ってるんです」とか。

――初任給で『いろはに千鳥』って、いいですね。

ノブ いや、やめとけと。初任給は、親にネクタイなりハンカチなり買いなさいよと。そっちに回してほしいです。

――たとえば、この番組がキー局の他の番組をやる上で勉強になってるとか、生かされてるなぁと感じることはありますか?

ノブ&大悟 ないです。

――キッパリ(笑)。

ノブ なんの参考にもなってない。だって、ロケ地も変なところばっかりなんですよ。この前の『アド街ック天国』も「埼玉県久喜」特集で出させてもらったんですけどね、めっちゃいいところあるんですよ、久喜って。公園とか温泉とか、ごはん屋さんもおいしそうで。それなのに『いろはに千鳥』で久喜に行ったときは、写真館でマタニティ―ヌードを撮っただけなんですよ。なんでこんなところをチョイスした? もっとあったやろと。

――久喜をよく知るゲストとして呼ばれたのに……。

ノブ 勉強になる、参考になるどころか、ほかの番組への悪影響が出てきてますよ。

――悪影響ですか?

ノブ 『いろはに千鳥』の衣装って、めちゃめちゃダサイんですよ。ダサイというか、僕らの年代に合ってない。そのせいで「千鳥にはダサイ服を着させたらええんや」とほかの番組のスタッフたちが勘違いして、いま広島でやってるロケ番組でも、めちゃめちゃダサイ海賊の格好させられてる。

大悟 『いろはに千鳥』っていうタイトルが、そもそもダサイですもんね。語呂はいいんですけど。あと、かるた。今さらのかるた。

ノブ 作家がジジイなんですよ。

――業界内では「2017年は千鳥の年」といわれていますが、そんな中、ご自身はその「潮目変わった」感じを味わっていらっしゃいますか?

ノブ 知ってくれてる人の割合は多くなったけど、そんなに変わったことはないですね。ほかの番組でのロケの仕事は増えましたけど。

――正直、もうロケの仕事はやりたくないな~とか、思うこともあります?

ノブ ロケは好きなんで、2人でわーっと楽しくやれるから。ただ……これも『いろはに千鳥』の悪影響といいますか、ロケってどうしても効率悪いんですよ。だいたい1日かけて1本録るじゃないですか、ロケは。これがスタジオ人気芸人になると1日2~3本いけるんですよ。だから、ロケ芸人やってるうちはお金貯まらないだろうなっていうジレンマとの戦い……。でも『いろはに千鳥』やりだしてから、「千鳥のロケ面白い」ってなって、『笑神様は突然に…』(日本テレビ系)とか呼んでもらったりして、そこから東京のテレビのオファーが増えたんで、ありがたいっちゃありがたいです。原点というか。

――『いろはに千鳥』は、千鳥にとってのホームってことになりますね……。

ノブ それだけはね、それだけは勘弁してください。これが代表作ってなるのだけは。僕らも一応芸人ですから、もっともっとバラエティ番組に出たいなって思うんですけど、僕らのところにくるのって、濃いぃバラエティばっかりなんですよ。大悟がよく言ってますけど「さあ笑かせ」「実力見せろ」みたいな。

――出し尽くさなきゃいけないものが多いと。

ノブ ゴールデンのクイズ番組の司会とか、オードリー若林的なやつ。ああいうのやらせてくれって思うんですけどね……。実際は、そうじゃないゴリッゴリの仕事ばっかりくるから、ちょっと困ってます。

大悟 いろいろね、夢を持ってこの世界に入ってきて、お笑いの仕事はずっとやっていきたいと思っているんですけど、もしも、もしもですよ、この『いろはに千鳥』をずっとやり続けて、いつかノブがめっちゃハゲて、僕が太るかもしくはガリッガリになったら、それはそれでもっと面白いかもしれんなとは思いますね。3本撮りくらいで死にそうになっちゃってて。

ノブ 若手にバカにされながらね。ジジイ2人で何やっとん?って(笑)。

大悟 カート乗ったり、マタニティヌード撮ったり。

ノブ 「30年やってるらしいで、あれ」ってなったら、まぁ確かにちょっと面白いですよね。

大悟 伝説残した人って、若い時から同じ番組やり続けていたりするじゃないですか。『さんまのまんま』(フジテレビ系)とか『ガキの使い』(日本テレビ系)とか。そういう意味で僕らはもう手遅れなんで、できるとしたら『いろはに千鳥』しかない。

ノブ 伝説の番組は『いろはに千鳥』(笑)。ただ、ジジイになって1日8本撮りだけは勘弁して。(取材・文=西澤千央)

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